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ジャガーXE SVプロジェクト8 試乗 史上最強のジャガー製ロードカー

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ジャガーXE SVプロジェクト8 試乗 史上最強のジャガー製ロードカー

もくじ

どんなクルマ?
ー 乗るなら晴れた週末に
どんな感じ?
ー ジャガーのロードカーとして過去最強
ー 刺激的なドライビングの見返り
「買い」か?
ー サーキットを楽しみたいなら
スペック
ー ジャガーXE SVプロジェクト8のスペック

新型ジープ・ラングラー(JL型)日本発表 価格/ラインナップ/内装/発売日を解説

どんなクルマ?

乗るなら晴れた週末に

今年の5月にポルトガルで試乗して以来、ジャガーXE SVプロジェクト8に対する疑問は消えないままだった。

前例にないほど高次元のメカニカルグリップを備え、サーキットでも通用するハンドリングを備えた4ドアサルーンだということは明確。しかし俊敏性とレスポンスを突き詰めたクルマが、起伏の激しい英国の典型的な郊外の道で、充分に堪え忍べる乗り心地を得られているのかどうか。その答えを、自然豊かな山岳地帯につづら折りの道が続く、北ウェールズで確かめた。

ジャガーXE SVプロジェクト8はこれまでにないスーパーサルーンだということは、既に5月の試乗記でご存知かと思う。左ハンドル車のみで、生産数は全世界で300限定となる。この手のクルマの多くは、毎日乗ることを前提に、スーパーカー顔負けの直線加速を披露する程度のモデルが多いが、プロジェクト8は違う。あくまでも平日はガレージにしまっておき、晴れた週末のみ、そのポテンシャルを発揮するクルマ。価格は14万9958ポンド(2219万円)で、ライバルとなるような他メーカーのスーパーサルーンより、高めの設定。

トラックバックというオプションを選択すると、4ドアボディにも関わらずリアシートが取り外され、ハーフ・ロールケージが組み付けられる。さらにフロントシートはカーボンファイバー製のコアを持つバケットシートになり、4点ハーネスも付いてくる。そして車両価格はさらに1万ポンド(148万円)が上乗せされる。

今回の試乗車には、残念ながら、そのオプションは選択されていなかった。

どんな感じ?

ジャガーのロードカーとして過去最強

ジャガーXE SVプロジェクト8を開発したのは、ジャガー・ランドローバー(JLR)のスペシャルビークル・オペレーションズ(SVO)部門。まっさらなホワイトボディは、ベースとなるジャガーXEを共有してはいるものの、それ以外は殆どの部分で手が加えられている。

搭載される5.0ℓのスーパーチャージドV8エンジンは、ジャガー・ランドローバーの各モデルで共有するものではある。しかし最高出力は600ps、最大トルクは71.2kg-mまで高められ、ジャガーのロードカーとしては、過去最強のエンジンとなっている。

英国中西部の北ウェールズには、スノードニア国立公園が位置するが、剥がれやくぼみが目立つ、路面状況が良いとはいえない区間も多い。ジャガーXE SVプロジェクト8は明確に硬い乗り心地を示し、アスファルトの再舗装の必要性を感じられてしまった。現代の多くのパフォーマンス・モデルの場合、同じ路面であっても、ここまで厳しい乗り心地を味わわせてくれるケースは、かなり少ない。

その一方で広大な大地に伸びる、きれいに舗装された区間なら、シャシーの持つポテンシャルをしっかり味わうことができる。プロジェクト8がサーキット走行も前提とした、正真正銘のスポーツカーとして、優れたアジリティとボディコントロール性を備えていることに気づくだろう。

刺激的なドライビングの見返り

ではその中間の、英国の道路網では一般的な路面状況ではどうだろうか。

通常の場合、クルマの運転を楽しむためには、充分な柔軟性と落ち着いた挙動が求められる。しかしプロジェクト8の場合、極めて刺激的なドライビングを実現している見返りとして、他のスーパーサルーンよりも明確に落ち着きに欠け、路面状態を直接的に伝えてくる乗り心地になっていることは否定できない。

特に郊外の道でも、ウェットコンディションでのドライブは、できれば避けておきたいというのが本音。何しろ、ボディサイズや車重はかさむし、どちらかというと感覚に乏しいステアリングフィールに、ミシュラン・パイロットスポーツ2のタイヤという組み合わせなのだ。ドライコンディションなら、ベストな状態を発揮してくれるとしても、ワイパーを動かな避ければならない状況なら、慎重に運転する必要があるだろう。もちろん、乗れなくはないけれど。

ただ、どの程度スロットルを開けられるか心配に感じたとしても、四輪駆動システムを搭載しているから、それほど不安にならなくても良い。思うがままに踏み込んでも、状況が許せば受け入れてくれるはず。

もうひとつ気になる点といえば、一般道との相性が良い8速ATが、サーキットでは最適とはいえないところ。サーキット走行となると、8速ATはやや精彩を欠いた印象で、足を引っ張ってしまっている。

「買い」か?

サーキットを楽しみたいなら

スーパーチャージャーで過給されるV8エンジンを中心に、基本的にクルマ総体としては、シャープでレスポンシブ。ジャガーXE SVプロジェクト8は、現在販売されているどんなハイパフォーマンス4ドアサルーンより、サーキット走行を最も楽しむことができるモデルだと思う。

前回の試乗地だったポルトガルとは異なり、英国の場合、冷静に考えるとジャガーXE SVプロジェクト8を合理的に選択する理由は、多くは見つからないことも事実。日常使いにも便利な4ドアサルーンだとはいえ、価格は極めて強気の設定だ。しかし、運転の楽しさは、望外に高いということは、変わらない事実である。

ちなみにジャガーのウェブサイトによると、日本に割り当てられた8台は、既に売約済みとなっている。

ジャガーXE SVプロジェクト8のスペック

■価格 14万9958ポンド(2219万円)
■全長×全幅×全高 4715×1955×1440mm
■最高速度 321km/h
■0-100km/h加速 3.7秒
■燃費 9.1km/ℓ
■CO2排出量 254g/km
■乾燥重量 1757kg
■パワートレイン V型8気筒5000ccスーパーチャージャー
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 600ps/6500rpm
■最大トルク 71.2kg-m/3500rpm
■ギアボックス 8速オートマティック

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