ポルシェは2017年3月7日から開催されるジュネーブモーターショーで、パナメーラの新しいボディバリエーションとなるパナメーラ スポーツツーリスモのワールドプレミアを行なう。
スポーツツーリスモの最大の特徴は、なんといっても水平に近い角度で後方に伸びたルーフラインを持つボディ後半部だ。5,049mmの全長、1,937mmの全幅、2,950mmのホイールベースといった基本的なボディディメンションは従来モデルのスポーツサルーンと同じだが、ルーフ後端の高さを十分に確保できることから、後席のヘッドスペースは格段に広くなっている。
後席居住空間が拡大したことにより、スポーツツーリスモは後席に3名乗車が可能な初のパナメーラとなった。両側の2つのシートが独立した2+1構成とはいえ、必要な場合は5名乗車も可能というのは、実用性において大きなメリットといえる。また2名分の後席シートの充実を望むユーザー向けには、電動調整式の4シート構成もオプションで用意される。
スポーツツーリスモのリヤゲートは、より立った角度にセットされるのと同時に、その下端がライセンスプレート下まで深く切り込まれるようになった。そのためラゲッジコンパートメントは容量が増えただけにとどまらず、628mmという低いローディングエッジのおかげで、楽に荷物の出し入れを行なうことができるようになっているのも、ユーザーにとっては有難いポイントだ。
ちなみにラゲッジコンパートメント容量は520L(パナメーラ4 E-ハイブリッド スポーツツーリスモは425L)で、スポーツサルーンのそれを20L上回っている。ルーフレベルまで積み込んだ場合はさらに50Lが追加され、40:20:40分割のリヤシートを畳んだ場合の最大容量はじつに1,390L(パナメーラ4 E-ハイブリッド スポーツツーリスモは1,295L)。ロングドライブの道具として使うにも十分な容量といっていいだろう。
外観では、ルーフ後端に装着されたアダプティブルーフスポイラーも、スポーツツーリスモならではの装備だ。このスポイラーの角度は、走行条件と車両設定に応じて3段階にセットされ、リヤアクスルに50kgのダウンフォースを追加するようになっている。
車速が170km/h以下の時は、PAA(ポルシェ・アクティブエアロダイナミクス)の中心コンポーネントである空力ガイドエレメントが-7度の格納ポジションに維持される。これにより空気抵抗が抑えられ、燃費が最適化されるわけだ。
170km/hを超えると、ルーフスポイラーは自動的に+1度のパフォーマンスポジションに移動する。もちろんこれは走行安定性と横方向のダイナミクスを高めるのが目的で、スポーツ/スポーツ・プラスモードを選択した場合には、90km/hを超えた段階で自動的にパフォーマンスポジションとなる。もし90km/h以上でパノラミックスライディングルーフを開くと、PAAはルーフスポイラーを+26度の角度に調節して風切り音を低減する。
技術およびデザイン面では他にも、デジタル式ポルシェ・アドバンストコックピット、先駆的なアシスタンスシステムのポルシェ・イノドライブ(アダプティブクルーズコントロールを含む)、リヤアクスルステアなどのシャシーシステム、アクティブ制御によるロール抑制システムのポルシェ・ダイナミックシャシー・コントロール・スポーツ(PDCCスポーツ)、パワフルなパワートレーンなどが含まれている。
さらに、パナメーラ スポーツツーリスモには、電子制御マルチプレートクラッチを備えたアクティブ4WDシステムのポルシェ・トラクション・マネージメントシステム(PTM)と、Sモデルの3チャンバーテクノロジーによるアダプティブエアサスペンションも標準装備される。
パナメーラ スポーツツーリスモは、現在、注文を受け付けている。2017年10月7日に欧州市場の発売が予定されていて、11月初旬からその他市場の発売が続く予定だ。
搭載エンジンはスポーツサルーンと同じ5種類が用意され、ドイツ国内の価格は、パナメーラ4スポーツツーリスモ(243kW/330PS)が97,557ユーロ、パナメーラ4 E-ハイブリッド スポーツツーリスモ(340kW/462PS)が112,075ユーロ、パナメーラ4Sスポーツツーリスモ(324kW/440PS)が120,048ユーロ、パナメーラ4Sディーゼル スポーツツーリスモ(310kW/422PS)が123,975ユーロ、そしてパナメーラ ターボ スポーツツーリスモ(404kW/550PS)が158,604ユーロ(全て付加価値税を含む)となる。
本件に関する問い合わせは、ポルシェ カスタマーケアセンター 0120-846-911またはポルシェ ホームページまで。
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