新型車比較・ライバル車対決 [2024.05.24 UP]
ホンダ『N』の魅力大研究 ~人気シリーズ全車解説&ライバル比較~
販売トップ常連のN-BOXは日本一の人気車だ。現行型はさらにその魅力を増したのだが、改良前のモデル末期まで販売トップを守り抜いたのは驚きだった。そのN-BOXを含むホンダの軽自動車「N」シリーズは個性的な4車で構成され、それぞれのジャンルで確固たる存在感を放っている。そんな市場の支持も厚いNシリーズの人気の理由を探ってみよう。
ホンダ ZR-V&N-BOX 自動車アセスメントで「ファイブスター賞」獲得【動画あり】
●文:渡辺陽一郎
HONDA Nシリーズ 大人気のひみつ
同一シリーズながら
各車各様なのも見どころ
ホンダは'23年に約59万台の4輪車を販売した。この内の39%に相当する約23万台が軽自動車のN‐BOXだった。国内で売られるホンダ車の3台に1台以上がN‐BOXだ。N‐BOXは'23年10月に現行型へフルモデルチェンジされたから、'23年の1~9月は先代型のモデル末期だったが、それでも1か月平均で2万台近くを登録した。その結果、'23年の国内販売では軽自動車以外も含む総合1位になっている。今の国内でホンダといえばN‐BOX、乗用車といえばN‐BOX、とも言える。
N‐BOXは、全高が1700mmを超える背の高いボディにスライドドアを装着するスーパーハイトワゴンと呼ばれるタイプで人気を得たが、ホンダの軽自動車はN‐BOXだけではない。標準ボディの全高1700mm以下で価格も割安な実用重視のN‐WGN、全高が1600mm以下で趣味性も感じさせるN‐ONE、N‐BOXをベースに開発された軽商用車のN‐VANもある。さらに今後はN‐VANとN‐ONEをベースにした電気自動車も投入される予定だ。
このようにホンダでは、軽自動車の「N」シリーズを多彩にそろえる。届け出台数を見るとN‐BOXが突出して多いが、ほかの車種にも違った魅力が備わるから、それぞれ見ていきたい。
ホンダ「N」シリーズのキーワード
1)『ホンダセンシング標準装備』
大きな魅力となっているのが先進安全&運転支援機能の「ホンダセンシング」。今や軽クラスでもこうした装備は珍しくないが、全車標準を基本とする姿勢は誇れるものだ。
2)『センタータンクレイアウト』
ホンダの特許技術で、通常は車体後部に置かれる燃料タンクを前席の下に置く。居住空間への好影響のほか、荷室床面を低くしたり後席スペースまで積載空間にしたりできる。
3)『多様なニーズに応える4タイプ』
軽規格において寸法が自由なのは高さぐらい。そこでシリーズ車は上物違い/高さ違いとなる程度が一般的だが、「N」は独自性の高い本気のラインナップが揃う。
HONDA N-BOX_ホンダ エヌボックス
《NA》164万8900~225万2800円
《ターボ》204万9300~236万2800円
●発表年月(最新改良):'23年10月(未実施)
2023年販売合計 23万1385台【国産車 第1位】
国内全車のトップセラー!!
これを選べば間違いなし、ファミリー層にも◎
N‐BOXが国内販売の1位になった理由の筆頭は、軽自動車に求められるニーズに幅広く応えたからだ。Nシリーズのホイールベースは全車共通で、軽自動車では最も長い2520mmに達する。エンジンは補機類を含めて縦長に設計され、有効室内長を長く確保した。全高も2WDで1790mmと高いため、N‐BOXの車内は前輪駆動の軽乗用車では最も広い。
身長170cmの大人4名が乗車すると、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ4つ分に達する。後席を前寄りにスライドさせると、快適性を損なわずに、後席の後ろ側に荷物を積める空間が得られる。子育て世代なら、親子で乗車して、車内の後部にベビーカーや遊び道具なども収められる。収納設備やトレイも豊富に装着され、日常生活の中で便利に使える。
現行N‐BOXは、前後席の座り心地も向上させた。特に突っ張り感が伴った後席は、現行型では柔軟性が増して腰の収まりも良く、長距離を快適に移動できる。走行安定性と乗り心地のバランスも進化して、軽自動車のスーパーハイトワゴンでは最高水準だ。子育て世代も含めて、4名乗車から自転車の積載まで、さまざまなユーザーが幅広い用途に使える。
水平基調のシンプルで機能的なデザインで、大型ディスプレイの活用など現代的な仕立てとなっている。インパネシフトを採用しており、乗降時の左右移動も楽にできる。
【だからN-BOX】乗り心地はもちろん、装備&機能まで不満なし!
