欧州では昔から多くの合金をホイールに応用していた
輸入車が好きな方なら、目にしたことがあるのがアロイホイールという表記。だが日本ではあまり使われることはない。アロイというのは合金のことで、アルミホイールもアルミ合金からできているので、同義というか含まれている。もちろんアルミ以外の合金ホイールもあって、たとえばマグネシウムはお馴染みだし、最近ではジュラルミンというのもあったりする。もちろんこれらをすべて含めてアロイホイールだ。
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とはいえ、世界的に見ても合金といえば、現在はほぼアルミホイールなのに、海外、とくに欧州ではアロイホイールという表記をよく使うのかというと、クルマの進化に関係している。自動車創成期のホイールは馬車から派生したため、木製。それがスチール製になったものの、当時はまだアルミ合金を使ってホイールを作るのは技術的に難しかったこともあって、ブガッティなどの例外は別として、長い間、スチール製が主流だった。
それが戦後しばらくするとアルミホイールやマグネシウムホイールが登場してスポーツカーを中心に採用が進んだ。さらに、カンパニョーロやクロモドラといったマグネシウムホイールを得意とするメーカーが欧州にはあり、定番モデルも多く存在するほど。つまり海外では昔からアルミホイールだけが合金製ではないという意識も大きかった。日本でもトヨタ2000GTの純正採用やハコスカなどのオプションに用意されてはいたものの、高嶺の花だった日本とはやはり事情は違う。
それを踏まえたうえで、重たいスチール製に対して軽い合金製(ライトアロイ)という、対比的な表現というか扱いをされたことで、欧州ではカバー範囲の広いアロイホイールという表現が好まれるようになったと言っていいだろう。
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スチールも鉄ベースの合金。
工業的に使用される金属は、基本的に全て合金。