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いよいよ電気自動車の重要性が高まってきた。2019年3月のEU議会で、乗用車のCO2 排出量を2030年までに2021年目標の37.5%を削減することが決定された。この排ガス規制案は、フランスのストラスブールで行なわれたEU議会の会議で、賛成521の圧倒的賛成多数で可決されている。この2030年に向けての乗用車のCO2排出量規制は以前からEU加盟国間で議論されおり、このとき、小型商用車から排出されるCO2も2030年までに21年目標値比較でで31%削減することも決定している。
2030年の燃費、CO2排出量の目標値
最終的なCO2排出量の削減目標値は、当初40%を求めていたEU議会と、35%を求めるドイツなどとの駆け引きでようやくまとまった折衷案となっている。環境保護活動家らは今回の目標値について、CO2によって引き起こされる地球温暖化を遅らせるには不十分と主張している。
とはいえ、自動車メーカーは販売台数に応じた企業平均燃費(CAFE)の目標値に拘束され、もはやハイブリッドなどの電動化でだけではこの規制は乗り切れず、電気自動車の本格投入の必要性が高まった。
また、日本でも国交省が2019年6月に、2030年に向けての新燃費基準がまとめられ公表されている。日本の2030年燃費基準は2016年度実績と比べ32.4%の燃費改善が求められることになる。日本においても販売台数に応じた企業平均燃費として自動車メーカーごとに設定されるが、単純平均燃費で25.4km/Lをクリアする必要があるのだ。
ホンダのEV展開
先ごろ、トヨタは電気自動車戦略を発表し、早急に電気自動車の開発、市販化を急ぐことを明らかにしたが、ホンダはいち早く電動化戦略、電気自動車の投入を行なっている。ホンダは本格的な電気自動車として、まずクラリティEVを2017年半ばからアメリカ市場で販売。
クラリティはEV、FCV、PHEVの3モデルを共通のプラットフォームで展開し、アメリカの主要州で適用されるZEV規制に対応できる3モデルをラインアップした。ZEV規制では自動車メーカごとの乗用車の販売台数に応じて、一定比率の排気ガスゼロ(ZEV)車の販売が義務付けられ、アメリカ市場を重視するホンダは、いち早くZEV規制の対応に動いたのだ。
しかし、ヨーロッパ、日本の企業平均燃費による燃費/CO2基準は、アメリカのZEVとは違って量産モデルの多くを電動化し、特にPHEVや電気自動車を投入しないと企業平均燃費を改善することは難しい。そのため、各自動車メーカーはどのような電動車の車種展開を行なうのか、アメリカのZEV規制、中国のNEV規制、そしてヨーロッパや日本の燃費/CO2排出量の企業平均燃費をクリアするという、市場対応を含めた戦略を改めて構築することが求められている。
ホンダはその点でもスタートが早く、ヨーロッパ市場に都市型の電気自動車「アーバン EV コンセプト」を2017年のフランクフルト・モーターショーで発表し、同年の東京モーターショーでは、その派生モデルである「EV スポーツ コンセプト」も展示した。
また2018年11月には中国向けEV「理念 EV」を広州モーターショーで発表。理念 EVは本田技研・中国と広汽ホンダとの共同開発により、中国専用に投入する初の量産EVだ。理念 VE-1は、ヴェゼルのプラットフォームをベースにバッテリー、モーターなどを搭載。クラストップレベルの室内空間を実現しているという。
大容量バッテリーを床下に配置することによる低重心化や、サスペンションの専用チューニングなどにより、スポーティな走りも目指している。リチウムイオン・バッテリーの容量は53.6kWhで、航続距離は340km(NEDCモード)だ。また、モーターは最大出力120kW(163ps)、最大トルク280Nmを発生する。パワーやトルクの緻密な制御による3つの走行モードを備え、「SPORT EV」としての走りも実現しているという。
この理念 EVの兄弟車となる「X-NVコンセプト」も2019年4月の上海モーターショーで発表された。こちらは東風ホンダと本田技研・中国との共同開発車となる。理念 EV、X-NVともに2019年後半に発売予定だ。
ヨーロッパ、日本向けの「ホンダ e」
2017年時点の「アーバン EV コンセプト」はコンセプトカーであったが、ホンダは2019年3月のジュネーブショーで「アーバン EV コンセプト」の市販版の「ホンダ e プロトタイプ」のワールドプレミアを行なった。この時点では量産仕様が決定されていると考えてよい。
エクステリアは、往年のN360などのDNAを感じさせ、親しみやすさ、シンプル、クリーンなデザイン表現を採用。ポップアップ式のドアハンドルや従来のサイドミラー代わりに「サイドカメラミラーシステム」など先進機能を取り入れることで、シームレスなボディデザインを強調している。もちろんサイドカメラミラーシステムは空気抵抗の低減、後方視界の拡大などにも貢献する。
インテリアは上質な素材を使用し、ラウンジのように明るい、シンプルな心地良い空間としてデザイン。また、スマートフォンのように直感的でマルチタスクの操作ができる大型ディスプレーを採用し、コネクテッドサービスをはじめとする、さまざまなインフォテイメント機能も搭載しているという。
新開発のEV専用プラットフォームは、コンパクトなボディながらロングホイールベースと短いオーバーハングを実現し、街中での取り回しの良さと高い走行性能を両立。駆動用モーターはリヤアクスルに置いたRR駆動方式で、前後の荷重配分は50:50となっている。
もちろんリチウムイオン・バッテリーはフロアに配置し低重心化も実現。低重心、50:50の前後荷重配分、そして後輪駆動によりドライビング・プレジャーも実現しているという。
搭載されるリチウムイオン・バッテリーの容量は35.5kWhで冷却は水冷方式を採用。EV走行距離はWLTCモードで200km以上を達成していると公表されている。また急速充電では30分で80%まで充電ができるという。バッテリー容量を抑え、都市型のEVと位置づけているということは、コンパクトEVとして日産リーフを下回る価格になると想定される。
この「ホンダ e」は、2019年7月に開催されるイギリスの「グッドウッド・フェスティバル オブ スピード」で走る姿が公開される。また6月時点では、ヨーロッパで受注予約も開始されている。またホンダは、このニューモデルの投入に合わせ、家庭用の高出力充電器、V2H(電気自動車と家庭電源との接続)なども展開する方針だ。
「ホンダ e」は、ヨーロッパ市場向けの電動化戦略の先頭を走るニューモデルだが、もうひとつの役割として、ホンダのヨーロッパにおける事業の建て直し、ブランド価値の再構築のための重要なモデルでもある。
なお「ホンダ e」は、2019年後半に埼玉の寄居工場で生産が開始され、2020年春にヨーロッパでのデリバリーが開始されると発表している。この「ホンダ e」は日本市場での販売も想定されており、日本での正式発表は2020年の早い段階で行なわれると予想される。
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みんなのコメント
景気後退、正社員減少。 日本の非正規社員がまた増える。
温暖化? まだ地学者の間で議論中で結論は出ていない。
いつまで温暖化サギに躍らせれるのだろう。
この決定は本当に地球温暖化対策に則った物なのか怪しい物がある
EVについての推進についてはまだ疑う物があり結果中国の様な採算渡る政策の失敗に成らなければ良いが…