■Gクラスのパクリ? BJ80とはどんなクルマ?
2020年7月22日に開幕した成都モーターショー2020で、北京汽車のオフロード車「BJ80」の2020年モデルが世界初公開されました。
このBJ80、一見しただけであるクルマに似ていることがわかります。世界のオフロード車の金字塔である、メルセデス・ベンツ「Gクラス」です。
これが「プリウス」なの!? 「フェラーリ」そっくりなプリウスが登場!
今回、登場したBJ80は、全長4765mm×全幅1955mm×全高1985mmと、現行Gクラスと同程度の堂々たるボディを持ちます。
一方、搭載されるパワートレインは、従来からラインナップされているサーブ製2.3リッター直列4気筒ターボエンジンにアイシン製6ATを組み合わせた設定です。
加えて、自社開発のオールアルミニウム製3リッターV型6気筒ターボエンジンとZF製8ATを組み合わせたハイパワーグレードも設定されました。
2.3リッターは最高出力247馬力/最大トルク35.7kgf・mで、3リッターは最高出力276馬力/最大トルク42.8kgf・mを発揮します。
BJ80は本格的なオフロード性能も有しており、2輪駆動、4輪駆動、低速4輪駆道を切り替える電子制御式のパートタイム4WDを採用しているほか、機械式デフロックも搭載。本家Gクラスに相当する悪路走破性を兼ね備えているようです。
また、2020年モデルでは内装がより豪華になっています。ナッパレザーを採用したレザーシートに加えて、電動リアシートや前後席に配される10.25インチのLCDモニターなど、快適性能が大幅に向上しています。
価格は29万8000元(約450万円)から39万8000元(約600万円)と、中国ブランドのクルマとしては高価格帯ではあるものの、Gクラス(G500)は162万8800元(約2460万円)と、4倍ほどの価格差があります。
そのため、BJ80の実質的なライバルはGクラスではなく、トヨタ「ランドクルーザープラド」などとなるようです。
ランドクルーザープラド(3.5リッターエンジン搭載モデル)の価格は43万5800元(約660万円)からということを考えると、価格面ではBJ80は競争力があるといえます。
BJ80とGクラスが似ているという点について、一般消費者はどのように受け止めているのでしょうか。
中国のインターネット掲示板などを見ると、BJ80とGクラスが似ていることは周知の事実ではあるようですが、具体的な比較対象とはなっていないようです。
その理由は、車両価格自体が大きく異なることはもちろん、メルセデス・ベンツと北京汽車では、ブランド自体が競合することがないことが挙げられます。
つまり、BJ80を選ぶ層は、Gクラスに似ているから選ぶのではなく、あくまで北京汽車というブランドのなかからBJ80を選ぶという意識が強いようです。
また、以前のBJ80に比べて、2020年モデルは外見こそ依然としてGクラスに似てはいるものの、インテリアや機能面で独自の進化を遂げていることから、Gクラスとの比較ではなく、BJ80というクルマそのものを評価している傾向も見られます。
乱暴な例ではありますが、BJ80ほどではないにせよ、スズキ「ジムニー」がGクラスに似ているからいって、Gクラスの代替品としてジムニーを買う人は皆無でしょう。同様に、BJ80もあくまでBJ80として、消費者からは認識されているようです。
ちなみに、Gクラスは「ビッグG」や「グランドG」と呼ばれ、世界基準のオフロード車として、現地のファンからも別格の存在として高い人気を誇っているようです。
■「これはパクリだ…!」といっていいのだろうか?
