セダンとワゴンの中間 ジュリア後継に言及
アルファ・ロメオは高級志向のラインナップ改革を進めており、現在はジュリアの後継車種と、情報筋によれば新しい大型SUVの開発に焦点が移っているようだ。
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アルファ・ロメオのジャン=フィリップ・インパラートCEOは、AUTOCARの取材に対し、現行のジュリアとステルヴィオは「あと何年か」販売を続ける予定だが、すでにデザイン部門にジュリアの後継車を検討するよう命じたと述べている。ステーションワゴンタイプも含めて検討するとのことだ。
「セダン市場をあきらめたくはありません。スポーティなセダンは、アルファのDNAです。しかし、ジュリアのステーションワゴン版も作るべきだという意見が多かったことも認めます。セダンとステーションワゴンの間には、もしかしたら臨界点があるのかもしれません。新しいジュリアなら、両方の長所を生かすことができるかもしれないのです」
インパラートCEOはこのように述べ、同社の製品計画は「安定性」に裏打ちされたものになるとした。これは、過去20年以上にわたって明らかに欠けていたものである。
「アルファにとって不可欠なのは、安定性と進路を変えないことです。今後5年間の製品計画は承認され、(親会社のステランティスから)資金援助を受けています。来年は、2028年までの製品計画を確定させる予定です。そして2030年代に向けて、品質、電動プラットフォーム、ソフトウェアの計画を立てていきます」
インパラートCEOの説明によると、アルファ・ロメオは2024年にBセグメントのSUV(名称は「ブレンネロ」とされる)を発売し、2025年に最初のEV、2026年に2台目のEV(イタリアの報道ではEセグメントの超高級SUVとなる可能性もある)、2027年に3台目のEVを発売するという。
各モデルをどこで生産するかはまだ決まっていないが、インパラートCEOは、ナポリ近郊のポミリアーノ工場とカッシーノ工場が今後も中核的な生産拠点になると述べている。
GTV復活 グループの利点活かせるか
具体的な開発内容には踏み込まなかったが、2025年のEVはテスラ・モデル3のライバルとして販売される可能性があると考えられている。伝説的な「GTV」の名称を使い、アルファ・ロメオが得意とするユニークなスタイリングを生かし、アウディA5スポーツバックのような4ドア・クーペになるとみられる。
情報筋によれば、ステランティスで共有するモジュール式のEVプラットフォームに古典的なイタリアンデザインを採用することで、控えめなテスラに対して独自の存在感を際立たせるという。
また、GTVはプラグインハイブリッド車として販売される可能性もあるとのこと。インパラートCEOは、最新鋭のステランティス製プラットフォームの恩恵を受ける最初のモデルになるだろうと述べた。
ステランティスが「STLA」と呼ぶこのプラットフォーム群は、4つのサイズがあり、5G通信、人工知能、高度運転支援システムなど、新しい電気アーキテクチャを搭載する予定だ。その技術はクライスラーの「エアフロー・コンセプト」で紹介されている。
プラットフォームはステランティス傘下の他ブランドと共有だが、サスペンションやシャシーに関しては、ある程度の独自性を持つ可能性があるようだ。アルファ・ロメオの製品責任者であるダニエル・グッツァファメは以前、「ジョルジオ・プラットフォーム(ジュリアとステルヴィオの構造)の良いところを残したい。今、研究しているところです」と語っている。
ジョルジオ・プラットフォームのステアリングとサスペンションは、新しいSTLAプラットフォームに適応させることができると考えられる。
注目すべきは、マセラティがアルファ・ロメオ以外のブランドとして初めてジョルジオ・プラットフォームの改良版を使用し、新型SUVグレカーレを開発したことである。グレカーレは2023年にEVとして発売される予定だが、両社ともこのプラットフォームがどの程度電動パワートレインに対応できるのかについては何も言及していない。
電動の大型SUV アルファらしさとは?
