「カッコいいではなく、すごいと言われたい」 二人三脚で歩んで来た痛車カスタム
4月21日(土)、東京・お台場で開催された「af imp.スーパーカーニバル2018」には、自慢の愛車をカスタマイズしたインポートカーが大集結。BMW、VW、アウディ、メルセデス・ベンツなど、個々にアレンジしたハイセンスな愛車を披露するなか、ひときわ異彩を放つユーザーカー「NEWビートル」を見つけた。 まわりが美しくロワードした足回りや流行のエアロパーツで魅せるが、ホイールは大口径でなく車高だってノーマル。そこには輸入車カスタムのトレンドは感じられないものだが、なぜか興味が湧いてしまった。
クルマ感度が高い『若者』は意外なところに集まっていた!【茂原de痛車!】
ジャンルで言えば”痛車”だろう。本来ならば、有名な日本アニメや漫画のキャラタクターでデコレートするのがセオリーだが、アメリカ漫画「ピーナッツ」に登場するスヌーピーが主人公だ。 オーナーの『やんすサン』は、同イベントが行なう”スタイルアップカーコンテスト(スタコン)”への参加は5回目。いわば、カッコいいクルマを決める”スタコンの常連”なのだが、その真意を聞いてみた。
「昔は車高短やマフラー交換など、カスタムを楽しんでいました。でも、歳を重ねてから少しずつ変化があり、方向性を変えてみようと思ったのです。それが痛車。以前はミッキーマウス仕様だったのですが、ステッカー類が劣化してきたので現仕様に。2年前のスタコン終了後にイメチェンしました。スタコンでの受賞よりも、ここに来るオーナーさんの奥さんや子供、来場者を楽しませることが目的なんです(笑)」。
スヌーピーが大好きで、幼少から英語版アニメを観ていた『やんすサン』。その影響もあって英語も堪能。外国人から話しかけられても対応できる会話力を身につけたという。 「スヌーピーへの恩返しというか、日本の痛車文化では数少ない外国のキャラクターだったこともポイントですね。ステッカー類はライセンス品を使用。本国のアメリカ・イギリス・カナダ・ドイツなどから輸入した正規品も使ってます」。
そんな車体に目を凝らしてみると、じつに芸が細かい。 例えば、バンパー先端のスヌーピーとテニスボール、ボンネットの野球ボールなど、単にベタベタと貼っているのではなく、キャラクターを生かしたストーリーが描かれる。目立つことよりも”見る人を楽しませる”のが『やんすサン』の理論というわけだ。
ちなみに、車体の左側(助手席側)には”キティーちゃん”の姿。痛車メイクには消極的でありながらも理解し続けてくれた、奥様への感謝の気持ちだ。 「二人で楽しめるカスタムを考えた時、彼女が大好きなキティーちゃんも取り入れてみようと。いまでは貼るステッカーや施工する場所など、意見を尊重するようにしています(笑)」。
当日も仲良くお二人で参加。それを象徴するかのように、ボンネット先端には「やんす」と、愛する奥様の呼称「おくがた」のステッカーが貼られる。そんなお二人にはお孫さんもいるのだ。 「人を喜ばせて笑ってもらう。そんなカスタマイズを目指してきました。最近では外国人からも声をかけられますが、歳の老いた日本人でもここまでできることを伝えることができればいいですね。今後も現役で頑張りますよ!」。
老若男女を問わずに多くの人が集まり、「おもしろい」や「カワイイ」の声を挙げながら次々に写真を撮っていく。『やんすサン』のビートルには、他にマネできない魅力で来場者たちを惹きつけていた。
二人三脚で進めてきた「人を楽しませるクルマ作り」。 こんなカスタマイズの楽しみ方も意外とアリなんだと、思わせてくれた1台でした。
オシマイ
(ちんサブ)
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