現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > ホンダ ダックス125試乗「ギヤ付き原付二種の中で、万能選手の筆頭候補」

ここから本文です

ホンダ ダックス125試乗「ギヤ付き原付二種の中で、万能選手の筆頭候補」

掲載 更新 4
ホンダ ダックス125試乗「ギヤ付き原付二種の中で、万能選手の筆頭候補」

2022年9月、ダックス125ついに登場

さあ、困ったことになった。
ダックス125がよく出来ているからだ。これで、ホンダファンはさらに原付二種モデルの選択で困り、アンチホンダは面白いライバルの出現に困るというわけだ。

【画像20点】ホンダ ダックス125の足着き、全車体色、装備を写真で解説!

モンキーとともに、レジャーバイクの代名詞であったダックスが約30年ぶりに復活を遂げたのだが、イメージは昔のダックスに似ていても、その中身は違う。最新技術で125ccになった結果、レジャーバイクの域を超えた「普通のバイク」に生まれ変わっているのだ。
とにかく、気軽に乗れて、ビギナーからベテランまで幅広いライダーが楽しめる性格に仕上げられているのだが、そのポイントになる点は大きくふたつ。

ダックス125のポイント1「自動遠心クラッチの採用は正解! ギヤ比を含め扱いやすい」

まずは、現行型のグロム、スーパーカブC125、モンキー125と同系統のロングストローク型空冷エンジンに、自動遠心クラッチの4速ミッションを組み合わせていることだ。ダックス125では最高出力9.4ps/7000rpm、最大トルク1.1kgm/5000rpmという性能が与えられている。

通常のクラッチ+マニュアル5速のモンキー125と比較すると、1速は少しロング(高いギヤ比=回転上昇が穏やか)で、全体的にはショート(低いギヤ比)。シフトチェンジの際の回転の上下が比較的穏やかな特性になっており、その扱いはより気軽だ。
それでいて現実的な最高速は90km/hに届くかどうかといったレベル(CT125・ハンターカブと同レベル)なので、市街地走行で不自由することはまずないだろう。

スロットルレスポンスはそれほど鈍くないし加速感もあるのだが、全体的には角の取れた穏やかな方向性なので、小気味良さと扱いやすさがいいバランスで成立している。搭載するエンジンが違うせいもあってか、このあたりは自動遠心クラッチ4速の同じミッションを持つCT125・ハンターカブよりまろやかに感じる。

その排気量ゆえに、自ずと街乗り中心になるだろうから、この扱いやすさや適度な穏やかさがとても良いと感じた。踏み込み式のギヤチェンジに慣れれば、横着なシフト操作にもついてくるだろうし、なにしろ、小型二輪AT免許で運転できるから、ビギナーにもうれしいし、楽しく乗れるはずだ。

ダックス125のポイント2「鋼板プレスフレーム+倒立フォークの車体は剛性感あり」

もうひとつの、そしてダックス125の最大の特徴は、鋼板プレスフレームを採用した車体構成だ。もちろん、デザインのアイコンとしてダックスを象徴する要素だが、それだけではなく、このフレームはダックス125の走りにも大きく関わっている。

フレームに組み合わせる足まわりは、グロムと同じ前後ホイールに、やはりグロムベースの倒立フォークだ。
最初に感じたのは、プレスフレームと倒立フォークの組み合わせがしっかりしており、ハンドリングや乗り味に意外なほどの信頼性を生んでいること。

また、タンデム乗車を意識したであろう、やや硬めに設定されたリヤサスペンションも然りで、車体全体でかっちりした乗車フィーリングと落ち着いた車体の挙動を実現しているのだ。

例えば、前輪にはABSが装備されているから簡単にジャックナイフはできないが、試しにABSが作動する超ハードブレーキングと体重移動でジャックナイフをしてみても、フロント周りが不安定になるようなことはなかった。
言ってみれば、セミモノコック構造とも言えるこのフレーム、非常に剛性感があるのだ。

ある意味、この頼もしさは一連のアイコニックシリーズ(*)の中でもトップレベルで、これにはエアボリュームのある太いタイヤも効いているはず。細身のタイヤを履く125系カブの乗り味とは、明らかに一線を画しているわけだ。
ハンドリングは軽快で、ちょこまかと動きやすい。それでいて、コーナーリングの安定感がある。あるバンク角の領域で倒れ込みスピードが速くなるところはあるが。

