2020年FIA F2第4戦シルバーストンのレース1が行なわれた。優勝したのはニキータ・マゼピン(ハイテック)で、F2参戦2年目で初優勝を挙げた。日本勢は角田裕毅(カーリン)が3位表彰台を獲得した。
前日の予選では、松下信治(MPモータースポーツ)のチームメイトでルーキーのフェリペ・ドルゴビッチが初のポールポジションを獲得。その隣にはカラム・アイロット(ユニ-ヴィルトゥオーシ)、2列目にはミック・シューマッハー(プレマ)、クリスチャン・ルンガー(ARTグランプリ)と、ランキング上位のドライバーが順当に名を連ねた。
■F2シルバーストン予選:ドルゴビッチが初のPP獲得。角田は終盤にタイム伸びず9番手
一方でポイントリーダーのロバート・シュバルツマン(プレマ)は予選で苦しみ18番グリッド。ただ彼は前戦ハンガロリンクのレース1で11番グリッドから優勝しており、今回も追い上げに期待がかかる。日本勢は角田が9番グリッド、松下が11番グリッド、佐藤万璃音(トライデント)が17番グリッドからのスタートとなった。
フォーメーションラップがスタートしたが、2番グリッドのアイロットが発進できない。隊列に加わることができず、結局ピットレーンからのスタートとなってしまった。
29周のレースがスタート。シューマッハーが抜群の蹴り出しで一気にトップに浮上した。2番手マゼピン、3番手ルンガーと続き、スタートが振るわなかったドルゴビッチは4番手に後退した。角田はオープニングラップで6番手まで順位を上げてきた。
3周目、マゼピンがストウコーナーでシューマッハーを交わしてトップに。その後徐々にリードを広げていった。
レースが5周を過ぎた頃から、ミディアムタイヤを履いたマシンとハードタイヤを履いたマシンのペースが逆転し始める。ハードタイヤを履く周冠宇(ユニ-ヴィルトゥオーシ)は、7周目に角田をパスして6番手に浮上すると、8周目にジャック・エイトケン(カンポス)も攻略して5番手に上がった。
8周目、マゼピン、シューマッハー、角田が同時にピットイン。角田は先にピットに入っていたチームメイトのユアン・ダルバラの後ろに回る形となってしまった。
レースが折り返し地点となったところで、タイヤ交換を終えていないドルゴビッチ、周、エイトケンがトップ3を形成。松下もそのすぐ後ろ4番手につけた。タイヤ交換を済ませたドライバーの中では9番手のマゼピンが最上位だ。シューマッハーはアーテム・マルケロフ(HWA)を抜きあぐねている間にルンガーに前を行かれてしまった。
角田は16周目にようやくダルバラを攻略。前を行くライバルたちを追いかけていった。
17周目頃からハードタイヤスタートのドライバーが徐々にピットインし始める。上位陣では首位を走っていたドルゴビッチが19周目にピットインし、12番手でコースに復帰した。
レースは残り10周を切った。ペースを大きく落とさずに耐えていた周とエイトケンは残り8周でピットイン。周は8番手、エイトケンは13番手でコースに復帰した。
これで上位陣は全てピットインを完了し、マゼピン、ルンガー、シューマッハー、ルイ・デレトラ(チャロウズ)、角田というオーダーになった。
レース終盤となり、シューマッハーのペースが急激に落ち始める。デレトラと角田はそのシューマッハーをオーバーテイクし、それぞれ順位を上げた。角田はフレッシュタイヤで追い上げる周に交わされ5番手に落ちるも、デレトラを交わして再び4番手に浮上した。
残り3周、ルンガーに周が追いつきオーバーテイク。これで周は2番手に浮上した。
そして迎えたファイナルラップ。ペースがガクンと落ちたルンガーに角田が迫る。角田はバックストレートで素晴らしいオーバーテイクを決め、土壇場で3番手に浮上した。
危なげない走りを見せたマゼピンはトップでチェッカーを受け、F2参戦2年目で初優勝を挙げた。2位にはハードタイヤスタートの作戦をうまく成功させた周が入った。
そして3位に入ったのは角田。ライバルたちがタイヤ管理に失敗して失速していくのを尻目に着々と順位を上げ、9番手スタートからポディウムまでたどり着いた。
4位にはルンガー。ピットスタートのアイロットは5位まで挽回してみせた。以下デレトラ、ドルゴビッチと続き、8位のダニエル・ティクトゥム(DAMS)がレース2のポールポジションを手にした。一時は首位に立ったシューマッハーは9位、松下は10位で1ポイントを獲得した。佐藤は20位フィニッシュだった。
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