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まだあるの!? コーナーポールがハイテク時代に生き残るワケ

掲載 更新 20
まだあるの!? コーナーポールがハイテク時代に生き残るワケ

 1990年代から2010年頃まで、多くのクルマの助手席側フェンダーの角に装着されていたコーナーポール。メーカーによって車幅ポール、フェンダーポール、フェンダーランプなど、様々な呼ばれ方をされている。

 近年、装着しているクルマは少なく、販売店装着オプションからも徐々に姿を消している。存在が薄くなってきたコーナーポールだが、実際にどのような人が、何のために装着していたオプションだったのか。自動車ディーラーで、新車販売に従事していた筆者が、コーナーポールの今を探っていく。

いまだに多い「下り坂でニュートラル」は燃費にいいのか?危ないのか??

文/佐々木 亘
写真/TOYOTA、ホンダアクセス、AdobeStock

【画像ギャラリー】つけてると恥ずかしい? でも安心感はサイコー! 消えゆくコーナーポールの今を探る

■機能的でダサくなかった? コーナーポールの今と昔

コーナーポールがあると助手席側のフロントフェンダーの距離感がつかみやすく、車幅感覚が把握しやすく安心感がある(Monet@AdobeStock)

 最近の流麗で塊感のあるデザインに、コーナーポールは異物感を感じる。しかし、少し前の角張ったクルマの外観では、コーナーポールがアクセントになり、クルマがカッコよく見えることもあった。

 コーナーポールと一口に言っても、ただバンパーの角にある棒というわけではない。手動で伸縮可能なモノや、イグニッションONと同時に飛び出してきて、エンジンを切るとバンパー内に格納される機能性の高いものもある。

 メルセデスベンツでは、スリーポインテッドスターが象られたコーナーポールが用意され、実用性とドレスアップを兼ねていたのが印象的だ。

 コーナーポール装着の目的は、運転席から目視しにくい、助手席側のボディ角がどこにあるのかを知るためであり、クルマの車幅感覚を養うのに重宝する。

 筆者も初心者マークの頃は、コーナーポールを愛用していた一人だ。現在の愛車にコーナーポールはつけていないが、コーナーポールの付いたクルマを運転すると、妙な安心感を得られるのは、私だけではないだろう。

■純正オプションは激減! 実際に選べる車種はどの程度か?

純正オプションとしてコーナーポールが設定されているクルマは少なくなった。今後も減少が続いていくと予想される(画像提供:ホンダアクセス)

 コーナーポールが純正オプション設定されているクルマは明らかに少なくなった。2016年頃から急激に減少し、ここ5年間は、非設定車が目立つ。

 実際にオプションとして、どの程度コーナーポールが設定されているのだろうか。トヨタの現行車種で、普通乗用車36台をチェックしてみた。(トヨタオプション名はフェンダーランプ)

 ディーラーオプション設定があったのは、カローラスポーツ・パッソ・ルーミー・ヴォクシー・エスクァイア・ノア・シエンタ・カムリ・カローラ・カローラアクシオ・クラウン・センチュリー・プリウス・プリウスPHV・カローラツーリング・カローラフィールダー・ヤリスクロス・ライズである。

 18車種で設定があり、その割合は丁度半分となった。

 セダンでは設定が多いが、コンパクト、ミニバンでは如実に減っている。特にヤリスやアクアに設定がないのには驚いた。SUVでは、ヤリスクロスとライズ以外に設定はない。

 トヨタ以外のメーカーでも同様の傾向があり、今後オプションの淘汰は、さらに進んでいくだろう。

■センサーやソナーではダメ? 今後も必要なコーナーポールの存在

コーナーポールに替わって発達したセンサーやモニターが普及しているが、センサーは有効範囲が広めに設定されており、狭い道ですれ違う時などで寄せ切る前に警告音が鳴ることも多い

 最近では、コーナーセンサーやソナーが、標準装備されていることも珍しくない。また、センサーだけでなく、カメラを装着して、障害物との距離をナビ画面で見ることができるようになり、幅寄せや駐車をモニターのみで行うドライバーも多くなっている。

 しかし、まだコーナーポールが活躍する場所は残っていると、筆者は考える。

 コーナーセンサーやソナーの介入は非常に早い。ピーピーという警告音に、わずらわしさを感じることもあるだろう。狭い道で譲り合わなければならないときに、コーナーセンサーやモニターだけを頼りにしては、クルマを端に寄せきれないことも多い。

 センサーやカメラは、低速走行時には頼りになるが、巡行時はどうだろう。

 最近、バイパスなどの大通りを通るクルマを見ていると、車線の中央をしっかり走れているクルマが少なく感じる。左側のタイヤで白線を踏むくらいまで寄っているクルマや、右を並走するクルマとギリギリのところまで右に寄っているクルマが増えてきた。

 一つの原因として、センサーやカメラの普及による、車幅感覚の欠如が挙げられると思う。自分のクルマがどの程度の大きさで、車線の真ん中にクルマを収めるには、どこを走ったらいいのか、わかっていないのだ。

 駐車や狭い小道の走行は、機械がアシストしてくれるが、中高速になった時に、車幅感覚を持たずに走ることは、自分だけでなく、周囲を走っているクルマを危険にさらすことにもつながる。

 そんなドライバーのためにと、車線逸脱警報やレーンキープをアシストする装備も増えてきたが、車幅感覚は持っていて損はないドライビングスキルだ。

 純正オプションとしては減っているが、カー用品店にはコーナーポールがたくさん置いてある。両面テープなどで手軽に取り付けできるものもあるので、車幅感覚に自信のない方は、一度装着して愛車を運転してみると良いだろう。感覚が養われれば取り外せばいい。

 電子デバイスが増え、コーナーポールが絶滅する日が来るかもしれないが、筆者としては、まだまだ残しておいて欲しいオプションの一つだ。人間の感覚が運転に必要な限り、残しておくべき装備だと思う。

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みんなのコメント

20件
  • センサーが付いてるのに傷ついたり凹んだバンパーの車、わりとよく見るよね。
  • コーナーポールでぶつけたり、
    自分のセンターポールが使いモノにならなくなったら、
    免許返納のサインやで。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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