鈴鹿サーキットで開催されているF1日本GP。タイヤへの攻撃性が予想以上に高く、F1タイヤサプライヤーのピレリは、決勝で2ストップが主な戦略になると予想している。
今年のF1日本GPは予選を終了し、結果としてレッドブルのマックス・フェルスタッペンがポールポジションを獲得。マクラーレンの2台がそれに続く形となった。
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9月24日(日)には、いよいよ全53周の決勝レースを迎える。ただドライバーからは、路面のグリップ力低下によってタイヤのデグラデーション(性能劣化)が激しく、複数回のピットストップを余儀なくされるかもしれないとの声が聞こえてくる。
鈴鹿サーキットは元々タイヤに厳しいサーキットであり、ピレリもタイヤへかかる負荷を5段階中最大のレベル5としている。初日の段階でメルセデスのジョージ・ラッセルは3ストップになる可能性も示唆していたが、多くのチームが2ストップ戦略を取るとピレリでモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは考えている。
「決勝レースの展望を考えると、特に気温・路面温度が予選日と同じになるはずなので、2ストップが最も一般的な選択になることは明らかだ」とイゾラは言う。
「実際、3つのコンパウンドがそれぞれに異なる役割を果たす能力を示していることから、(各チームの)ストラテジストがどのようなコンパウンドの組み合わせを選ぶかは興味深い」
「おそらくハードタイヤが一番人気のコンパウンドになるだろう。8人のドライバーは供給された2セットをそのまま温存していて、残りの12名は新品を1セット残している」
「さらに、ソフトは明らかに熱ダレの兆候が最も顕著だが、スタートで順位を上げたいドライバーにとっては第1スティントで役立つだろうし、燃料搭載量の少ないレース終盤では、使い古したコンパウンドを使用し遅いドライバーとの性能差を利用することもできるだろう」
イゾラが言うハードタイヤを2セット残しているドライバーは、ルイス・ハミルトンとラッセルのメルセデス勢、ランド・ノリスとオスカー・ピアストリのマクラーレン勢、エステバン・オコンとピエール・ガスリーのアルピーヌ勢、そしてアストンマーチンのフェルナンド・アロンソとハースのケビン・マグヌッセンだ。
ピレリはソフトタイヤでスタートした後12~18周目まで粘り、残りの周回数をハードタイヤで2スティントに分けて走る戦略がベストだと考えている。
仮にこの戦略が最適解だとすると、困ったのがポールシッターのフェルスタッペン。彼は新品ミディアムタイヤを3セット残している一方で、手持ちの新品ハードタイヤは1セットだ。一方で、予選2~3番手のマクラーレンは上記の通りハードタイヤを2セット温存しており、タイヤの消耗戦となれば、フェルスタッペンを打ち破る勝機が訪れるかもしれない。
チーム代表のアンドレア・ステラは、決勝レースの戦略について次のように語っている。
「ハードは良いタイヤだと思うし、他のふたつ(のコンパウンド)はオーバーヒートしてしまうから、我々が2セットを残している状況にはハッピーだ」
「ハードタイヤでもオーバーヒートするが、ハードタイヤの方がラップタイムを稼げる。戦略的には面白い状況だ。決勝ではこれが有利に働くかどうか見てみよう」
ただステラ代表はタイヤ戦略で優位に立ったことについては満足している一方で、レッドブルRB19が鈴鹿で持つアドバンテージの大きさを警戒。マクラーレンが勝利を争うためには、スタートでフェルスタッペンの前に立つことが必須だと彼は考えている。
「マックスを攻撃する唯一の方法は、戦術的なモノだ」とステラ代表は言う。
「1周目の終わりまでに何らかの理由で前に出ることができれば、彼の動きに対応するという意味で戦術的なモノになる」
「でも彼がトップに立ったなら、彼のペースはとても速いから、我々のレースにはならない。私としてはフェラーリやメルセデスとの戦いになるのは間違いないと思っている。それが我々としては普通の状況でのレースなのだ」
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