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アウディMS代表ディーター・ガスが語る2019年のDTMと日本勢を迎え撃つ最終戦

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アウディMS代表ディーター・ガスが語る2019年のDTMと日本勢を迎え撃つ最終戦

 2019年、新たにスーパーGT GT500クラスと同じ2リッター直4直噴ターボエンジンを積み、BMW、アストンマーティンとDTMドイツ・ツーリングカー選手権を争ったアウディ。今季を優位に進めることになったが、シーズン残すところ2戦となり、今季のRS5 DTMの強さと、シーズン最終戦におけるスーパーGT車両の参戦に向けて、アウディの広報サイト向けに語った。

■直噴ターボ技術はアウディのノウハウを有効活用
──早期のDTMメーカーチャンピオン獲得おめでとうございます。このタイトルはアウディにとってどれほど重要でしょうか。
ディーター・ガス(以下DG):F1と同様に、外から見てもドライバータイトルはDTMにおいて最も価値があるものだ。ただしDTMでは、メーカータイトルも大いに価値がある。これはチームとして最高の仕事をしたことを示す指標だからね。これにはドライバー、チーム、我々のパートナー、もちろんノイブルク、ネッカーズルム、インゴルシュタットの従業員も同様だ。トラックで直接仕事をしていなくても、すべてのアウディに携わる人たちが誇りに思うべきものだ。

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──近年のDTMにおいて、これだけひとつのメーカーが支配的に、早期にタイトルを獲得したことはありませんでした。
DG:たしかに我々にとっても驚きだった。今年のアウディRS5 DTMがいかに打ち破ることが難しいクルマであるか示したことになる。また我々は、アウディの2リッター直4直噴ターボがあらゆるものの尺度になっていると感じている。我々のエンジニアは、これまで培った広範囲なノウハウを有効に活用した。我々は2001年、モータースポーツで直噴とターボを初めて組み合わせた最初のメーカーであることを忘れてはならない。TFSIエンジンを搭載したLMPカーのアウディR8は、2005年までスポーツプロトタイプカーで実質無敵の状態だったんだ。いま、ガソリン直噴とターボチャージャーの組み合わせは標準的な方法になり、CO2排出量削減に繋がる効率化技術になっている。この経験からもたらされる恩恵は、アウディのDTMドライバーたちはもちろん、市販車に乗る皆さんも享受しているんだ。

──アウディの現在の優位により、性能均衡化を狙うパフォーマンス・ウエイトを復活させるべきという声も聞こえていますが、いかがですか?
DG:もちろん我々も、できる限りスリリングで変化に富んだレースを観たいと思っているが、パフォーマンス・ウエイトを戻すべきとは思わない。DTMはかつて、モータースポーツよりショーであると批判されてきたが、我々は真のレーサーであるゲルハルト・ベルガーをDTMのCEOとしている。彼は我々の見解を完全に共有してくれているんだ。最高の者が勝つべきだというね。
2017年のパフォーマンス・ウエイトの廃止はとても重要な動きだったが、この変化にも関わらず我々は多くのスリリングなレースを観てきた。2018年序盤、我々は空力に苦戦して、いまのライバルたちと同じ状況になり、ラウジッツリンクの土曜のレースでは無得点に沈んだ。チームには難しい時期だった。ホモロゲートされたクルマだったが、我々はハードワークをこなし、シーズン中に多くの作業をこなしてトップに戻ったんだ。
DTMでは、細かい作業の多くの積み重ねがとても重要なんだ。“凍結された技術”であるにも関わらずね。タイム差がすごく小さいので、潮流はいつも激しく変化する。

──なぜアウディは今季強いのでしょうか。
DG:私が言ったように、DTMではパッケージ全体が正しい必要がある。間違いなく今季の最大の強みは、我々のクルマがトラック上でうまく機能し、すべてのドライバーが同じくらい高いレベルで争っているという事実だ。

──メーカータイトルを獲得するうえで、グリッド上にBMWよりも2台台数が多いことは決定的なものだったのでしょうか?
DG:必ずしもそうではない。それぞれのブランドの上位4台だけがメーカータイトル争いで得点できるからだ。2台多いことによるメリットは最小限だろう。

■日本チームがDTMのグリッドに立つのは「歴史的ハイライト」
──DTM第9戦ホッケンハイムのシーズンフィナーレでは、アストンマーティン、アウディ、BMWに加え、ホンダ、レクサス、ニッサンという6つのブランドが初めてグリッドに登場します。このラインアップに期待することはなんでしょうか。
DG:将来、DTMにより多くのブランドが集うことの“予測”になるだろう。DTMフィナーレでは、歴史的なDTMマシンの展示など多くのイベントが予定されているが、何より日本人ドライバー、日本車がDTMのレースでグリッドに立つことは、歴史的にもDTMファンとしては絶対に見逃せないハイライトになるだろう。2017年の最終戦には、スーパーGTマシンのデモランを観ることができたが、あれが皆を刺激したと思うし、私はすでにこの最終戦の2レースがすごく楽しみだよ!

──スーパーGTのGT500マシンとDTMのマシンには、まだいくつかの小さな技術的な違いがありますが、どのように解決していきますか?
DG:現在のところのプランでは、木曜に日本チームがホッケンハイムでテストを行い、このテストに基づき“バランス・オブ・パフォーマンス”を決め、DTMとスーパーGTの両車がひとつのレベルで争うことを目指すんだ。これは11月に富士スピードウェイで行われる特別交流戦でも当てはまる。

──DTMはより国際的になり、ドイツでのレース数を減らし、シリーズの名前を変えようという噂もある。これに関するアウディの立場は?
DG:我々はITRとともにシリーズの国際化に取り組んでいるんだ。DTMの強力なドイツでのファン層をキープしたいのは明らかだが、我々は同時にコストをかけずに、より国際的であろうとしている。たとえばイタリアならミサノのように、まばらに埋まったスタンドの前でレースをすることは助けにならない。逆にオランダのアッセンでは、ドイツ以外にも強力なプロモーターが何を可能にするのかを示す良い例だった。また、ブランズハッチでは他のレース同様、多くのファンがいた。異なる名前が、国際的には役に立つ場合がある。

──今季、DTMのドライバーズチャンピオンに輝くのは誰になると思いますか?
DG:アウディドライバーのレネとニコは大きなリードがあるけれど、BMWとマルコ・ウィットマンを過小評価してはならない。タイトルを最終戦まで持ち越すために、決してあきらめることはないだろう。そしてそんな最終戦、何が起きるか分からないことは、2017年に大方の予想を覆してレネがチャンピオンになったことで良く分かっている。

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