抜群の軽快さと快適クルーズ性の好バランス
走り出した瞬間、「空気圧高過ぎ?」と思ったほど軽快なハンドリング。
特に30km/h以下の低速域ではニンジャ1000の車重を感じさせず、渋滞で発進停止を繰り返す状況や細い路地の右左折も車重を感じさせずに自由自在に扱える。
35年の歴史に幕、ヤマハが「セロー250」のファイナルエディションを発表
路面の縦溝の影響も受けにくいから、ストリート適性は文句なしに高い。
この軽快性は速度が高まるにつれて薄くなり、高速道路クルージングではツーリングタイヤらしい落ち着いた直進安定性になる。
荒れた路面や高架の継ぎ目をバンクしたまま通過しても弾かれる度合いが少なく、ブレーキを掛けたまま減速帯を通過した際の衝撃吸収性にも優れていて上質な乗り心地。
クイックなレーンチェンジではフロントの反応が少し遅れる傾向があるが、逆に言えば神経質さがないのでツーリングシーンで疲れない。
路面状態のいい峠道(気温26℃、路面温度35℃)をやや飛ばし気味のペースで走り込んでみたが、ステップから火花が散るバンク角でも安定感が高く、ライントレース性も良好。
2速ホールドで強いエンジンブレーキ、フル加速を繰り返してもグリップ力に不満はない。
荷重移動を積極的に使って走っても反応は穏やかで、スポーツタイヤのようにグリグリ向きを変える旋回特性ではなく、ライン上をサラリと撫でるようにトレースしていく。
しかも手応えが変化しないので安心感が高く、流しているつもりでも結構なペースで走れてしまう。
エキサイティングさには欠けるが、長時間ライディングでは疲労が抑えられる特性だ。
こうしたライダーに優しい性格はツーリング指向のライダーに大歓迎されるはず。
よりスポーツ性を望む人には、同社を代表する『ディアブロ』シリーズがあるのだから。
フロントはスーパーバイクレースのインターミディエイト(濡れた路面用タイヤ)からフィードバックされたデザインに一新された。
リアも中央部に2本のストレートグルーブを入れて排水性を向上。
リアにはデュアルコンパウンドを採用し、耐摩耗性とコーナリンググリップを両立している。
ANGEL GT II 対応サイズ
[FRONT]
120/60ZR17
120/70ZR17※
120/70R19
[REAR]
190/50ZR17※
190/55ZR17※
180/55ZR17※
170/60ZR17
170/60R17
160/60ZR17
150/70ZR17
※商品の詳細はメーカーWebサイトをチェック!
[ 画像が省略されました ]テスター太田安治の欲張りリクエスト
縦溝が入ったトレッドデザインで他のタイヤとの違いが一目瞭然なのが嬉しい。
個人的にはもう少しフロントの応答性が高いほうが好みだけど、常識的なツーリングペースならこのほうが疲れないので万人受けするはず。
文:太田安治/写真:南 孝幸/モデル:梅本まどか
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