インディカー・シリーズは、ハイブリッド技術を搭載した2.2リッターV型6気筒ツインターボエンジンを2024年3月10日の開幕戦セントピーターズバーグGPで初投入される予定だった。しかしシリーズ側は、公式レースデビューを2024年5月26日に予定されている第108回インディ500の後に延期すると発表した。
元々の計画では、2023年からインディカーは2.4リッターツインターボV6エンジンにハイブリッドシステムを組み合わせた新たなパワートレインを採用する予定だったものの、計画変更を受けて従来の2.2リッターツインターボV6エンジンがベースとなる形となった。
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投入延期と1年以上の実走テストを経て、ハイブリッドシステムは“多くの重要なマイルストーン”をクリアした。
この3ヵ月の間に、アンドレッティ・グローバル、アロー・マクラーレン、チップ・ガナッシ・レーシング、チーム・ペンスキーのドライバー13名が新ハイブリッドパワートレインをテスト。走行距離は2万4552kmを越えた。
開発は着々と進んでいるものの、インディカーは新ハイブリッドパワートレインの投入をシーズン後半まで延期することを決定した。
「シボレーとホンダのパートナーシップは驚異的だ」
インディカーのジェイ・フライ代表はそう語った。
「インディカー専用のハイブリッドパワーユニットは、ダイナミックかつエンジニアリングの驚異だ。我々は来季の導入を成功させるために全力を尽くす」
インディカーでエンジン供給を行なうシボレーとホンダは、このハイブリッドユニット開発のために協力。テストはインディアナポリス・モータースピードウェイのオーバルとロードコースだけでなく、セントルイス・バーバー・モータースポーツパーク、ロード・アメリカ、セブリング・インターナショナル・レースウェイでも行なわれている。
リリースによると、ハイブリッドパワートレインは、「さらなる馬力によってレースアクションを強化し、地球上で最も競争力のあるモータースポーツを提供するというシリーズの取り組みをさらに推し進める。そして新しいパワーユニットにはオーバーテイク(プッシュ・トゥ・パス)のオプションが追加され、インディカー・シリーズのドライバーにより多くの選択肢とコントロールを与え、コース上での競争と興奮を高めることになる」という。
搭載が予定されているハイブリッドシステムは、モーター・ジェネレーター・ユニット(MGU)とエネルギー・ストレージ・システム(ESS)で構成され、どちらもエンジンとギヤボックスの間のベルハウジング内に収まるサイズとなっている。
さらに「ウルトラキャパシタ(電気二重層コンデンサ)ESSに蓄電される前に、パワーユニットがエネルギーを生み出してMGUを通じて力を伝達するため、回生と展開のための方法が複数テストされた」という。
追加のパワーは従来のプッシュ・トゥ・パスとは異なるシステムで、MGUを通じて展開される。このハイブリッドパワートレインには、レース中の総使用時間制限はない。
ハイブリッドパワートレインの追加テストと開発は、2024年の初レースに向けて冬から春にかけて継続される。正式なデビュー日は、後日発表される予定だ。
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