ホンダ・インテグラ・タイプR(1997~2000年)
強力な心臓を持ったホンダのヒーロー。トルクフルなターボと電動ステアリングが普及した今日では、90年代ならではのスリリングなドライビングを楽しむことができる。
【画像】輝かしい1990年代の名車たち【インテグラ・タイプR、アルファ166、NBロードスター、アウディTTなどを写真で見る】 全120枚
すべてアナログで、レーシングカーのように華麗に舞う高回転型VTECエンジンと、史上最高とは言わないまでも素晴らしいFFシャシーを備えている。価格は上がっているが、今のうちに楽しんでおきたいクルマである。
サーブ9-5エアロ(1997~2010年)
9-5は、サーブのフラッグシップモデル。標準グレードもいいが、上級グレードのエアロを選ぶ理由は、高い性能と座り心地のいいシート、ふわふわのサスペンションにある。いつまでも安くはないだろう。中古車ではブースト漏れと電気系統の不具合に注意。
初代スバル・フォレスター(1997~2002年)
初代フォレスターは、格好良くて実直、かつ頑丈なワークホースである。自然吸気の2.0L水平対向エンジンは信頼性が高く、ターボモデルは現代のインプレッサと同等の速さを持つ。また、ハンドリングも驚くほど良く、AWDによりどこへでも行ける。ただし、台数は少なくなってきているので、お早めに。
ベントレー・アルナージ(1998~2009年)
ロールス・ロイスと同じ屋根の下にいたベントレーの大型セダン。当初は355psのBMW製4.4Lツインターボ、1999年からは456psのオリジナル6.75Lエンジンが搭載された。選ぶなら後者が望ましいとされているが、前者の方が機敏でメンテナンスも容易。しかし、いずれにしてもメンテナンスと保険料には注意が必要だ。
フィアット・ムルティプラ(1998~2004年)
ムルティプラは見慣れない形をしているが、決して悪いものではない。残念ながら「世界で最も醜いクルマ」ランキングの常連でもあるが、そうした風潮を気にする必要はない。
このような実用的で風変わりなクルマ(フロントシートには3人が座れ、真ん中の席は18Lの冷蔵庫とすることもできる)は、評価に値する。ハンドリングも驚くほど満足のいく出来栄えで、路上追従性も抜群にいい。
初代フォード・フォーカス(1998~2004年)
これこそ、フォードの走りを再発明したクルマだ。後輪駆動の6代目エスコート以来、ファミリー向けのフォードとしてはおそらく最も運転が楽しいと思える1台である。
フォーカスは欧州フォードのラインナップを完全に若返らせた。フィエスタ、モンデオなどはクラストップの走りを備えているが、その前例を作ったのはフォーカスである。フォードのエンジニアを駆り立て、ひいては購入者の心を惹いた偉大なハッチバックなのだ。
購入者の多くは、なぜフォードがいいと思えるのかわからないかもしれないが、気に入っていることは間違いない。
ランドローバー・ディスカバリー2(1998~2004年)
欧州では、ディスカバリー2は先代モデルに比べるとあまり好まれないようだが、その分価格も安くなっている。特に2.5L 5気筒ディーゼルTD5の場合は、牽引車としても十分な性能を持っているのでお買い得と言える。
7人乗りが一般的だが、後部座席は非常に窮屈だ。V8はどうしようもなく燃費が悪く、電動アンチロールやエアスプリングなど複雑すぎる仕様もあるが、シンプルなモデルは錆びていない限り魅力的である。
マツダ・ロードスター NB(1998~2005年)
第2世代のロードスターは、AUTOCARがトヨタMR2、BMW Z3、フィアット・バルケッタ、MG Fと比較テストしたところ、らくらくと勝利を収めている。
初代よりもわずかに大きいが、曲線的なデザインは引き継がれており、割とパワフルで運転しやすい。ロータス・エリーゼほど研ぎ澄まされてはいないが、はるかに実用的である。
三菱ランサーエボリューションV(1998~1999年)
日本が誇る高性能セダン、三菱ランサーエボリューションのシリーズ5番目のモデル。IVより本格的に進化を遂げ、過激なオーバーフェンダー、バケットシート、ワイドトレッド、ブレンボ製ブレーキ、エンジンのアップグレード(最大トルク38kg-m)などが施された。1年でVIにバトンタッチしているので、生産台数は決して多くない。
日産プリメーラGT(1998~1999年)
この時代のあまり知られていないドライバーズカーの1つ、プリメーラGT。2.0Lガソリンエンジンからは150psしか出せなかったが、0-100km/h加速で8.0秒を叩き出すことができる。希少な存在となっているが、控えめなスポーツスタイルと流麗なハンドリングがお好みなら、探す価値はある。
フォルクスワーゲン・ゴルフ4(1998~2004年)
ゴージャスなインテリア、シルキーなV5およびV6エンジン、そして最高にタイトなパネルギャップ。ゴルフ4はそのすべてを備えている。フォード・フォーカスのような楽しいハンドリングとシャープなスタイリングは別として。
