初開催のシカゴ市街地戦で世界に衝撃を与えるデビューウインを飾ったRSCレプコ・スーパーカー・チャンピオンシップ王者"SVG"ことシェーン-ヴァン・ギズバーゲンと、その所属先であるトラックハウス・レーシングが、来季2024年のNASCAR参戦プログラムを発表。12月13日付でカウリグ・レーシングとのアライアンスを締結し、まずはエクスフィニティ・シリーズのフル参戦に焦点を当てつつ、最高峰カップにはパートタイムでの6戦出場を計画している。
同チームの国際ゲスト招聘枠『プロジェクト91』でNASCARカップシリーズ初参戦を叶えた34歳のSVGは、オーストラリア大陸で“3冠”を獲得した実績も引っ提げ、改めて北米大陸挑戦の夢を実現させるべく、この月曜にもアメリカに到着した。
NASCARの新鋭、トラックハウス・レーシングがMotoGPに新規参戦。追放受けたRNFを引き継いで、2024年に始動
「シカゴのストリートで優勝した後、NASCARでフルタイムのレースをすることについて考えずにはいられなかった」と明かしたニュージーランド出身のSVG。
「これほど早くすべてがまとまったことに今でも驚いているんだ。僕を受け入れ、この夢を追い掛けることを許可してくれたNASCAR業界とファンのみんなに感謝しなければならない。僕はカップシリーズに出場するために努力したすべてのドライバーを尊敬しているし、僕も同じ努力をする準備ができている。これから始まることに少し緊張しているよ」
その2024年に向け新興チーム同士とも言えるカウリグとトラックハウスのパートナーシップにより、改めてNASCARエクスフィニティ・シリーズへのフル参戦を確約されたKiwi(キウィ/NZ出身者)は、豪州時代に所属した名門トリプルエイト・レースエンジニアリングと同じく97号車を選択したシボレー・カマロをドライブする。
そしてカップでの6戦に関しては、ロードコース、スーパースピードウェイ、インターミディエイトのトラック分類をチョイスし、まずは3月24日のサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)を皮切りに、タラデガ・スーパースピードウェイ(4月21日)、シャーロット・モーター・スピードウェイ(5月26日)、そして思い出のシカゴ・ストリートコース(7月7日)にも参戦し、ワトキンス・グレン(9月15日)とラスベガス・モーター・スピードウェイ(10月20日)への出場が予定されている。
■トラックハウス97号車のメインスポンサーにはウェザーテックが就任
「シェーンがロードコースイベントで信じられないほど競争力があることはわかっているが、我々は彼にNASCAR特有のオーバルで、できるだけ多くの経験を積んでもらいたかった。だからまずNASCARカップとエクスフィニティの両方を見据えつつ、後者のフル参戦を軸とした。彼の2024年スケジュールに本当に興奮しているよ」と語ったのは、このサクセスストーリーの“仕掛け人”でもあるトラックハウス・レーシング代表のジャスティン・マークス。
「カウリグ・レーシングにはエクスフィニティ・シリーズで勝利を重ねてきた歴史があり、同じシボレーのチームとして、マット・カウリグとクリス・ライスがシェーンの可能性を見い出してくれたことにとても感謝している。来季への期待は明らかだよ」
そのカウリグ・レーシングは2023年のエクスフィニティで4勝を挙げており、不動のエースであるA.J.アルメンディンガーとジョシュ・ウィリアムズがSVGの僚友を務める。また、両シリーズにまたがって97号車のメインスポンサーには“WeatherTech(ウェザーテック)”が就任することも明らかにされた。
「我々はかなり前に、パートタイムの数レースでエクスフィニティのマシンにSVGを乗せる可能性についてトラックハウスと話し合いを始めた。そこから話し合いはフルシーズンを走るのに『どれくらいの費用が掛かるのか』に発展したんだ」とカウリグ・レーシング代表のクリス・ライス。
「来季2024年のシートに空きがあることがわかってから、彼をクルマに乗せるのは完璧なシナリオとなった。我々もトラックハウスのピットクルー部門と提携しており、シボレーからの主要なサポートにより、チームを組むことは簡単な決断だったよ」
そのほかでも2024年のエクスフィニティ・シリーズではいくつかの動きがあり、カップシリーズで6年間在籍したスチュワート・ハース・レーシング(SHR)離脱を表明したアリック・アルミローラは、新たにトヨタ陣営のジョー・ギブス・レーシングに“復帰”加入してジョン・ハンター・ネメチェクと20号車GRスープラをシェアすることに。
その空いた席を埋めるかたちで、2023年シーズン中盤にはSNS上での不謹慎な言動によりレガシー・モータークラブから出場停止処分も課されたノア・グラグソンが、新たにSHRとの複数年契約を締結。カップシリーズで10号車フォード・マスタングのステアリングを握ることが決まっている。
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