マクラーレンの育成ドライバーであるブラジル人ドライバー、ガブリエル・ボルトレトが、レッドブルリンクで行なわれたテストでF1マシンを初ドライブ。FP1でのF1公式セッションデビューに向けて走行マイレージを稼いだ。
昨年FIA F3参戦初年度でタイトルを獲得し、マクラーレン育成として今年FIA F2にステップアップしてきたボルトレト。デビューイヤーながらもF2タイトル争いに加わり、このジュニアシリーズの中で最も注目されているドライバーのひとりとなった。
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F3でもF2でも、ボルトレトは安定した走りとポイント獲得の能力を見せつけてきた。先日のF2モンツァ戦では予選でのスピンアウトによって最後尾スタートとなりながらも、スプリントでは8位入賞。フィーチャーレースではセーフティーカー出動の幸運もあって“テール・トゥ・ウィン”を果たした。
F2モンツァ戦でまさに“主役”となったボルトレトは、育成プログラムの一環としてF1マシンを初めてドライブした。
9月6日(金)にボルトレトはマクラーレンの旧車テスト(TPC)に参加。現行グラウンドエフェクト規定1年目となる2022年シーズンに投入された、MCL36を走らせた。
スポーティングレギュレーションでは、F1チームは最低2シーズンが経過したマシンを制限なくTPCとして利用することが可能。2024年からは2022年マシンも使用が可能になり、若手ドライバーが現行マシンに慣れる上では有意義な機会となる。
そして現在のF1では、各チームともシーズン中に2回、F1出走2戦以下のドライバーにフリー走行セッションの出走機会を提供することを義務付けている。昨年12月からマクラーレンのファクトリーにあるシミュレータでの作業も行なっているボルトレトは以前、ルーキーセッションへの参加を希望していることを公言していた。
「F1では、ルーキーがシーズン中に少なくとも2回のフリー走行セッションに参加するチャンスを与えることがチームに義務付けられている」とボルトレトは言う。
「僕はそれに関する契約書には何もサインしていないけど、もし上手くいって、アカデミーの中で最もF1に近いドライバーになれれば……F2でマクラーレンのドライバーは僕ひとりだから、フリー走行セッションに参加するのは理にかなっている」
「シミュレーターセッションやサーキットテスト、その他の活動も行なうつもりだ」
なお、グランプリ週末のフリー走行セッションに出走するドライバーは、F1マシンのテストで少なくとも300kmを走行している必要がある。
昨年、マクラーレンはリザーブドライバーで同陣営からインディカーに参戦するパトリシオ・オワードを起用しており、彼の母国であるメキシコでは再びオワードにチャンスが巡ってくるかもしれない。しかし、これまでの好成績を考えれば、マクラーレンが少なくとも1回はボルトレトをFP1で起用する可能性は否定できない。
そしてmotorsport.comでも報じた通り、ボルトレトにはF1パドックから大きな注目が集まっており、ザウバーが獲得を検討していると言われている。
ザウバーはアウディのワークスチームとなる2026年シーズン以降を見据え、すでに契約を結んでいるニコ・ヒュルケンベルグのチームメイト選びを続けており、現在チームに所属するバルテリ・ボッタスと単年契約を結ぶか、それともボルトレトなどのルーキーを選ぶかという状況にある。
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