BJ80のデザインは明らかにGクラスと似ている(フロントマスクはジープ「チェロキー」)といって差し支えないでしょう。
では、単に北京汽車がメルセデス・ベンツをパクったといってよいのでしょうか。しかし、そこには少々複雑な事情があるようです。
中国では、原則として中国国内で自動車を生産し販売するためには、 現地企業と合弁企業を設立する必要があります。
海外生産のクルマを輸入車として販売すると、高額な関税が上乗せされてしまうため、超高級車をのぞいてほとんどのメーカーは現地企業と合弁企業を設立。例えば、トヨタであれば第一汽車や広州汽車、日産であれば東風汽車とパートナーシップを結んでいます。
こういった政策をとることは発展途中の新興国では珍しくありません。国内の産業を守りつつ、なおかつ海外の技術をとりこむためには外資系企業の進出を無制限にしてしまうわけにはいきません。
一方の外資系企業側も技術流出の恐れはある一方で、やはり新車販売台数世界一の中国市場は魅力的です。そういったメリットとデメリットを天秤にかけた結果、多くの外資系企業が中国国内で合弁企業を設立しているのです。
では、メルセデス・ベンツはどの企業と合弁企業を設立しているのでしょうか。それはなんとBJ80を販売している北京汽車なのです。
メルセデス・ベンツの親会社であるダイムラーグループと北京汽車グループの関係は深く、2003年に業務提携を開始し、2005年に合弁企業の北京ベンツ汽車を設立、その後、「Cクラス」や「Eクラス」、「GLA」といって人気車種の現地生産をおこなっています。
さらに2019年には北京汽車グループがダイムラーグループの株式の5%を取得、議決権を獲得しています。ちなみに、ダイムラーグループの筆頭株主は、吉利汽車創業者であり吉利・ホールディング・グループ会長である李書福氏です。同社はボルボ・カーズの親会社でもあります。
このことから、北京汽車とメルセデス・ベンツは「アカの他人」ではないということがわかります。これは推測の域を出ませんが、両者の提携交渉のなかで、BJ80のようなクルマを発売することを合意している可能性もあります。
とはいえ、プレミアムブランドを代表する存在であるメルセデス・ベンツからすれば、BJ80は歓迎できるものではないでしょう。
しかし、もし北京汽車と合弁が解消すれば、メルセデス・ベンツは稼ぎ頭の中国市場を失うことになります。そうなると、BJ80が気になる存在であったとしても、黙認する方がメリットがあるといえます。
※ ※ ※
中国のモーターショーなどを見ると、たしかにどこかで見たことのあるようなクルマに遭遇することが少なくありません。
しかし、デザインが似通うのにはさまざまな背景があります。もちろん、悪質なコピーもなかにはありますが、多くの場合、メリットやデメリットを天秤にかけた結果、両者が合意、あるいは少なくとも承知した上で黙認しているというケースが多いようです。
それほどまでに、中国市場が世界の自動車産業に与える影響は大きいということでしょう。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
新車102万円! トヨタ新「軽トラック」発表に反響あり!「もはやハイラックス・ミニ!」「あぜ道の王様だね」の声も!“2人乗り×超タフ”が自慢な「新ピクシストラック」とは!
激混み国道1号に代わる“快適バイパス”いよいよ全通近し! 車の流れ変わる? 滋賀「山手幹線」が3月延伸
トヨタ「新型クラウンエステート」まもなく登場へ 18年ぶり復活で「大型SUV化」×奥行き2mの「めちゃ広ラゲッジ」採用! シリーズ“第4”のモデルはなぜ延期が続いたのか
6MT搭載! ホンダが名車「Z」を復活!? 超レトロな「旧車デザイン」ד丸目ライト”採用した「3ドアクーペ」に注目! めちゃ懐かしい“水中メガネ”搭載した「Re:Z」コンセプトとは
日産「新型エクストレイル」まもなく登場!? 大人気SUVが「三菱のOEM」に? 明らかになった「PHEV」モデルの正体とは
トランプ大統領が「日本の消費税廃止」を要求? JEEP以外のアメ車が日本で売れない理由は「そこじゃない」
外国人が「簡単に取れる日本の免許証制度」とは? 問題が指摘される「外免切替」 国家公安委員長「制度改正の検討」を示唆! 事故実態は「把握せず」
「高性能ターボ×MT」がウリなのに… 日産「“最強”2人乗りスポーツカー」なぜATのみ? 「フェアレディZ NISMO」がMTじゃない理由とは?
【中国】約200万円! トヨタ新型「bZ3X」25年3月発売に反響多数! 「RAV4より広くて快適そう」「価格安すぎ」「先進運転支援システムが気になる」の声も! 新たな「bZシリーズ」登場!
タカラトミーが Juju 選手とパートナー契約…スーパーフォーミュラマシンに「TOMICA」のロゴ
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
大陸人と隣の半島民族の思考能力はケモノ以下。話しが噛み合わないどころか言葉が通じない。