《推しポイント》荷室の使い勝手が優れている
路面からリヤゲートの開口下端部までの高さは、軽自動車では最も低い470mmだ。前輪を大きく持ち上げずに自転車を積める。後席の座面を持ち上げると背の高い荷物も収まる。
《推しポイント》安全装備と運転支援機能が先進的
衝突被害軽減ブレーキのカメラセンサーは、視野角度が約100度とワイドで、さまざまな場面に対応できる。音波センサーも採用され、低速域の近距離衝突軽減ブレーキも備わる。
HONDA N-WGN_ホンダ エヌワゴン
《NA》131万7800~181万7200円
《ターボ》178万4200~191万7300円
●発表年月(最新改良):'19年7月('23年6月)
2023年販売合計 3万7779台
軽自動車選びの第一候補
N-BOXよりお手頃価格、軽量で走りも良し
N-BOXは2023年に1か月平均で約1万9300台を届け出したが、N-WGNは約3100台でN-BOXの16%だった。かなり少ないが、これはスーパーハイトワゴンの高人気で、N-WGNなどのハイトワゴンが需要を奪われたためだ。価格まで含めたN-WGNの商品力は、N-BOXと同等かそれ以上に優れている。
N-WGNの全高は、標準ボディが1675mmに収まるが、車内は十分に広い。身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ3つ半に達する。後席のドアは前ヒンジ式だが、開口部は広く乗降性も良い。そしてN-BOXと同様に燃料タンクを前席の下に搭載するから、荷室の床も低い。自転車の積載は難しいが、専用のボードを使うと荷室が上下2段に分けられる。
車両重量は電動スライドドアなどを備えたN-BOXに比べると60kgほど軽く、動力性能にも余裕がある。ノーマルエンジンの2WDは、WLTCモード燃費が23.2km/ℓだから、N-BOXを1.6km/ℓ上まわる。価格は装備が同程度のN-BOXに比べて17万円ほど安い。従ってホンダの軽自動車が欲しい時は、まずはN-WGNを検討する。その上でさらに広い荷室やスライドドアが欲しい時に、N-BOXをチェックすると合理的だ。
【だからN-WGN】「N」シリーズでも特筆すべきコスパ優等生
《推しポイント》リヤシートアンダートレイを採用
N-WGNは燃料タンクを前席の下に搭載する方式を利用して、後席の下側に横幅が約1mのワイドなトレイを装着した。傘や靴が収まって便利に使える。ほかにも多くの収納を備える。
HONDA N-ONE_ホンダ エヌワン
《NA》166万2100~197万5600円
《ターボ》195万2500~208万5600円
●発表年月(最新改良):'20年11月('23年6月)
2023年販売合計 1万9703台
実用プラスアルファの魅力を追求
実用性を確保しつつ上質な仕立てに
N-BOXとN-WGNは実用指向の軽自動車だが、N-ONEは趣味性を重視して開発された。丸型ヘッドランプを備えたフロントマスクや少し寝かされたリヤゲートは、1967年に発売されたN360をモチーフにデザインされている。2WDの全高は1545mmに収まり、空間効率の優れたNシリーズでありながら、立体駐車場も使いやすい。
インパネの周辺などは、実用性に加えて質感にも配慮した。前席はセパレートタイプだから、N-BOXやN-WGNのベンチシートに比べて幅は狭いが、ホールド性は良好だ。N-ONEは車内の広さに重点を置いた車種ではないが、後席にも相応の余裕がある。身長170cmの大人4名が乗車した時、後席に座る乗員の膝先空間は握りコブシ2つ分だからファミリーカーとしても使える。燃料タンクを前席の下に設置したから、N-BOXと同様、後席の座面を持ち上げると車内の中央に背の高い荷物も積める。荷室のアンダーボックスを含めて日常的な使い勝手も良い。
車両重量はノーマルエンジンであれば840kgに収まって運転感覚も軽快だ。WLTCモード燃費は23km/ℓとされ、燃費性能も優れている。価格は少し高いが、2名以内の乗車で上質な軽自動車に乗りたいパーソナルユーザーにピッタリだ。
【だからN-ONE】趣味性が高く「愛車」と呼びたい一台
《推しポイント》ターボを2グレード用意して6速MTも設定
ターボエンジン搭載車としてプレミアムツアラーとRSを用意し、RSには6速MTも設定される。MTは変速操作を行った時の手応えも良好で、運転の楽しさを満喫できる。
HONDA N-VAN_ホンダ エヌバン
《NA》133万7600~184万300円
《ターボ》182万6000~195万9100円
●発表年月(最新改良):'18年7月('21年2月)
2023年販売合計 2万8244台
N-BOXベースの商用ボンネットバン!
ピラーレスの大開口とフルフラットフロア!
