現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【EV投資2025年まで延期】億万長者ストロール アストン マーティンの株式取得 長期計画、大幅変更

ここから本文です

【EV投資2025年まで延期】億万長者ストロール アストン マーティンの株式取得 長期計画、大幅変更

掲載 更新
【EV投資2025年まで延期】億万長者ストロール アストン マーティンの株式取得 長期計画、大幅変更

アストン マーティンへの投資

text:James Attwood(ジェームズ・アトウッド)

【画像】アストンマーティン・ヴァルキリー、DBX【もっと見る】 全37枚

億万長者のローレンス・ストロールが率いるコンソーシアムは、アストン マーティンの16.7%の株式を1億8200万ポンド(260億円)で買収した。

ロンドン証券取引所への提出によって、今朝確認されたこの取引には、3億1800万ポンド(455億円)の現金入金も含まれていて、あわせて5億ポンド(715億円)のブーストを同社に与えたこととなる。

ストロールが所有するレーシングポイントF1チームは、2021年以降、アストン マーティンF1ワークスチームとして新しい取引条件の下、リブランドされる。

アストンは、ハイパーカーのヴァルキリーを今年発売し、ミドエンジン・モデル戦略を継続することを約束している。

また、プレミアム・ブランドであるラゴンダの再発売を含む、EVの発売を2025年まで遅らせることを明らかにしている。

投資の一環として、ストロールは会長としてアストン マーティンの取締役会に参加し、コンソーシアムのメンバーとして、2人目の取締役を任命する権利も獲得する。

ストロール投資後の変更点

主な変更点は、以下の通り。

ローレンス・ストロールが、投資コンソーシアムをリード

ローレンス・ストロールが、アストン マーティンの会長に就任する

CEOのアンディ・パーマーは、留任

ジョブとコストの削減

アストン事業計画の改訂

ヴァルキリーを年内に発売後、ミッドエンジン・ヴァルハラも続けて発売

ミッドエンジン戦略を継続、2022年に発表する

ラゴンダは少なくとも2025年まで発売延期

電動ラピードEプロジェクトの中断

ストロールのレーシングポイントF1チームが、アストン マーティンとしてリブランド

アストン マーティンの新しい株式構成

ロータスの所有者であり、スマートの一部所有者でダイムラーの重要株主である、中国のジーリーホールディングも、今回の取引を希望していたが、ストロールが勝ち取っている。

16.7%の株式を確保するため、JCB会長のアンソニー・バンフォード、元パワー・コーポレーションCEOアンドレ・デスマレー、香港のファッション投資家サイラス・チューら著名人が名を連ねるコンソーシアムが、アストン マーティン・ラゴンダの4560万株の普通株を1株あたり4ポンドの価格で購入した。

5億ポンド(715億円)の投資には、キャッシュフローを改善するための5550万ポンド(79億円)の短期資金が含まれており、完全な株式分配が完了した時点で、返金される予定となっている。

同社は、今回の投資は「キャッシュフローを改善し、DBXの生産増加と業績の回復に資金を供給する」ために使われると述べている。

アストン マーティンは、「キャッシュフローを即座に改善し、借入金を削減するためにバランスシートを強化する」と述べている。

アストン マーティンの価値は、2018年には評価額45億ポンド(6437億円)と言われていたが、現在の株式発行によると約10億ポンド(1573億円)となる。

同社の株式の大部分は、クウェートに本拠を置くAdeem Primewagonグループが保有している。

イタリアのPEグループ、インベストインダストリアル傘下のストラテジック・ヨーロピアン・インベストメントグループが約3分の1を保有してい。

2つのグループは以前、合計61%のアストンマーティンの株式を所有していたが、ストロールのコンソーシアムの株式取得によって50.5%に減少する。

メルセデス・ベンツの親会社であるダイムラーも同社の4%の株式を所有している。

将来の製品計画とF1にもたらす変化

アストン マーティンからの情報によると、アストン マーティンとレッドブル・アドバンスド・テクノロジーズの、技術的パートナーシップは、「アストン マーティン・ヴァルキリーが発売されるまで続く」とのことだった。

投資家の変更後も、ミッドエンジン・ヴァルハラ・プロジェクトへのレッドブルの関与が続くかどうかはまだ不明だ。

アストン マーティンは、現在レッドブルF1チームのスポンサーを務めており、2020年も引き続きスポンサーを務める。

しかし今回、2021年からレーシングポイントを公式アストンチームとする10年契約が結ばれる。また5年間のスポンサーシップ契約もそれに含まれる。

ストロールは、今シーズンの終わりにメルセデス・ワークスチームの購入を検討しているとの情報も入ってきている。

メルセデスは、来シーズン以降のF1部門の将来を検討していると言われており、今回の取引が、ストロールの今後の動向に影響を及ぼすとは限らないと考えられている。

リセット・ビジネス・プラン

アストン マーティンは、キャッシュジェネレーションと製品計画変更の両方のパフォーマンスを向上させるための「リセット・ビジネス・プラン」にも同意している。

リセット・ビジネス・プランには、2022年に予定されていたラゴンダ・ブランドの発売延期など、EVへの投資を2025年まで延期することが含まれている。

ラピードE電動プロジェクトは、「レビュー待ちのため一時停止」とされている。

2022年のヴァルハラを含む、現在開発中のさまざまなミッドエンジンモデルを提供するというコミットメントが残っている。

当面の優先事項は、今年後半にDBXを立ち上げることであり、同社はこれまでに1800件の注文を受けていると述べている。

春には、ロードスターバージョンを含む、ヴァンテージをアップデートし、今年後半にはヴァルキリーの発売を開始する。

同社はまた、年間1000万ポンド(14億円)のコスト削減を目指す。

2022年のヴァルハラの発売後、ミッドエンジンのヴァンキッシュを発表する。

2020年代半ばから導入予定の「ハイブリッド機能を備えた燃料効率の良いモジュラーV6エンジン」も平行して開発する。

同社はまた、特別モデルが計画の重要な部分であり続けると述べ、毎年1つの「ヘリテージスペシャル」と、2つの「コンテンポラリースペシャル」を提供するとしている。

ローレンス・ストロールについて

F1ドライバー・ランスの父であるストロールは、ピエール・カルダン、ラルフ・ローレン、トミー・ヒルフィガー、マイケル・コース、アスプレイ、ガラードなどに投資し、ブランドを構築している。