しかし、アウディA3には手が届かないけれど、プレミアムなハッチバックが欲しいという人たちの間で、この世代は絶大な人気を誇っていた。
初代アウディTT(1998~2006年)
20年以上前に発売されたにもかかわらず、当時と同じように今もなお魅力的なビジュアルを保っている。初期のモデルには、フォルクスワーゲン・グループ全体で採用されている1.8L 4気筒ターボが搭載され、四輪を駆動する。
また、2003年には3.2L V6が導入された。2005年には800台限定の軽量モデル、TTスポーツも登場し、1.8Lエンジンの出力は240psに引き上げられた。もちろん、格納式キャンバスルーフを装備することも可能。編集部のおすすめは初期の1.8Lクーペ(最高出力224ps)。
アルファ・ロメオ166(1998~2005年)
大きくて安いアルファが欲しいなら、フラッグシップの166を探すべきだろう。欧州向けの2.0直4ツインスパークエンジンの方が安いようだが、日本に正規輸入された3.0L V6の方が個性が強い。
ルノー・クリオ172(1999~2004年)
ルノースポールによるクリオのチューニングは見事なものだ。可変バルブタイミング機構を備えた172psの2.0Lエンジンを搭載。極端に遊び心がありながら、従来のホットハッチとは異なり、シャシー設定は穏やかで実用的なところが印象的である。
2002年から販売された172の「カップ」仕様では、車両重量が1021kgに抑えられ、サスペンションは剛性を高めてローダウン、前後バンパーにデザインの微調整が施された。エアコンとアンチロックブレーキは、軽量化とサーキット走行のために省略されている。
7代目トヨタ・セリカ(1999~2006年)
最終世代のセリカのシャープなスタイリングは、今でも新鮮に映る。MR-Sと同じ高回転型の1.8Lエンジンが搭載されており、もちろんシャシーも俊敏な動きを念頭に置いている。
ヴォグゾール・アストラ・クーペ・ターボ(1999~2005年)
7代目ヴォグゾール・アストラの2ドア仕様。これまではあまり見栄えのするものではなかったが、ベルトーネによるスタイリングが功を奏した。
ボディ剛性は標準車より20%高く、ハンドリングはなかなかに良好で、ターボモデルの場合は猛烈に速かった。現在ではなかなか手に入らないが、過小評価されがちな逸品である。
BMW X5(1999~2006年)
高級SUVの代表格とも言えるBMW X5は、5シリーズのような高級感を持ちながら、まるでセダンのように走ることができた。当時のライバルには真似のできない魔法のようなクルマである。
ローバー75(1999~2005年)
ローバー75は、ブリタニアが世界を支配し、男性がピンストライプのスーツとボーラーハットを着用していた「黄金時代」を思い起こさせるような英国車だが、実際には世紀の変わり目に誕生している比較的新しいモデルだ。往年のローバーを彷彿とさせるエクステリアと、ウッドとレザーの香りが漂う上質で落ち着いたインテリアが心を惹く。
BMWの傘下に入ってから初めて生産された75は、驚くほどよくできていて、下回りはかなり洗練されている。ボディシェルの剛性は高く、巧みなサスペンションは前輪駆動車には十分すぎるほどのロードマナーを与えている。
装備も充実しており、BMWの2.0LディーゼルやローバーのクリーミーなV6ガソリンなど、エンジンの選択肢も豊富だった。よく手入れされた良い個体が見つかれば、骨董品のような高級車を比較的安く手に入れることができるだろう。
ヴォグゾール・ベクトラGSI(1999~2002年)
「ベクトラ」というクルマは通常、「クール」という言葉では語られないが、1999年に登場したベクトラGSIだけは違った。モータースポーツに由来するルックスと強力な2.5L V6が、このヴォグゾールに印象的なパフォーマンスをもたらしたのだ。欧州でも数千台しか製造されていない。
アウディA2(1999~2005年)
今のアウディが作るとは想像もつかないクルマ。先進的で、革新的で、賢いA2は、いつかカルト的な人気を博すことだろう。しかし、現在では、ポロと同じサイズのボディにゴルフの室内空間を詰め込んだクルマ、という程度の認識でしかないようだ。低燃費のTDIディーゼルに注目が集まりがちだが。シンプルなガソリンモデルで楽しむのもアリ。
メルセデス・ベンツSクラス W220型(1999~2005年)
この時代のメルセデスはすべてそうだが、錆に悩まされている。とはいえ、中古車情報サイトを覗いてみると、これだけ豪華なフラッグシップモデルでありながら、その価格には驚いてしまう。
車両の状態にさえ気を遣えば、スリーポインテッドスターにふさわしい快適性とハンドリングを味わうことができる。いかにも「ベンツ」らしい洗練されたスタイリングも魅力的だ。
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