11月1日(水)、バーレーンのバーレーン・インターナショナル・サーキットは、WEC世界耐久選手権第7戦『バーレーン8時間レース』の走行前日を迎えた。
土曜日(11月4日)決勝となる今戦で、すべてのクラスのタイトル争いが決することとなる。決戦を控えたバーレーンのパドックから、各種トピックスをお届けする。
ロバート・クビサ、ハイパーカー参戦か。ポルシェ963カスタマーとの交渉を認める
■ハイパーカーのタイヤスペックは富士同様
WECのシーズンファイナルは水曜日の夕方、パドックでの屋外バーベキューで幕を開けた。バーレーン・インターナショナル・サーキットでのWECのレースは今回で12回目となり、現行の8時間フォーマットでは5回目のレースを迎える。
また、バーレーンのガールガイド28人のグループが水曜日にバーレーン・インターナショナル・サーキットで1日を過ごし、WECのレースウィークエンドで行われるすべてのことを学ぶ機会となった。
予選と決勝のタイヤ・アロケーションは、ハイパーカーとLMP2が6.5セット、LMGTEアマが8.5セットとなっている。前戦富士のような6時間レースと比べ、全クラスで2セット多くタイヤが用意されている。
ハイパーカークラスのタイヤサプライヤーであるミシュランは、ミディアムとハードという2種類のスリックタイヤをバーレーンに持ち込んだ。これは、富士戦のアロケーションと同様だ。
■プジョー9X8の希望
プジョーのテクニカルディレクターであるオリビエ・ジャンソニーは、バーレーンではレース時間が長くなることで、前戦富士よりもプジョー9X8が競争力を発揮できることを期待している。
「レースは複雑なものとなり、グリーンかつクリーンな時間帯も少なくなることを望んでいるし、戦略の面で異なるゲームとなる選択肢があることだろう」とジャンソニー。
「そして、マニュファクチャラーにとっては、マシンの相対的な性能レベルを少し克服するチャンスになるかもしれない」
なお、プジョーが来季からグスタボ・メネゼスに代わってストフェル・バンドーンを起用するのは「タイミングと契約期間の問題 」であるとジャンソニーは言う。
パフォーマンスが要因かどうかという質問には、次のように答えている。
「正直なところ、そうではない。グスタボは非常にパフォーマンスの高いドライバーだ。その話題については議論していない。純粋に契約とチームの決断の問題だ」
■富士欠場のミューラー、怪我の原因が判明
プジョーのドライバー、ニコ・ミューラーは骨折により富士戦を欠場したが、これは夏の終わりにニュルブルクリンクで行われたテレビ番組の仕事中に転倒したことが原因だったと明かした。
ミューラーはこのアクシデントの後、手術が必要となった。
「夏休みの最初の週で、その1ヵ月間で最後の仕事だったので、かなりイライラしたよ」とミューラー。
「問題は骨ではなく、その部分の靭帯がセンシティブになっていることだった。あまり早くからストレスをかけないように、安全に過ごさなければならなかったんだ」
ミューラーは、シミュレーターと理学療法セッションを利用して完全復帰を果たした。そして先週のフォーミュラEプレシーズンテストでレースカーのステアリングを握った。
「シートのポジションは、WECとは少し違う。だけど、それは最大限のストレスをかけるテストにはなった。なぜなら、フォーミュラEにはパワーステアリングがないからだ。かなり体力を使うので、リズムを取り戻すためには良かったよ」
■ポルシェ、リザーブドライバーを採用へ?
