原作者の永井 豪さんも発表会に来場
光岡Orochi(オロチ)が生き返った。さすが「ヤマタノオロチ」の濃い血のなせる業だろうか。蘇ったオロチは、漫画界の巨匠であのデビルマン、ハレンチ学園などで有名な永井 豪さんとのコラボレーションだから、興味深い。
光岡自動車製のオリジナルスーパーカー「オロチ」。この思い切りぶっ飛んだデザインの国産スポーツカーを覚えているだろうか。2001年、富山県の小さな自動車メーカー「光岡自動車」が、純オリジナルのスーパーカー・コンセプトを作って東京モーターショーに出展した。誰もが正式な認可を受けたスポーツカーとして正式発売されるとは思わなかったが、当時の運輸省と激しく交渉、苦節5年、ついに市販にこぎつけた。エンジンこそトヨタの3.3リッターV6DOHCを採用しているが、プラットフォームからデザインまで、完全なオリジナルモデルとして制作した。
販売はすでにに終了しているモデルだが、このオロチをベースに永井 豪原作のデビルマンを現代に蘇らせた「DEVILMAN crybaby」(湯浅政明監督)との合作で、世界にたった1台だけ作られたワンオフモデルだ。デビルマン・クライベイビーは原作者の永井豪さんの画業50周年を記念して、湯浅正明監督が現代版リメイクを施したもので、オリジナル・アニメーション作品として2018年から配信されている。今回、永井 豪画業50周年と同時に、創業50周年を迎える光岡自動車がコラボして出来上がったのがデビルマン・オロチというわけ。
この蘇ったオロチはデビルマン・クライベイビーのメインキャラクター『飛鳥 了』が乗るクルマとしてアニメに登場する。カラーデザインは、『デビルマン クライベイビー』のアートディレクター阿閉高尚さんと、オロチのデザイナー青木孝憲さんが一緒に制作した。
1968万円(税込み)という価格設定は、原価をはじいて決めたものだが「本当に偶然ですが、光岡の創業の年と同じなんです」という。さすが伝説のオロチだけのことがある。高いか安いかは基準がないだけに難しいが、もともとのオロチが1000万円クラス。それをベースに手作りしたレアモデルであることを考えると「安い」のかもしれない。
オロチは2014年に販売を終了しているので、新車が存在しない。そこで社内にあった程度のいい中古車をベースにしたというが、見た目はバリバリの新車の光沢を放っている。ヤマタノオロチの妖艶さが十分に見てとれた。
世界にたった1台だから、極めて価値の高い希少モデルとなるが、果たして何人が「買います」と手を上げるのだろうか。9月8日から11月15日まで光岡自動車の専用サイトで受け付ける。もちろん買える人は抽選当選者となる。
オロチにつてもう少し触れると、スーパーカーの形はしているが、運転の楽なクルマにしたいと、形から見ると非力な3.3リッターV6エンジンを選んでいる。
ファッションスーパーカーとも言われたが、ミッドシップで、極めて低いボディは、まさに「スーパーカー」スタイル。全長4560mm、全幅2035mm、全高1180mm。素直なハンドリングで「普通に楽しむには、このくらいのパワーで十分だね」とクルマ好きをうならせた。さらにキャッチコピーが面白くて印象的だった。
「このクルマは、いかなる獲物も、食い破る。異端系、最上位クラス」
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