IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の2023年GTP王者となったアクション・エクスプレス・レーシングのピポ・デラーニは、最終戦プチ・ル・マンの終盤に接触したフィリペ・アルバカーキが「楽観的すぎる」動きをしたため、ウェイン・テイラー・レーシング・ウィズ・アンドレッティ・オートスポートの10号車アキュラARX-06はバリアにヒットし、タイトル争いから脱落してしまったと感じたという。
■ターン1の外側に行ってはいけない
タイトル争うアキュラとキャデラックが接触。大荒れの最終戦でAXRがGTP初代王者に。優勝はMSR/IMSA
このふたりのライバルは、10月14日にロード・アトランタで行われた第11戦のレース終盤に総合2位を、そして僅差でドライバーズ・タイトルを争っていた。
残り1時間強、10号車のアルバカーキは高速の1コーナーに向かうデラーニの31号車キャデラックVシリーズ.Rをアウト側からパスしようとしたが、2台のマシンはわずかに接触した後、10号車はアウト側のバリアへと高速でクラッシュした。
IMSAのレースコントロールはこのアクシデントを検証した結果、ペナルティはなしと判断した。
「まだ1時間もあるというのに、フィリペは楽観的すぎたと思う」とデラーニはレース後に語った。
「僕らはこれまで、ターン1をアウト側から通過するのは、決して簡単ではないことを見てきた。昨年は2台のキャデラックがそう(同士討ち)だったよね」
「何度も何度もアウトサイドに出ようとしても、グリップを失うだけだ。 明らかに彼はそれを試みたけど、グリップを求めてアグレッシブに切り込んできて、僕をインサイドに追いやろうとしたんだ」
「だけどそこには僕がいた。彼は接触してきて、そして(バリアに)行ってしまった」
「彼にとっては不運なことだった。彼の身体に問題がないことを願っている。それが一番大事なことだ。だけど、僕の観点からすれば、まだレースは1時間もあった。まだまだたくさん残っていたんだ。彼はターン1のアウトサイドに行くという楽観的すぎる動きをしてしまった」
アルバカーキが病院に搬送され、詳しい検査を受ける間に、31号車は6位でフィニッシュし、デラーニとチームメイトのアレクサンダー・シムズはGTP時代最初のドライバーズタイトルを決めた。
同じくAXRとWTRの間で決着した2021年のDPiタイトル争いがフラッシュバックするかと尋ねられたデラーニは、こう答えている。
「フラッシュバックするのは、いつも最後に10号車が僕たちと戦っているように見えるからだ。今年は、レースが終盤に違う方向に進んだ。10号車にとっては残念な結果だった。なぜなら僕らは全員、コース上で戦い、勝利したいと思っているのは明らかだからだ」
「ウェイン・テイラー・レーシング、アキュラ、BMW、ポルシェなど、今年は誰もが驚くべきレベルを上げてきた素晴らしいプロフェッショナルと戦っている。だから特別なことだと思うし、だからコース上で勝ちたいんだ……公平かつ、誰もクラッシュしないようにね」
「そうだね、それは過去を思い起こさせる。でも、最終的に僕は自分にこう言ったんだ。『僕はすでにチャンピオンを獲得している。今年何があろうと、それはボーナスだ』とね。正直なところ、このレースウイークはとてもリラックスできていた」
「僕は神の御手を信じ、自分の持てる力を最大限に発揮した。この瞬間を本当に誇りに思う」
アルバカーキとコ・ドライバーのリッキー・テイラーは最終戦での完走こそ逃したものの、ドライバーズ選手権ではAXRのふたりから21ポイント差の2位でシーズンを終えた。その後、チームはアルバカーキが検査後に病院を後にしたことをSNSで報告している。
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