BMWがミドルクラスSUVにEVモデルの「iX3」を新設定。航続可能距離はWLTPサイクルで最大460kmを達成
独BMWは7月14日(現地時間)、ブランド初の電気自動車SUVとなる「iX3」を発表した。
BMWのミドルクラスSUVのX3に初のプラグインハイブリッドモデルを設定!
iX3は、プレミアム・ミドルクラスSAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)のX3のカテゴリーに位置し、第5世代の「BMW eDrive」をいち早く搭載した100%電気自動車の新世代SUVモデルである。これでX3シリーズは、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、PHEV(プラグインハイブリッド)、そしてEVという、4つのパワートレインを採用する初のBMW車となった。
基本骨格にはX3に採用するCLAR(Cluster Architecture)プラットフォームをベースに、リア回りに専用設計のサブフレームを設置。この上にeDriveの根幹をなす電気モーター/400Vパワーエレクトロニクス/トランスミッションを1つのハウジング内に格納して搭載する。新設計の電気モーターは最高出力210kW、最大トルク400Nmを発生し、後輪を駆動。ドライブモードとして、COMFORTモードやECO PROモード、SPORTモードなどを設定した。232Ah/80kWhの容量を確保する駆動用リチウムイオンバッテリーは、個別の制御が可能な188個のセルおよび10ピースのモジュールで構成し、車体中央のフロア下に集中して配置。また、3段階の切り替えが可能で効率性も高めたエネルギー回生システム、より厳密化した冷却/加熱システムなども採用する。航続距離はWLTPサイクルで最大460km、NEDCサイクルで最大520kmを達成し、性能面では0→100km/h加速が6.8秒、最高速度が電子制御リミッターの作動で180km/hと公表した。
充電に関しては、CCU(Combined Charging Unit)と呼称する新開発の充電ユニットを採用し、世界市場の充電ステーションに対応。交流(AC)では単相充電で最大7.4kW、三相充電で最大11kWでの充電ができ、また直流(DC)の急速充電や150kWの高出力充電ステーションの使用も可能とする。充電に要する時間は、交流の家庭用充電器で0%から100%までを約7.5時間、直流の急速充電で0%から80%までを34分で充電。急速充電を使用した際は、10分間の充電で約100km走行分(WLTPサイクル)の電力が確保できるという。
エクステリアについては、基本的にX3のデザインを踏襲しながら、細部に独自のアレンジを施す。まず外装では、フロントグリルやサイドアンダーガーニッシュ、リアディフューザー部にブルーのアクセントを採用。フロントはクローズドしたグリル内部、サイドはEVパワートレインの搭載、リアはエグゾーストパイプの未装備などを象徴する。ボディサイズは全長4734×全幅1891×全高1668mm/ホイールベース2864mm、車重は2185kg(DIN、前後重量配分は43:57)に設定し、グランドクリアランスは179mmを確保した。また、足回りには電子制御ダンパーを備えたアダプティブサスペンションをセット。シューズには専用デザインの7.5J×19アルミホイールに、245/50R19 105W XLタイヤを組み合わせている。
乗車定員5名のインテリアも、X3の基本造形を踏襲しながら、ブルーのアクセントを施したシフトレバーや専用デザインのドライブモード切替スイッチなどを組み込んでEVならではのオリジナリティ性を強調する。また、ラゲッジ容量はX3の550~1600リットルと遜色のない510~1560リットルを実現。さらに、車載通信モジュールによりドライバーとクルマ、そして取り巻く情報をITネットワークでつなぐBMWコネクテッドドライブも採用した。
iX3の市場投入は、2020年後半から最大のマーケットである中国を皮切りに実施予定。なお、BMWは7月16日(現地時間)にスウェーデンの電池メーカーのノースボルト社とバッテリーセルの長期供給契約を締結し、電気自動車の生産規模および車種ラインアップの拡大を鋭意図っていく計画である。
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