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走りの魅力の幅を拡張 BMW M135i xドライブへ試乗 小変更 硬軟2つの個性

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走りの魅力の幅を拡張 BMW M135i xドライブへ試乗 小変更 硬軟2つの個性

改良のテーマは魅力の幅を広げること

BMW 1シリーズが前輪駆動になったのは、2019年。後輪駆動と惜別しつつ、フォルクスワーゲン・ゴルフRに対峙する、四輪駆動のM135i xドライブもラインナップしてきた。BMWらしい高級感を備える、能力に長けたホットハッチに仕上がっていた。

【画像】四輪駆動のホットハッチ BMW M135i xドライブ 欧州の競モデルと写真で比較 全99枚

それから数年が経ち、1シリーズもアップデートの時期が来たようだ。2024年に予定されるモデルチェンジまで訴求力を維持するべく、主にメカニズムへ変更を受けている。試乗車の鮮やかなサンパウロ・イエロー塗装なども、選べる様になったけれど。

BMWによれば、主にMスポーツ・サスペンションの特性に焦点を当て、運転を愛するドライバーのためのM135iとして魅力の幅を広げることが改良のテーマ。同時に英国仕様では、アダプティブ・サスペンションの指定も可能。親しみやすさも変わらない。

Mスポーツ・サスペンションのスプリングとダンパーはチューニングを受け、フロントのキャンバー角は2度へと強められている。ホイールは19インチとなり、ブッシュやマウント類は精度を高めるため、剛性を増したという。

またスピーカーを介して車内で響く、エンジンやエグゾーストの人工サウンドを拡張。ブレーキ制御によるトルクベクタリング機能は強力になり、四輪駆動システムのxドライブにも手が加えられた。タイヤはミシュラン・パイロットスポーツ4を装着する。

突出したトラクションを持つホットハッチ

今回のアップデートで、Mスポーツ・サスペンション版とアダプティブ・サスペンション版、2種類のM135iの性格分けが明確になった。無限と思えるようなトラクションを備える、前輪駆動のホットハッチという点では共通しているが。

トルクステアを減らすことを意図した、チューニングの効果は明らか。ただし、フォード・フォーカス RSのように、自由にテールを振り回せるタイプではない。

BMWがパフォーマンス・コントロールと呼ぶトルクベクタリング機能により、以前より俊敏性は高められている。グリップの限界領域近くまでコーナーを攻め込むと、システムがイン側のブレーキを調整しラインを保とうとする働きを感じ取れる。

介入が自然というわけではない。だが、面白いと感じるドライバーも多いだろう。

今回の試乗ではMスポーツとアダプティブ、両方のサスペンションを味わった。乗り心地はMスポーツの方が明確に硬く、当初はアップデートの成果へ少し疑問を抱いたことも事実だ。

しかし、ペースを速めていくと印象も変化。パイロットスポーツ4と協働し、コーナリングスピードは明らかに高い。よりダイレクトで意欲的に操れる。

惜しいのが、ステアリングホイールに伝わる情報が薄い点。シャシーには、もっと自由度の高いバランスが与えられていても良いとは思う。必ずしも、Mスポーツ・サスが一般道をより楽しめるとは限らないだろう。

滑沢な操縦性を味わえる可変ダンパー

アダプティブダンパーは、英国では500ポンド(約8万円)のオプション。M135iを、よりドライバーの気持ちをそそるシャシーへ仕立てられる。

Mスポーツ・サスよりソフトな乗り心地を得られるだけでなく、減衰力にも優れ、毎日の運転でもメリットは大きい。ボディロールはやや多めだが、そのぶん淡白なステアリングホイールを補完するように、クルマの動きを身体で感じ取ることができる。

タイヤは同じパイロットスポーツ4を履くものの、幅は細め。グリップ力は若干低くなり、公道の速度域でもさらに滑沢な操縦性を味わえる。

ドライブモードも、硬軟の差が広げられた。コンフォート・モードを選ぶと、やや人工的なエグゾーストノートが車内へ小さく響く。フルスロットル時のシフトアップ時でも、8速ATのシフトショックは穏やかだ。

そこからスポーツ・モードを選ぶと、エグゾーストノートが大きくなり、アフターファイヤーの破裂音が派手に響く。シングルクラッチのセミオートマのように、シフトショックも強くなる。

ちなみに、このトルクコンバーター式8速ATは、まるでデュアルクラッチATのように変速がクイック。シフトパドルへの反応も素早い。不意の変速を求めたときに、若干躊躇するような仕草も似ている。

効果的に2つの個性へ仕立て直したBMW

BMWは、優れたM135iを効果的に2つの個性を持つホットハッチへ仕立て直した。Mスポーツ・サスペンション版は、よりドラマ性が強く圧倒的な動的性能を備えている。もう一方は、より細かな感触を味わえつつ、日常的な乗りやすさを高めている。

今回の短時間の試乗に限っては、控えめなタイヤを履くアダプティブ・サスペンション版のM135iの方へ好感を抱いた。だが、これは個人的な好みの問題。よりアグレッシブな、Mスポーツ・サスを好む人がいても当然だろう。

M135iは、ライバルと比較したときに価格も魅力の1つ。英国では3万8470ポンド(約642万円)からとなっているが、アウディS3 スポーツバックやメルセデスAMG A35だけでなく、フォルクスワーゲン・ゴルフRよりもお手頃となっている。

ハイエンド・ホットハッチとして、訴求力に勝るBMW M135i xドライブ。走りの魅力が一層磨き込まれたといえる。

BMW M135i xドライブ(欧州仕様)のスペック

英国価格:3万8470ポンド(約642万円)
全長:4319mm
全幅:1799mm
全高:1434mm
最高速度:249km/h
0-100km/h加速:4.8秒
燃費:−
CO2排出量:−
車両重量:1525kg
パワートレイン:直列4気筒1998ccターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:306ps/4500-6250rpm
最大トルク:45.8kg-m/1750-5000rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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みんなのコメント

1件
  • 2020型のF40 M135i に乗ってるが、サスペンション、キャンバー・ジオメトリーとエンジンマウントが強化されたのは羨ましい。 現行はややGTツーリング寄りの設定。 長距離は快適だけどMサスに期待されるような俊敏さはイマイチだった。 
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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