PA95型117クーペが超高音質のオーディオマシンに大変身!
“旧車+ハイファイサウンド”の大きなギャップと優雅な満足感
「FD3Sの弱点を克服するスーパーチャージャーという選択肢」熱害や低速トルクの細さにもう悩まされない!
1968年にデビューした117クーペは、当時乗用車メーカーとしても人気の高かったいすゞのフラッグシップ。巨匠、ジウジアーロによるデザインであることはあまりにも有名で、1966年のジュネーブモーターショーでコーンクール・ド・エレガンスを獲得するなど、日本車が全世界的に認められた時期の秀作の中に数えられる。
そんな名作(PA95)をベースに、湘南オートモビル・ビジネス専門学校の学生達が魔改造を実行したのがこのカスタムマシンだ。
注目はインテリアだ。ノーマル風を演出しつつ、天井まで含めて室内はすべて「人工皮革スエード(シャミー)」で張り替えられ、ドア内張りなどは全体のイメージに合わせデザイン自体を大きく変更。このあたりも、さりげない仕上げに拘った。
そしてカスタムオーディオも見逃せない。方向性は実用的なハイファイ系のクリアなサウンド。そこで選ばれたには、iPodを音源のプレイヤーとして音楽や動画を再生するというシステムだ。
iPodと組み合わせるために選ばれたのはアルパインのオーディオシステム。トランクルームなど、部分的には“魅せる”ことを意識して制作されてはいるものの、高価なパーツをふんだんに盛り込む“完全魅せ系”ではなく、基本は実用本位の最上級、まさに聞くためのパーソナルシステムといった感覚だ。
ウーファー、ミッドスピーカー、ツイーターと音域ごとにスピーカーが用意され、旧車のも室内とは思えないクリアで立体的な音場を作り上げている。
カスタムオーディオは電源強化が必須だ。この117クーペもバッテリーの強化をはじめ、直接配線&ブレーカーの増設など、純正の電源系を大きく変えることなく強化が行われている。
ちなみに、リヤトランクはポップアップ式に、エンジンスタートはプッシュボタン式にそれぞれ変更されていたりもする。
一方の動力性能面に関しては、前オーナーが行なったチューニングをそのまま引き継ぎ、学生たちが見た目を中心に整えたものであるという。エンジンは、バフ&カラーリングもバッチリ決まったツインカムヘッドと、綺麗に磨かれたソレックスキャブレターで4連スロットル化が敢行されていた。システムとしては新しいものではないが、旧車の醍醐味ともいえるソレックスの吸気音も、インストールされたオーディオにも負けず劣らず心地の良いものだ。
ドレッシーなホイールはワークのエクイップ03だ。足回りは、強化リーフスプリングにモンローのエアショックの組み合わせ。エア圧で車高を調整できるショックアブソーバーで、リヤセクションの車重増加による車高ダウンを補正しているとのこと。
完成車は東京オートサロンの会場でお披露目され、狙い通り“旧車”と“ハイファイ・サインド”のギャップは大きな注目を集めた。学生達の努力は実ったのである。
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