ポルシェLMDhのファクトリーディレクターであるウルス・クラトレは、ポルシェ・ペンスキー・モータースポーツが2024年のWECでリザーブドライバーを起用する可能性を示唆した。
今季、ドイツのマニュファクチャラーは、ル・マン24時間レースにおけるマット・キャンベルを除いて、特定のドライバーをレースに帯同させてこなかった。
クラトレはに次のように語っている。「日程重複のせいで、IMSAのドライバーを起用するのは難しい。来シーズン通してそれを計画することはないと思うが、IMSAとWECの最初の2~3レースについては計画があり、それから様子を見ることになるだろう」。
■“WECラストラン”が濃厚なチームたち
LMGTEアマにエントリーするGRレーシングは、スペシャル・リバリーをまとってバーレーンに登場した。ポルシェのLMGT3チームに選出されなかったことを考えると、イギリス籍の同チームは当面のところ今回がWECでの最後のレースになる可能性が高い。
86号車ポルシェ911 RSR-19には、ブラックとゴールドのデザインで『farewell(さようなら)』という文字が描かれている。
同じくLMGTEアマのケッセル・レーシングは、バーレーンでドライバーラインアップを変更した。チームマネジャーのティツィアーナ・ボルギによると、来年シルバードライバーに起用する可能性のある選択肢を評価するためだという。
フランス人シングルシーターレーサーのエステバン・マッソンが、来年はゴールドに昇格するスコット・ハファカーに代わって57号車フェラーリ488GTE Evoに乗り込むことになる。
なお、AFコルセが2台のフェラーリLMGT3エントリー枠を獲得したため、ケッセルが来季WECに残る可能性は低い。
■フェラーリはバーレーンで事前テスト済み
ハイパーカークラスのフェラーリAFコルセは先月、バーレーン・インターナショナル・サーキットでフェラーリ499Pをテストした。
この遠征は、ポール・リカールでのミシュランの次世代レインタイヤのテストと重なったため、フェラーリはハイパーカーのリザーブドライバー、アレッシオ・ロベラとダビデ・リゴンをフランスでのセッションに派遣した。
■LMP2で白熱する“もうひとつの選手権”
フィリペ・アルバカーキ、ロバート・クビサ、アルベルト・コスタの3人が、第1回グッドイヤー・ウイングフット・アワードの受賞候補に挙がっている。
このアワードは、2スティント連続で平均ラップタイムを計測し、最も速いスティント平均タイムを記録したLMP2ドライバーに贈られるものだ。現在、アルバカーキとクビサが同ポイントで首位に並んでおり、コスタは16ポイント差で3位につけている。
チームWRTのドライバーであるクビサ/ルイ・デレトラズ/ルイ・アンドラーデは、LMP2ランキングでコスタ/ヤクブ・スミエコウスキー/ファビオ・シェーラーを33ポイント差でリードしている。ユナイテッド・オートスポーツのフレデリック・ルビンとフィル・ハンソンはそこから1ポイント差で3位につけている。なお、このラウンドで獲得可能な最大ポイントは39点だ。
クビサはタイトル獲得の可能性について次のように語っている。
「完全に快適、とはまだ言いたくない。モータースポーツでは、チェッカーフラッグを受けるまでは決して確信が持てないからね。だから、彼らが僕らのレースを楽にしてくれないのは確かだけど、他のライバルのことは考えずに自分たちの仕事に集中するしかないと思う」
■トヨタの来季体制発表はラリージャパン後?
トヨタGAZOOレーシングは、11月19日に日本で開催される世界ラリー選手権最終戦の直後に、ハイパーカーのドライバー・ラインアップを発表するものとみられる。
トヨタがアコーディスASPとの2台体制で計画しているLMGT3クラスのレクサスRC F GT3のラインアップも明らかにするかどうかは不明だ。ハイパーカー・ドライバーのホセ・マリア・ロペスは最近、ポルティマオでレクサスRC F GT3をテストドライブした。
トヨタWECテクニカルディレクターのパスカル・バセロンは、「彼はツーリングカーとGTカーを楽しんでいるので、我々のIMSA王者であるジャック・ホークスワースとともに参加した」と語った。
既報のとおり、ホークスワースとベン・バーニコートは日曜日のWECルーキーテストでトヨタGR010ハイブリッドをテストドライブする。これについてバセロンは「素晴らしい機会だ」と付け加えた。
「それ以上の何ものでもない。ふたりのIMSAチャンピオンに我々のクルマに乗ってもらうことができてうれしい。彼らもきっと楽しんでくれるだろう」
なお、トヨタは来年のル・マン24時間レースに3台目のエントリーをリクエストする可能性は低い。「毎年自問自答しているが、ほぼ毎年結論は同じだ」とバセロン。
「3台で多くの問題を抱えるよりも、2台で強力な運営をした方がいい。おそらく我々はこの状況をもう一度見直すことにはなるだろうが、私は2台のマシンを維持するものと考えている」
■11月末に来季年間エントリー発表予定
2024年WECシーズンのエントリーリクエスト締め切りは11月20日正午となっており、その後フルシーズン・エントリーリストは11月27日に発表される予定だ。
JOTAは最近、来シーズンのふたつの6時間レースにおいて、ドライバー2名体制で1台のマシンを走らせることができるかどうかを確認するリクエストを提出しており、これはチームのハイパーカーラインアップに対してヒントを与えるかもしれない。
IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権のレースは、イモラとスパ・フランコルシャンで行われるWECの6時間レースと日程が重複している。
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バーレーンでの走行セッションは、11月2日の現地時間12時15分(日本時間18時15分)からの、フリープラクティス1で幕を開ける。
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