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【ホンダ E-Clutch 試乗】渋滞も楽チン! だけどMTバイクを操る楽しさはしっかりありました…小鳥遊レイラ

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【ホンダ E-Clutch 試乗】渋滞も楽チン! だけどMTバイクを操る楽しさはしっかりありました…小鳥遊レイラ

今回紹介する車両は、世界初の電子制御技術「HONDA E-Clutch(イー・クラッチ)」システムを搭載した、『CB650R』と『CBR650R』。この2台をメディア試乗会にて試乗してきました。昨年秋頃に発表され、3月のモーターサイクルショーで実際にエンジンが展示されて多くの人の関心を集めていたかと思います。

「HONDA E-Clutch」とはクラッチコントロールをマシンが自動制御することで、ライダーの操作はペダル操作のみとなり、クラッチレバー操作なしで発進・変速・停止が可能なシステムです。クラッチ操作によるミスがライディング中に皆無になるという、ミッションバイクに乗っている人からすればとてもビックリですよね。ライダーの多くが1度や2度、もしくは数え切れないほど経験するエンストも基本ありません。

クラッチ操作不要の「E-Clutch」はDCTと何が違う? なぜ「CB650R/CBR650R」に初採用? ホンダ開発陣に聞いた

今回はまず最初にCBR650RにてE-Clutchシステムを初体験しました。

◆ペダルだけでシフトチェンジが出来てしまうんです
ニュートラルの状態から、セルを回しエンジンをかけます。いつもなら発進する際、クラッチレバーを握りシフトを1速に落としてマシンの鼓動を確かめながらアクセルとクラッチを操作して発進しますが、今回はクラッチレバーを一切握ることなくシフトを1速に落とし、アクセルスロットルを開けていくだけでそのまま発進していきました。

一連の操作だけ聞くとシフトを1速に落としているとはいえ、オートマチック?って感じてしまいますよね(笑)だけど走り出せばオートマチックのバイクとは違いミッションバイクの楽しさをしっかり感じることができました。

試乗コースが貸し切りのクローズドコースだったこともあり、制限速度もないのでガンガン飛ばしてスポーツライディングを楽しんでしまいましたが、ストレートでの加速はもちろんコーナー前の減速もシフト操作のミスやラグが一切ありません。だってシフトペダルを上げるか下げるだけでシフトチェンジが出来てしまうんです。

それだけ聞くと近年250ccのバイクにも搭載され始めたクイックシフターと似たような感じですが、E-Clutchとクイックシフターの大きく違う点は、アクセルを開けていなくてもシフトアップができるし、逆にアクセルを開けていてもシフトダウンができる点です。そのため減速時に完全にアクセルが閉じきっていなくても、シフトダウンしてスムーズにコーナーに入ることが出来ちゃいます。

◆渋滞の半クラッチ地獄とはサヨナラ
次にCB650Rにマシンチェンジ。CB650RではスポーツライディングメインのCBR650Rとは走り方を変えて、ストップ&ゴーの多い街中~ゆるいワインディングを想定して走ってみました。

都内など交通量や信号の多いところではどうしても発進・変速・停止が頻繁に起こるため多くなるクラッチ操作。道が空いていて気持ちよく走っているときはストレスを感じないですが、例えば渋滞中の高速道路を20km/h以下で走行しているとき、半クラッチを多用した走行は正直地獄です。それもクラッチの重いバイクであればなおのこと…。

そんなときこそE-Clutchが本領を発揮します。だってクラッチレバーを一切握らなくても大丈夫なんですから!なので、1日走ったあとのツーリング帰りに渋滞にハマっても帰り道での疲労度は大きく変わってくると思います。そして疲労からくるクラッチ操作ミスでエンスト→立ち転け…なんてことも防げるのではないでしょうか。

◆ライディングシーンで使い分けできるのが一番のメリット
そんな感じで今回はスポーツ、ストリートと2パターンの走り方でE-Clutchを体感してみましたが、乗ってみた感じ正直デメリットを私は感じませんでした。E-Clutch機能をオフにする切り替えもメーター画面から可能です。そのためライダー自身がクラッチ操作をする従来通りのライディングもできます。

クラッチレバーを握らないのであればレバーを取ってしまえばと思う方もいるかと思いますが、それではバイクの操る楽しさが失われてしまう。ライダー自身がその時々のライディングシーンで自由に使い分けしながら操れるのが一番の良さだと感じました。

最後に個人的に気になったのは、E-Clutchがあるぶん少し横に張り出したエンジン形状です。この部分を開発者の方に聞いてみたところ、今は現行のモデルに搭載していち早くユーザーの方々にE-Clutchを体感してほしいという思いから、エンジンにE-Clutchを“後付け”したような形になっているんですね。将来的にはエンジン内部にE-Clutchの機構を組み込んで一体化することを視野に入れているとのことです。

■5つ星評価
パワーソース:★★★
フットワーク:★★★★
コンフォート:★★★★
足着き:★★★
オススメ度:★★★★★

小鳥遊レイラ|愛称:ことりちゃん
レースクイーンに憧れてモータースポーツ業界へ。しかしMOTOR STATION TVでの出演をきっかけに走る方に目覚めてしまい、いきなり大型二輪免許を取得。現在では2輪4輪共にサーキットを走り、一昨年に4輪のレース参戦のためJAF国内A級ライセンスを取得。先日、MFJロードレース国内ライセンスを取得して、今年は2輪でもレースに参戦予定。イベントMCから2&4輪の耐久レース参戦まで楽しむモータースポーツ女子。身長は160cm。

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みんなのコメント

2件
  • furima-jirosan
    恐らくホンダは650㏄ばかりでなく、小排気量の250㏄や125㏄の
    スポーツバイクにもE-Clutchを搭載して、社内で鋭意テストしていると思います。
    MTバイクの「間口」を広げるE-Clutchの今後に期待ですね。
  • yoc********
    たかなし(愛しの)レイラ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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