資産は20億ポンド(2862億円)を超えると推定されている。

カナダのモントリオールで育ち、60歳の現在は主にスイスで暮らしている。

330 P4やデイトナ・スパイダーなど、世界的に貴重なクラシック・フェラーリのコレクターとしても有名だ。

カナダのモントランブラン・サーキットも所有している。

こんな記事も読まれています

MotoGP、来シーズンからロゴを刷新へ。11月に新バージョンをお披露目予定
MotoGP、来シーズンからロゴを刷新へ。11月に新バージョンをお披露目予定
motorsport.com 日本版
RAYS FAN MEETING2024は圧巻の800台エントリー! 新製品も続々と注目のホイールデザインを初展示
RAYS FAN MEETING2024は圧巻の800台エントリー! 新製品も続々と注目のホイールデザインを初展示
レスポンス
ランドローバー、レンジローバー2025モデルの概要を発表
ランドローバー、レンジローバー2025モデルの概要を発表
月刊自家用車WEB
F1コミッション、ポイントシステム変更についての決定を延期。今季スペインGPでの新リヤカメラ導入では合意
F1コミッション、ポイントシステム変更についての決定を延期。今季スペインGPでの新リヤカメラ導入では合意
AUTOSPORT web
ラリー仕様の初代アルピーヌA110を手懐けてみた 求められるは「勇敢さ」 歴史アーカイブ
ラリー仕様の初代アルピーヌA110を手懐けてみた 求められるは「勇敢さ」 歴史アーカイブ
AUTOCAR JAPAN
【MotoGP】ヤマハ、カル・クラッチローによる3回のワイルドカード参戦を発表。イタリア、イギリス、サンマリノを予定
【MotoGP】ヤマハ、カル・クラッチローによる3回のワイルドカード参戦を発表。イタリア、イギリス、サンマリノを予定
motorsport.com 日本版
ホンダ「新型ミニバン」! 斬新「対面シート」&窓なしテールの「次期型オデッセイ」!? “超開放空間”実現の「スペースハブ」実現性は?
ホンダ「新型ミニバン」! 斬新「対面シート」&窓なしテールの「次期型オデッセイ」!? “超開放空間”実現の「スペースハブ」実現性は?
くるまのニュース
ランボルギーニのSUV『ウルス』に800馬力のPHEV登場…北京モーターショー2024
ランボルギーニのSUV『ウルス』に800馬力のPHEV登場…北京モーターショー2024
レスポンス
タフでおしゃれなアウトドア派クロスオーバー スマート「#5」初公開 年内市販化予定
タフでおしゃれなアウトドア派クロスオーバー スマート「#5」初公開 年内市販化予定
AUTOCAR JAPAN
もしや新型CX-5か!?  パキパキボディがイイね!!  しかもディーゼル廃止で全車電動化か!?【北京ショー】
もしや新型CX-5か!?  パキパキボディがイイね!!  しかもディーゼル廃止で全車電動化か!?【北京ショー】
ベストカーWeb
日産R35「GT-R」にコスパに優れた本格派ブレーキローターが誕生! 12ミリと14ミリのハブボルトに対応したスグレモノでした
日産R35「GT-R」にコスパに優れた本格派ブレーキローターが誕生! 12ミリと14ミリのハブボルトに対応したスグレモノでした
Auto Messe Web
トヨタ、テンセントと提携 AI技術生かしたサービス提供
トヨタ、テンセントと提携 AI技術生かしたサービス提供
日刊自動車新聞
ホンダ『イエ GTコンセプト』が初公開、4ドアクーぺEVで中国トレンドに真っ向勝負…北京モーターショー2024
ホンダ『イエ GTコンセプト』が初公開、4ドアクーぺEVで中国トレンドに真っ向勝負…北京モーターショー2024
レスポンス
バイクニュース今週のダイジェスト(4/22~26)
バイクニュース今週のダイジェスト(4/22~26)
バイクブロス
予想が外れるマクラーレン、ピアストリも“浮き沈みのワケ”解明が急務と指摘。タイヤへの負荷が影響か?
予想が外れるマクラーレン、ピアストリも“浮き沈みのワケ”解明が急務と指摘。タイヤへの負荷が影響か?
motorsport.com 日本版
一度は乗ってみたい! サイドカーは、通常のバイクにつけることができる?
一度は乗ってみたい! サイドカーは、通常のバイクにつけることができる?
バイクのニュース
なぜ免許とマイナカード「24年度末」に一体化? 紛失時はどうなる? 一体化でどんな影響ある?
なぜ免許とマイナカード「24年度末」に一体化? 紛失時はどうなる? 一体化でどんな影響ある?
くるまのニュース
ボルボ XC40、豪華仕様の限定車「プラス B3 セレクション」発売
ボルボ XC40、豪華仕様の限定車「プラス B3 セレクション」発売
レスポンス

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村