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アストンマーティン、1000馬力に迫るV8ハイブリッド・スーパーカー『ヴァルハラ』発売へ

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アストンマーティン、1000馬力に迫るV8ハイブリッド・スーパーカー『ヴァルハラ』発売へ

 アストンマーティンは7月15日、V8ツインターボエンジンを搭載したミッドシップ・ハイブリッド・スーパーカー『アストンマーティン・ヴァルハラ』の発売をアナウンスした。

 アストンマーティン初の量産ミッドシップ・スーパーカーとなるヴァルハラ(Valhalla)は、同ブランドの『ヴァルカン』と『ヴァルキリー』に続く第3のハイパーカーとして、コードネーム“AM-RB 003”の名で2019年3月に初公開された。

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 同年6月、古代北欧神話に登場する主神オーディンの宮殿を意味する名が与えられた同モデルはその後、自社開発のV6ツインターボ+ハイブリッドを搭載するモデルとして披露された。しかし、今回の発表ではこれが改められ、パワートレインはプラグインハイブリッド(PHEV)システムを組み込んだ4.0リットルV8ツインターボとなっている。

 このエンジンはヴァルハラ専用に開発されたもので、ユニット単体で最大出力750PS/7200rpmをマークするとともに、これまでにアストンマーティンに搭載されたエンジンの中でもっとも先進的でレスポンスが鋭く、最高のパフォーマンスを発揮するという。レスポンスを高めるため、フラットプレーン・クランクシャフトが採用されているのが特徴だ。

 V8エンジンとともにスーパーカーに備わるふたつの電動モーターは前後のアクスルに1基ずつ配置され、内燃機関による後輪駆動を補完する。このエレクトリック・システムがエンジンの出力に204PSのパワーを上乗せることで、システム全体の合計出力は950PSを超える。

 このパワーユニットに組み合わされるのは新開発の8速DCTトランスミッションだ。アストンマーティンは、ヴァルハラのために特別設計したこのパドルシフト・ギアボックスに“e-リバース”を採用。これはモーターを利用することで従来のリバースギアを廃し、その分の車重を抑える狙いがある。また、エレクトロニック・リミテッドスリップ・デファレンシャル(e-デフ)を備え、最大のトラクションと俊敏なハンドリングを実現した。

 EV走行も可能となる新開発のPHEVユニットを搭載したヴァルハラがその最大パワーを解き放った場合、0-100km/h加速はわずか2.5秒、最高速度は330km/hに達する。サーキット走行におけるひとつの目安となるニュルブルクリンク北コース“ノルドシュライフェ”での目標ラップタイムは6分30秒だ。

 ヴァルハラにはF1マシンにヒントを得たハイパーカー、ヴァルキリーの空力哲学がフィードバックされている。細心の注意を払ってデザインされた造形、そしてアクティブ・エアロダイナミクス・サーフェイスとベンチュリ・トンネルを通過するアンダーボディのエアフローを巧みに管理することによって優れた空力特性を発揮し、150mbh(約241km/h)時に600kgのダウンフォースを発生。これにより卓越した高速コーナリング性能と安定性を獲得した。

■運転時の姿勢はF1と同じスタイルに

 ボディ構造は、軽量かつ高い剛性を実現する新しいカーボンファイバー製コンポーネントを中心に構築され、乾燥重量は1550kg未満に抑えられた。サスペンションはF1スタイルのプッシュロッド式をフロントに採用。インボードに取り付けられたスプリングとダンパーがバネ下重量を減らし、優れたパッケージングを完成させる。

 リアはマルチリンク・デザインとともに、マルチマチック製アダプティブスプリング、およびダンパーユニットを使用し、走行時の不快な振動を調整して公道、さらにサーキットにおける卓越したパフォーマンスを実現する。

 ヴァルハラはサーキットで光るパフォーマンスだけでなく、公道で活躍する最新運転支援システムも多数組み込まれた。そのひとつはアダプティブ機能とハイビームアシストを備えたフルLEDマトリクス・ヘッドライトで、その他にも自動緊急ブレーキや前方衝突警告、アクティブ・クルーズコントロール、ブラインドスポット・モニタリング、リヤビュー・パーキングカメラなどを備える。

 ヴァルキリーよりもスペースが拡大されたコクピットには、Apple CarPlayとAndroid Autoに対応するタッチスクリーンディスプレイが中央に備わった一方、ドライバーに焦点を当てたレイアウトなどF1に触発されたエレメントはそのまま維持された。

 それを示す代表的な例が固定式のシートと、調整可能なペダルとステアリングコラムの採用だ。また、ペダルの位置は着座位置より高いポイントに設置されているのもF1のドライビングスタイルと共通している。

 右ハンドルと左ハンドル、両方の仕様が用意されるヴァルハラについて、アストンマーティン取締役会会長のローレンス・ストロールは次のように述べている。

「アストンマーティン初の量産ミッドエンジン・スーパーカーであるヴァルハラは、ラグジュアリー・ブランドのアストンマーティンにとって、真に変革の瞬間を表すクルマだ」

「このスーパーカーの発売は、当社の製品ラインナップの拡大における重要な次の段階である、ドライバーに焦点を合わせた一連のミッドエンジン・カーを製造するというアストンマーティンの取り組みを示すものとなる」

 パワートレイン・エンジニアリング責任者であるラルフ・イレンバーガーは、「ヴァルハラは、私たちがプロダクションカーで何ができるのかを実際に示す最初の機会となる」とコメント。

「私たちはV8エンジン用に専用のインタークーラー、フラットプレーンと呼ばれるクランクシャフトを開発し、強力なハイブリッドシステムと組み合わせた。そしてもちろん、アストンマーティン初となる専用のデュアルクラッチ・トランスミッションも搭載している」

「これらは、ヴァルハラだけでなく(内燃エンジンからハイブリッド、フル電動パワートレインへの移行が行われる)将来のアストンマーティン・モデルにとっても不可欠なコンポーネントだ」

「その結果、効率的で超高性能なスーパーカーのための、世界最高レベルのパワートレインが実現した」

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