N-VANは、先代N-BOXをベースに開発された軽商用車だ。一番の特徴は、後席に加えて助手席まで小さく格納できること。格納された状態では、運転席以外はすべて平らな荷室として使えて、助手席を格納した部分の荷室長は2635mmに達する。またN-VANでは、N-BOXとは異なり左側のピラーをドアに内蔵させた。電動開閉機能は装着されないが、左側のドアを前後ともに開いた時の開口幅は1580mmに達する。タントの左側にも同様の機能が備わるが、開口幅は1490mmだからN-VANの方がワイドだ。例えばカーペットのような細長い荷物を積む場合、助手席と後席を格納しておくと、ワイドに開く左側の開口部からも積み込みやすい。
ベースが軽乗用車のN-BOXだから、軽商用車では運転感覚が自然なこともメリットだ。動力性能に余裕のあるプラススタイルファンターボも用意され、実走行に影響を与える最大トルクがNAエンジンの1.6倍に増える。N-VANはピラーを内蔵したスライドドアなどを備えるため、車両重量は900kgを超えて4WDは1トンに達するが、ターボならパワー不足を感じにくい。衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能も充実しており、N-BOXに近い感覚で荷室の広い軽商用車を活用できる。
【だからN-VAN】とにかく積める! 積みやすい!
《推しポイント》ハイルーフで室内空間もタップリ
N-BOXの全高は2WDの場合で1790mmだが、N-VANは155mm高い1945mmに達する。荷室高も1365mmと高く、ビジネス以外でも車中泊などに使いやすい。荷室の突起も小さく抑えた。
「N」のライバル "Pick-Up!"
キャラ立ちが明確な4タイプが揃う「N」シリーズ。軽自動車は「N」だけで事足れり、の感もあるが、もちろん他メーカーも指をくわえて見ているわけではない。
いずれもサイズは同等ながら、それぞれが個性を打ち出している
軽自動車は国内販売台数の40%近くを占める人気のカテゴリーで、N-VANのような軽商用車から悪路向けSUVのジムニーまで、さまざまな性格の車種が豊富に用意される。従ってNシリーズの全車にライバル車も存在する。
軽自動車では、全長と全幅が実質的に共通だ。従って主に全高で車種の性格が分かれる。例えばN-BOXのライバル車は、全高が同様に1700mmを超えるスペーシア、タント、ルークス、デリカミニなどだ。これらは全高を含めてボディサイズがほぼ同じだから、似通ったクルマに思えるが、それぞれ個性が異なる。販売店の試乗車を乗り比べて判断したい。N-WGNにも全高が同程度の車種として、デイズ、eK、ワゴンRなどがある。N-ONEは個性的だからライバル車も少ないが、趣味性にこだわるスペシャルティ感覚の車種としてアルトラパンを挙げられる。N-VANでは、軽商用車のエブリイ、アトレー、スペーシアベースなどがライバル車だ。
N-BOX vs ライバル
N-BOXのライバル車は、全高が1700mmを超えるボディに、乗降性の優れたスライドドアを装着するスーパーハイトワゴンだ。車内が広く、後席を格納すると自転車を積める広い荷室になる。スペーシア、タント、ルークス、デリカミニなどの人気車がそろう。
N-BOX
NISSAN ルークス ●価格:163万7900~239万9100円
SUZUKI スペーシア ●価格:153万100~219万3400円
MITSUBISHI デリカ ミニ ●価格:180万4000~223万8500円
DAIHATSU タント ●価格:138万6000~199万1000円
N-WGN vs ライバル
N-WGNでは、全高を1600~1700mmに設定した車種がライバル車になる。全高が100mmほど低くスライドドアも装着しない代わりに、同等のエンジンや装備を採用したスーパーハイトワゴンよりも価格が15~20万円安い。デイズやeKワゴンなどが該当する。
N-WGN
NISSAN デイズ ●価格:143万7700~215万7100円
MITSUBISHI eK ●価格:138万9000~308万1100円
N-ONE vs ライバル
N-ONEのライバル車は、全高が立体駐車場を使いやすい1550mm以下に収まる個性的な軽自動車だ。今はスーパーハイトワゴンが増えた代わりに背の低い個性的な車種は減り、実質的にアルトラパンのみになる。ただし雰囲気が異なり、N-ONEは比べて選ぶ相手がいない。
N-ONE
SUZUKI アルト ラパン ●価格:132万8800~172万3700円
N-VAN vs ライバル
N-VANでは、軽商用バンがライバル車だ。エンジンを前席の下に搭載して後輪を駆動する荷室長の長いタイプでは、乗用車とはプラットフォームの異なるエブリイやアトレーなどが選べるが、N-VANのライバルは乗用車ベースのFF車たちだ。
N-VAN
SUZUKI エブリイ ●価格:119万7900~181万9400円
DAIHATSU アトレー ●価格:156万2000~206万8000円
SUZUKI スペーシア ベース ●価格:147万1800~174万4600円
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関係ない内容の投稿と、ユーザーだけとは思えないうーん。の数に、民度の低さが伺える
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