■元気だった「70年代」に乗りたかったクルマ
光岡自動車(以下ミツオカ)は2023年11月16日、新型「M55(エムダブルファイブ)コンセプト」を発表しました。24日からは麻布ショールーム(東京都港区)で初の実車展示が行われています。
M55コンセプトは同社が創業55周年を迎えることを記念するモデルといいますが、登場にはどのような背景があるのでしょうか。
【画像】丸目4灯が超カッコイイ! 「M55」を画像で見る(66枚)
ミツオカは1968年に創業。新車販売を行う傍ら、1981年からオリジナルカーの製造を開始し、現在では、様々な国産車(一部輸入車ベースもあり)をベースにハンドメイドで内外装にカスタムを施したクルマを手掛けています。
今回登場したM55コンセプトは、2023年に創業55周年を迎えたことを記念して作られました。
クルマづくりにかける情熱と光岡車に対する魅力を十分に感じさせ、光岡の自由闊達(かったつ)な楽しさの象徴になるといいます。
M55コンセプト登場の背景について、光岡自動車 執行役員の渡部 稔氏は以下のように説明します。
「ミツオカが創業55年であることから、ミツオカと同じ世代を歩んできたユーザー向けに、なにか特別なクルマを出そうかと考えていました。
1970年代は高度経済成長で日本も元気だった時代です。その時代に幼少期を過ごしてきた世代は、近所のお兄さんや親戚のおじさんが、いわゆる『GT系』のクルマに乗っていて、その姿がかっこよく映ったものです。
そうした世代が大人になり、改めてこの年代のクルマに乗りたいという気持ちがあると思い、コンセプトが最初に思いつきました」
ベースはホンダ「シビック」であるといいますが、なぜ大ヒット作となったトヨタ「RAV4」ベースである「バディ」のようなSUVにしなかったのでしょうか。
「バディはSUVであり家族が乗るクルマですが、ターゲット世代の方は(子育てを終えた方が多く)大きなクルマは不要であり、大人のハッチバック、あるいはセダンのほうが(カーライフが)楽しいだろうと考えました。
元々はシビックではなく別のセダンをイメージしていたのですが、デザインを決める際、たまたまシビックが登場したタイミングであり、デザインとしてもシビックのほうがちょうど良いだろうということで選定しました」(渡部氏)
M55のデザインはレトロな旧車の雰囲気を持つもので、まさに1970年代のスポーツモデルをほうふつとさせます。
「デザインは、そうした70年代に乗りたかったデザインを採用しました。
そのため、具体的にオマージュした車種はなく、ダッジ『チャレンジャー』や日産『スカイライン(ケンメリ)』、トヨタ『セリカ』に似ているという声もありますが、ぜんぶ正解なのです」(渡部氏)
フロントフェイスは丸みを帯びつつも、グリルや丸目4灯のヘッドライト周囲に施されたメッキのベゼルが輝き、現代のクルマにはないきらびやかさが目をひきます。
側面はブラックのホイールにホワイトレターが組み合わされることで、現代風な解釈をとしつつも、リアウインドウルーバーやブラックのダックテール型スポイラーが合わさり、伝統と革新を表現しているように見えます。
リアはブラックのガーニッシュ両端にテールランプが配され、昨今のトレンドである真一文字とは一線を画した懐かしい雰囲気のあるデザインで、スポーティさも強調されています。
インテリアは概ねシビックをベースにしていますが、シートはブルーとなり、当時のハイパフォーマンスモデルに用いられたハトメ加工も施されています。
M55コンセプトの市販化については予定はないとしていますが、先出の渡部氏は「市販してほしいという声も多く、ベースであるシビックの供給体制が整えば、むしろ市販化したい」と話しています。
※ ※ ※
ミツオカ麻布ショールームでは、2023年12月16日まで展示される予定で、2024年1月12日から28日には富山ショールームでの展示を予定しています。
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みんなのコメント
ただし値段がどうしても高くなるので気軽には買えないのが光岡自動車