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【ジャーマンプレミアム対決】クルマ好きの身近な憧れ、BMW3シリーズとメルセデスCクラスの実力比較

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【ジャーマンプレミアム対決】クルマ好きの身近な憧れ、BMW3シリーズとメルセデスCクラスの実力比較

今や3シリーズとCクラスがBMWとメルセデスの憧れの中心

 SUV人気が高まってきた中でも、BMW3シリーズとメルセデスCクラスなど、いわゆるDセグメントに属する欧州製ワゴンは根強く支持されている。ドイツ製の両車はセダンのイメージが強いが、実はずいぶん前からセダンとワゴンの販売比率は同程度である。

クルマの基本が実にしっかりと作り込まれている。だからプレミアムを名乗れるのだ。【CD取材ノート】

 G21型3シリーズ・ツーリングは、2019年9月に日本仕様が発表され、2022年9月にマイナーチェンジを実施したばかり。フェイスリフトを受けてスポーティなイメージが高まったのは見てのとおり。インテリアは、大画面を横に並べたカーブドディスプレイを新採用。シフトレバーを廃止してスッキリさせたほか、最新世代のコネクティビティを搭載するなど、大がかりな変更があった。

 対してS206型Cクラス・ステーションワゴンは、2021年6月に日本デビュー。当初からデジタル世代に受け入れられるよう新アイテムを積極的に取り入れたことが話題となった。

 両車のボディサイズはほぼ同等。従来よりもサイズアップが図られているが、日本でも持て余す心配はない。各部のクリアランスや容量、居住性などはお互いをかなり意識して設計されたことがうかがえる。今回は、パワフルで経済性に優れた2リッターディーゼルモデルを比較した。CクラスのパワーユニットはマイルドHV、駆動方式は3シリーズが4WD、CクラスはFRである。

上級車いらずの広さとユーティリティ。走りの個性は両車際立つ

 ワゴンとしてのユーティリティは両車とも高水準。ラゲッジ容量の公表値は3シリーズがやや上回っているものの、一見した印象ではCクラスのほうが側面のタイヤハウス周辺の張り出しが小さく、広いように見える。奥行きもわずかに長い。一方3シリーズは床下スペースが驚くほど広い。

 3シリーズは独自の装備に注目だ。荷室床面にはアルミ製レールの間に高さを変えられるゴムの帯を仕込んだ「アンチスリップ・レールシステム」を装備。これは、本当にナイスアイデアである。停車時にはゴム部分が低い位置にあって、荷物はアルミのレール上をスライドさせて積み降ろし可能。一方、走行時にはゴム部分に圧がかかり上昇。荷物をしっかりと支える。Gがかかってもずれにくく、実際になかなか重宝する。

 BMWのテールゲートのウィンドウ部分は独立して開閉できる。これはツーリングモデルの伝統だ。これを決め手に購入するユーザーも少なくないという。

 Cクラスはトノカバーがテールゲートと連動して自動的に開閉する。これもまた便利である。リアシートは両車とも3分割の可倒式。長尺物を積みながらも4人が快適に乗れるのはうれしい。

 パッセンジャーのための空間にも余裕がある。両車、全長の拡大が効いて後席居住性は十分。成人男性の平均+αの体格を持つ筆者が座っても、頭上そしてひざ前には余裕が残る。シートの角度設定も適切。長時間でもストレスを感じないクッション性とヒール段差が確保されている。

 パッケージングは、ともに優秀。これほど広く、快適だと、5シリーズやEクラスなど兄貴分に目が向きにくくなってしまうのはやむを得ない。3シリーズとCクラスは、かつては両ブランドのエントリーカテゴリーというイメージもあったが、現在では、それぞれ中心モデルという風格を示している。

 走りはどうか、販売の主力となるディーゼルの完成度はピカイチ。走るほどに魅力を実感した。
 2台とも、普通にドライブしていると車内ではディーゼルかどうかわからない。気になる音や振動は上手く抑え込まれている。パフォーマンスも優秀。求めたトルクをイメージしたとおりに生み出してくれる。そのうえで、BMWはディーゼルであっても吹き上がりのよさを強調。メルセデスはより常用域での扱いやすさを重視しているように感じられる。パワートレーン全般については、電動化も含め両社ともさまざまな展開を図っており、しかもアップデートのスピードが非常に早いことは特筆できる。

 フットワークの味付けは、上位セグメントに対して、意図的にスポーティなキャラクターが強調されている。この点でも両車は共通している。とくにCクラスは、世代を重ねるごとに「アジリティ」のアピールを強めている。
 対する3シリーズの高い基本性能は「さすが」のひと言。だがランフラットタイヤがやや足を引っ張っている。市街地+αを走る分にはあまり問題はないが、都市高速のように路面が荒れていてコーナーの多いシーンでは若干のバタつきと、ハーシュネスが気になる。
 一時期はランフラットを採用していたCクラスは、デメリットを勘案して日本仕様は通常タイヤに戻した経緯がある。

 2台を比較すると「完成度」という点では、3シリーズに分があり、前述のランフラットの課題はあるにせよ、最新モデルは全体の走りの精度感が一段と向上していると感じた。当初は乗り心地をはじめ気になる点が見受けられたCクラスも、すでに改善されている。その素早い対応力は国内外のメーカーも見習うべき点だと思う。

BMW3シリーズ主要諸元

グレード=320d xドライブ・ツーリングMスポーツ
価格=8SAT  715万円
全長×全幅×全高=4720×1825×1455mm
ホイールベース=2850mm
トレッド=フロント:1585/リア:1570
車重=1740kg
エンジン=1995cc直4DOHC16Vディーゼルターボ(軽油仕様)
最高出力=140kW(190ps)/4000rpm
最大トルク=400Nm(40.8kgm)/1750~2500rpm
WLTCモード燃費=15.5km/リッター(燃料タンク容量59リッター)
(市街地/郊外/高速道路=13.3/14.5/17.6 km/リッター)
サスペンション=フロント:ダブルジョイントストラット/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=フロント:225/45R18/リア:255/40R18+アルミ
駆動方式=4WD
乗車定員=5名
最小回転半径=5.7m

メルセデス・ベンツCクラス主要諸元

グレード=C220dステーションワゴン・アバンギャルド
価格=9SATC  705万円
全長×全幅×全高=4785×1820×1455mm ※
ホイールベース=2865mm
トレッド=フロント:1590/リア:1575mm ※
車重=1820kg ※
エンジン=1992cc直4DOHC16Vディーゼルターボ(軽油仕様)
最高出力=147kW(200ps)/3600rpm
最大トルク=440Nm(44.9kgm)/1800~2800rpm
モーター最高出力=15kW
モーター最大トルク=208Nm(21.2kgm)
WLTCモード燃費=18.2km/リッター(燃料タンク容量66リッター)
(市街地/郊外/高速道路=13.9/18.3/20.9 km/リッター)
サスペンション=フロント:4リンク/リア:マルチリンク
ブレーキ=前後ベンチレーテッドディスク
タイヤ&ホイール=フロント:225/45R18/リア:245/40R18+アルミ ※
駆動方式=FR
乗車定員=5名
最小回転半径=5.2m
(※opのAMGライン装着車)

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みんなのコメント

3件
  • 3 > C
    5 = E
    7 < S

    個人的にはこんな感じ。
  • 確かにアンチスリップ・レールシステムは便利。ちょっとしたカーブでもスーツケースが動いて気になるって事が無くなった。他の車にも是非つけて欲しい便利機能。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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