何しろ、通常は燃料タンクがある位置にタンクがないので、ニーグリップはできないのだが(シートの先端部分が意外にホールドできる)、車体の操作に気を遣うところはまったくない。車重は107kg、車体は小さくて取り回しはラクラクだ。

ちなみにダックス125は砂利道でも乗りやすかった。出力特性が穏やかなのでタイヤのグリップがいきなりなくなるようなことはなかったし(むしろ、寝かして開けないと滑りづらい)、車体や足まわりの安定感もあってなかなかに頼もしいのだ。

*編集部註:「HM」のロゴが入った、クラシカルなウイングマークのエンブレムを装備する125ccシリーズ。スーパーカブC125、モンキー125、CT125・ハンターカブ、そしてダックス125が該当する。

タンデム性能が高い点もダックス125ならではの特徴

このあたりが「普通のバイク」といった所以だが、タンデム乗車も難なくこなすところも、その評価の対象だ。これもまた、一連のアイコニックシリーズの中で、ダックス125ならではの特徴・美点だ。
そもそも、高さ775mmのシートは、左足が若干クランクケースに当たるものの、足着きは問題ない。その座り心地は硬めでスポーティーでもあるのだが、これがタンデムライダーにとっては具合がいいのだ。
半面、ロングツーリングではお尻が痛くなるかもしれない。

「適度にシートが硬めだから、下半身の安定感があるのは意外でした。グラブバーも握りやすい位置にあるので、思った以上にタンデムシートが乗りやすく、ストレスがない」というのは、後席に乗ったモーサイweb編集部・上野の感想。ハンドリングに関して言えば、明らかにフロントが軽くなるのは仕方がないが、走り出してしまうとそれほど気にならないし、タンデムライダーの経験値にもよるが、ガンガン走れる。

この「よくできた125ccバイク」と言えるダックス125は、モンキー125、スーパーカブC125、CT125・ハンターカブと同じ税込価格44万円である。だからこそ、ホンダファンはさらに原付二種モデルの選択で困ると言ったのだ。
また、それまでになかったプレスフレームを新たに起こしたにも関わらず、価格を揃えてきた点も、物づくりの努力の結果として評価すべきだろうと思う。

試乗レポート●関谷守正 写真●柴田直行/ホンダ 編集●上野茂岐

ホンダ ダックス125主要諸元

[エンジン・性能]
種類:空冷4サイクル単気筒OHC2バルブ ボア・ストローク:50.0mm×63.1mm 総排気量:123cc 最高出力:6.9kW<9.4ps>/7000rpm 最大トルク:11Nm<1.0kgm>/5000rpm 変速機:4段リターン
[寸法・重量]
全長:1760 全幅:760 全高:1020 ホイールベース:1200 シート高:775(各mm) タイヤサイズ:F120/70-12 R130/70-12 車両重量:104kg
燃料タンク容量:3.8L
[車体色]
パールネビュラレッド、パールカデットグレー
[価格]
44万円(2022年7月21日発売)

ダックス125の足着き&ライディングポジション

シート高は775mm。身長170cmのライダーでは両足の全面が接地。車体も軽量なので、足着きに関する不安感はゼロと言っていいだろう。
ライディングポジションはロードスポーツ車的ではあるが、ニーグリップができない点、やや後ろに座る点で、クルーザーのような雰囲気も感じる。また、カブ系モデルとも異なる感覚だ。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