アルファ・ロメオが発売すると言われている大型電動SUVは、ダイナミクスに焦点を当てた高級車となるようだ。また、すべてのモデルは伝統的なイタリア北部バロッコのテストコースで、同社のエンジニアによって現在も開発・改良されているとのこと。
インパラートCEOは、「もしアルファが単独で事業を行っていたら、技術、プラットフォーム、電気アーキテクチャ、バッテリー、インフォテインメントを手に入れることは、わたしには不可能だったでしょう」とも語った。
アルファ・ロメオは14ブランドを抱えるステランティス帝国の一員として、プジョー、シトロエン、フィアット、ヴォグゾールといった大衆ブランドと部品やアーキテクチャを共有することになるため、独自のイメージと運転体験を維持することは、非常に挑戦的な課題となる。
プラットフォームに賢く適応することはもちろん、個性的な美学にもさらに力を入れる必要がある。インパラートCEOは、AUTOCARに対し、将来のモデルに求める基本的なデザイン要件を明らかにし、このことを強調した。
「定義すべきタイポロジーと要素は明確です。アルファは大胆な選択をする必要があります。他とは違うものでなければならないのです。照明(デザイン)、ホイール、ステアリングホイール、インストゥルメントクラスターにおいて、非常に際立ったものでなければなりません」
インパラートCEOは、将来のインテリアを「デポリュート(汚染を除去)」したいと語り、巨大なタッチスクリーンのトレンドに逆行する意向を示した。今後のインテリアデザインは、情報過多を防ぎ、ドライバーが望むだけの情報を表示するようになるだろう。
情報筋によると、将来のモデルではステアリングホイールに多くの操作系が搭載される可能性がある。アルファ・ロメオのEVは、古典的なICE車のドライビング・エクスペリエンスを「デポリュート」してしまうリスクもあるが、インパラートCEOはその解決策について考えがあるという。
「偽物のノイズ(排気音など)を入れることは絶対に許さないが、振動を再現することはできるかもしれない」として、ICEのような振動をフロア、ステアリング、シートを通して送り込むことができると示唆した。
これらの計画は、アルファ・ロメオを再生させるというインパラートCEOのビジョンの根幹を成すものである。彼がトップの座についてから13か月。電動化を進め、高級車市場を追いかける一方で、デザインとダイナミクスの融合が進む市場において、ブランドの独自性を可能な限り維持するという難しい課題に取り組んでいる。
間もなく登場するアルファ・ロメオの新型車
トナーレ
アルファ初のプラグインハイブリッド・システムを搭載した小型クロスオーバー。EV仕様も設定される予定。また、高性能モデルのクアドリフォリオの登場も否定されていない。
ブレンネロ
拡大するSUVラインナップを切り開くブレンネロ(イタリアとオーストリアの間の峠から命名)は、プジョー2008の兄弟車として2024年に登場予定。
GTV
BMW i4に対抗するため、EVの5ドア・クーペに神聖なる「GTV」の名称が復活する見込み。アルファが発売する最後の内燃機関車の1つになるかもしれない。
ジュリア
発売から6年目を迎え、好評を博しているジュリア。その後継モデルは、より多くのファンを惹きつけるために、セダンとステーションワゴンの境界をまたぐような、あまり一般的ではないスタイルになると思われる。
ステルヴィオ
BMW X3のライバル。ジュリアの後継車とともに2代目に生まれ変わる予定。高級志向のSTLAミディアム・プラットフォームを採用し、最大700kmの航続距離を実現すると言われている。
大型SUV
アルファを新しい領域に導く、アウディQ7のような大型SUV。最大のSTLAプラットフォームを使用する最初のモデルとなる可能性がある。STLAプラットフォームは、2023年の後半に生産される予定だ。
ミト
ステランティスのEVプラットフォームにより、新型コンパクトカーの見通しも現実的なものとなってきた。STLAスモール・プラットフォームをベースに、プジョーe-208のような都市型EVになるだろう。
スパイダー
インパラートCEOはスポーツカー復活に本気で取り組んでいる。ディーラーに初期のスパイダーEVのデザインを見せたことがあるほどだ。一方で、より大きな需要と収益性の高いモデルが優先されることも認めている。
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みんなのコメント
アルファが内燃機関と変速機作らなくなってブランド力だけで食ってくなんてまぁ絶対無理だと思うんだけど、個人的に昔からアルファ好きなのにどうしてくれんだよって話なんだけど。