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ダイハツ「MAX」と「ソニカ」の姿がすぐに思い当たる人は通です。アルファ ロメオ風のテールライトが洒落てました【カタログは語る】

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ダイハツ「MAX」と「ソニカ」の姿がすぐに思い当たる人は通です。アルファ ロメオ風のテールライトが洒落てました【カタログは語る】

わずか3~4年と軽自動車としては短命だったMAXとソニカ

ダイハツの軽自動車というと、「ミゼット」、「フェロー」といった車名が思い浮かぶ……というのは、かなり歳を重ねた人だと思う。今どきならスーパーハイトワゴンの「タント」、あるいはSUV風味の「タフト」、こだわりの「コペン」といったところが、車名の挙がる代表かもしれない。その一方で、事実に基づいていえば、軽自動車としては短い期間でいつの間にか姿を消したモデルもあった。ここで取り上げる「MAX(マックス)」と「ソニカ」である。両車の販売期間はMAXが2001年11月~2005年12月の4年1カ月、ソニカは2006年6月~2009年6月の3年だった。筆者は世の中の市販車は広く平等に好意的に受け止めたいと思っているし、個人的にはマイナーな車種にしばしば傾倒するところもある。だが、そんな気持ちを持ちつつも、改めて販売期間を認識し直すと、短かったのね……と率直に思う。

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MAX:スタイリングもさりげなく攻めていた

まず2代目「フェローMAX」(1970年)から車名を復活させたMAXだが、このクルマは当時の「ミラ」と「ムーブ」の間のポジションに置かれた。「間」のモノサシとなるのは全高で、セダンタイプのミラが1425mm、ハイトワゴンのムーブが1670mmだったところ、MAXは当時の「ネイキッド」と同じ1550mmとし、立体駐車場の入庫が可能(カタログには「180度に倒れる可倒式ルーフエンドアンテナ」がわざわざ図入りで紹介されていた)な点がポイント。

また非ワゴン的なスタイルながら、室内空間のゆとりも売りとしていた。頭上にゆとりを持たせたうえで前席と後席の間隔は840mm、運転席のシート高は乗り降りがしやすいとしていた580mm、さらに前席はサイドウォークスルーも可能と、使いやすさにも注力していた。またボディ色とグレード次第で、途中のマイナーチェンジでシート表皮がブルーとベージュの2色から選べるように用意された。

ほかにもリアシートには左右分割リクライニング機構が備わるほか、脱着式でフルフラットのラゲッジフロアにできたりと、機能面も充実。インパネ側ではなくフロントのドアトリムにビルトイン式のマルチホルダー(カップホルダー)を備えるなど、装備面の配慮も細かだった。

またエンジンラインナップも個性的で、上位グレードには4気筒DOHCインタークーラーターボ(64ps/10.2kgm)と3気筒DOHCインタークーラーターボ(64ps/10.5kgm)を用意、いずれも4速ATとし、どちらにもFFのほかにパートタイム4WDも設定されていた。これらターボ系はショックアブソーバーも専用チューンとしているなど、ハードウェアにもなかなかこだわりが見られたのだった。

それとこだわりといえばスタイリングもそう。テールランプは見るからに当時のアルファ ロメオ(「156」や「166」)風で、(じつは当時それらのオーナーであった筆者は)目の当たりにして「そう来たかぁ」と感慨深く受け止めたのが懐かしいが、要はちょっと他の軽自動車とは違うスタイルが打ち出してもあった。今見ると、曲線的でキレイなリアドアの切り方や下すぼまりのCピラー形状など、さりげないディテールでさりげなく攻めていたこともわかる。だが、販売にあまり結びつかなかったのは、さりげなさすぎたから……だったのかもしれない。

ソニカ:走りの上質さも備えたツアラーだった

もう1台のソニカも、わずか3年でカタログからドロップしてしまったのがなんとも惜しかったモデル。1470mmと低めの全高にセットされたロングルーフ&ワンモーションのスタイルが、とにかく垢抜けておりスタイリッシュだった。後方に向かって切れ上がったサイドウインドウは小さなリアクオーターウインドウ付きの6ライト構成で、専用にしつらえたメッキのアウタードアハンドルなど、軽自動車らしからぬ上質感も感じられた。

インテリアも当時の軽自動車では最大の室内幅(1320mm)をとり、シートサイズの余裕が大きかったほか、後席もゆったりとした着座姿勢が作られていた。フォルム自体はホンダの初代「トゥデイ」を連想させるものだったが、4ドアであるところがポイントで、今この原稿を書きながら「もう1度乗ってみたい」の思いが込み上げてくるほど他車にない存在感のあるクルマだった。

それとメカニズム面も意欲的で、新開発だったCVTには、当時世界初のトルコンを組み合わせたインプットリダクション方式の3軸ギヤトレーン構造を採用。優れた動力伝達効率と変速ショックとタイムラグのないスムーズな加速を実現していたことも大きな特徴だった。搭載エンジンは3気筒DOHC 12バルブインタークーラーターボ(64ps/10.5kgm)、サスペンションは軽自動車としては手厚い前後スタビライザー付きとするなど、走りにもこだわりを見せていた。またレーダークルーズコントロールをメーカーオプションで設定していた。

今思うと、商標か何かの事情があったのかもしれないが、登場前年のショーカーに付けられていた「SKツアラー」のほうが抽象的なソニカよりも車名として相応しかったのでは? などとも思えるクルマだった。

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