シューマッハー残留か、マコウィッキ加入もあるか。アルピーヌの2025年ラインアップはまもなく確定へ
シューマッハー残留か、マコウィッキ加入もあるか。アルピーヌの2025年ラインアップはまもなく確定へ
AUTOSPORT web
SPKのeスポーツチームが2024年もトップリーグで激闘! 強力なドライバー陣で頂点目指す
SPKのeスポーツチームが2024年もトップリーグで激闘! 強力なドライバー陣で頂点目指す
くるまのニュース
361psの「RWD」がベスト? 最新 ポルシェ・マカン・エレクトリックへ試乗 精緻な操舵感へ惹かれる
361psの「RWD」がベスト? 最新 ポルシェ・マカン・エレクトリックへ試乗 精緻な操舵感へ惹かれる
AUTOCAR JAPAN
高級セダン乗りに吉報! 人気の「ウェッズスポーツSA-27R」に19&20インチが追加で大口径車にベストマッチです
高級セダン乗りに吉報! 人気の「ウェッズスポーツSA-27R」に19&20インチが追加で大口径車にベストマッチです
Auto Messe Web
もうひとりのキーマン。ホンダ好結果の要因。小椋藍への期待/MotoGPの御意見番に聞くタイGP
もうひとりのキーマン。ホンダ好結果の要因。小椋藍への期待/MotoGPの御意見番に聞くタイGP
AUTOSPORT web
アストンマーティン、F1サンパウロGPで“鈴鹿仕様”のフロア再投入へ。最新版は期待されたパフォーマンスを発揮せず
アストンマーティン、F1サンパウロGPで“鈴鹿仕様”のフロア再投入へ。最新版は期待されたパフォーマンスを発揮せず
motorsport.com 日本版
【実際に購入 オーナーのレポート】日産リーフを3台乗り継ぎ13年、ZE1型3度目の車検
【実際に購入 オーナーのレポート】日産リーフを3台乗り継ぎ13年、ZE1型3度目の車検
AUTOCAR JAPAN
初のカブリオレモデルを追加。ポルシェ、新型『911カレラT』の予約受注を開始
初のカブリオレモデルを追加。ポルシェ、新型『911カレラT』の予約受注を開始
AUTOSPORT web
ハースのマグヌッセン、体調不良によりF1サンパウロGPスプリントイベント欠場へ。補欠ベアマンが代役に
ハースのマグヌッセン、体調不良によりF1サンパウロGPスプリントイベント欠場へ。補欠ベアマンが代役に
motorsport.com 日本版
全長4.1m! 斬新デザインの新型「コンパクトハッチバック」初公開! 新鮮な「かぎ爪」風ライト採用か!? 個性的すぎる「プジョー208」登場!
全長4.1m! 斬新デザインの新型「コンパクトハッチバック」初公開! 新鮮な「かぎ爪」風ライト採用か!? 個性的すぎる「プジョー208」登場!
くるまのニュース
フェラーリの元戦略責任者がスポーティングディレクターとしてザウバーに加入。前任者ツェンダーは新役職へ
フェラーリの元戦略責任者がスポーティングディレクターとしてザウバーに加入。前任者ツェンダーは新役職へ
AUTOSPORT web
アウディ、ラージSUV群の『Q7』と『Q8』をアップデート。高性能版“S”を含めエレガントさを強調
アウディ、ラージSUV群の『Q7』と『Q8』をアップデート。高性能版“S”を含めエレガントさを強調
AUTOSPORT web
シャオミ、世界最速4ドア・セダン公開 1548馬力の「SU7ウルトラ」がニュルで記録更新
シャオミ、世界最速4ドア・セダン公開 1548馬力の「SU7ウルトラ」がニュルで記録更新
AUTOCAR JAPAN
ヤマハ『トレーサー9』にも自動マニュアル「Y-AMT」採用、ACCと連動しツアラーとしての魅力アップ
ヤマハ『トレーサー9』にも自動マニュアル「Y-AMT」採用、ACCと連動しツアラーとしての魅力アップ
レスポンス
「ミウラS」のレストア途中車両が30周記念モデル「ディアブロ SE30」とともに展示…「オート・エ・モト・デポカ」のランボルギーニブースを紹介
「ミウラS」のレストア途中車両が30周記念モデル「ディアブロ SE30」とともに展示…「オート・エ・モト・デポカ」のランボルギーニブースを紹介
Auto Messe Web
【MotoGP】洪水被災のバレンシア、最終戦強行ならタイトル争いは前代未聞の展開に? バニャイヤ「タイトルを失ったとしても走るつもりはない」
【MotoGP】洪水被災のバレンシア、最終戦強行ならタイトル争いは前代未聞の展開に? バニャイヤ「タイトルを失ったとしても走るつもりはない」
motorsport.com 日本版
一夜にして橋桁が出現! 八王子の谷を貫くバイパス工事 11月も周辺で通行止め実施
一夜にして橋桁が出現! 八王子の谷を貫くバイパス工事 11月も周辺で通行止め実施
乗りものニュース
レクサス最小『LBX』に多様なニーズに応える新グレードが追加設定。その名も“エレガント”
レクサス最小『LBX』に多様なニーズに応える新グレードが追加設定。その名も“エレガント”
AUTOSPORT web

みんなのコメント

4件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村