現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 日本人の「慎重な気質」が災い! 実証実験はすれども超小型EVが普及しないワケ

ここから本文です

日本人の「慎重な気質」が災い! 実証実験はすれども超小型EVが普及しないワケ

掲載 更新 22
日本人の「慎重な気質」が災い! 実証実験はすれども超小型EVが普及しないワケ

「超小型モビリティ」ブームは来るのか

 高齢者や地域観光などの足として、超小型モビリティが話題になっている。何年も前からトヨタ、日産、ホンダなどは、実証実験をはじめ、自治体などと協力して利用実態を調査してきた。またトヨタは、2019年の東京モーターショーに超小型モビリティの電気自動車(EV)を出展。2020年12月から「C+pod(シーポッド)」という車名で、法人ユーザーや自治体などを対象に限定販売を開始している。

「超小型EV」は高齢化社会をも救う! 日本の社会を変える可能性を帯びた「知られざる」実力とは

 一方で他の自動車メーカーはもちろん、なかなか現実味のある導入の話が出てこない。これまで何年も実証実験を重ねながら、なぜ実用化の話が前進しないのだろうか。

急がれる「型式認定」

 最大の理由は、型式認定を取得できる車両区分がないためだ。原付などの軽車両の次は、軽自動車の規格となってしまい、現在、開発や実証実験が進められている超小型モビリティの車体寸法や走行性能に当てはまる車両区分がないのである。昨年の東京モーターショーでトヨタが参考出品したことにより、国土交通省も動き出し、超小型モビリティを自動車メーカーなどが型式認定できる法整備が行なわれようとしているようだが、その実態はまだよくわからない。

 では、これまでの実証実験などはどのように行なわれてきたかというと、用途や走行地域を限定した暫定的なナンバープレートが国土交通大臣から暫定的に交付されてきたのである。しかし使う目的を変更したり、走るコースを変更したり、自由にどこへでも走れるようにしたりすることができない。また、まったく同じ車両であっても、1台ごとに申請し、ナンバーの交付を受けなければならないため、手続きが導入台数分かかるわけだ。

 それでは使い勝手が悪いし、当然ながら個人への販売はできない。トヨタも当面は法人などを中心としたリース形式でと考えたのも、国土交通省が進めていると想定される型式認定の内容が、多くの利用者が自由に使える法制案となっていないからではないか。

日本特有の問題もあり

 実際、最高速度が時速60~80kmに制限されると考えられる超小型モビリティが公道を走るとなると、二輪車と違って車幅があるため交通に支障をきたさないか、あるいは衝突事故の際の安全は守られるかなど、未知数な分野であるだけに行政も心配や懸念があるだろう。

 日本は都市部と地方とで人口密度が異なり、交通の状況も共通性がほとんどない。そのなかで、商品として全国一律に超小型モビリティを販売すれば、都市と地方とでそれぞれ別の問題が起こる可能性もある。

 まずやってみて問題を解決する欧米人と異なり、慎重な日本の行政の姿勢はときに安心をもたらすが、革新は遅れがちで、革新的価値ではなくなってしまう懸念もある。

 菅義偉内閣総理大臣が、2050年に脱炭素社会にすると所信表明を明らかにし、また2年後には団塊の世代の人たちが後期高齢者となる時期が迫り、ことに公共交通機関が十分でない地方において以下に移動の自由を確保するか、超小型モビリティを含めた解決策が早急に求められている。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油5円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

優れた燃費が自慢[アコード]!! [レクサスES]と比較した明確な違い
優れた燃費が自慢[アコード]!! [レクサスES]と比較した明確な違い
ベストカーWeb
レッドブル&HRC密着:フロントタイヤへの熱入れを苦手にするRB20。弱点が露呈し初日は2台とも下位に沈む
レッドブル&HRC密着:フロントタイヤへの熱入れを苦手にするRB20。弱点が露呈し初日は2台とも下位に沈む
AUTOSPORT web
タイトルに王手のフェルスタッペンが苦戦、ミディアムで17番手「タイヤが機能せず氷の上を走っているよう」/F1第22戦
タイトルに王手のフェルスタッペンが苦戦、ミディアムで17番手「タイヤが機能せず氷の上を走っているよう」/F1第22戦
AUTOSPORT web
見かけ倒しでもいいじゃん! ルックスと性能が釣り合わないスポーツモデル5選
見かけ倒しでもいいじゃん! ルックスと性能が釣り合わないスポーツモデル5選
ベストカーWeb
2025年WEC暫定エントリーリストが発表。ハイパーカーは2社が撤退もLMGT3と同数の18台が参戦
2025年WEC暫定エントリーリストが発表。ハイパーカーは2社が撤退もLMGT3と同数の18台が参戦
AUTOSPORT web
【角田裕毅F1第22戦展望】昨年の反省をもとにセットアップを2種類用意。FP2で「だいたいの方向性は見つかった」
【角田裕毅F1第22戦展望】昨年の反省をもとにセットアップを2種類用意。FP2で「だいたいの方向性は見つかった」
AUTOSPORT web
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
不要or必要? やっちゃったらおじさん認定!? 「古い」「ダサい」といわれがちな [時代遅れ]な運転法
ベストカーWeb
勝田貴元、パンクで後退も挽回「まだ諦められない。ファンの声援が力になる」/ラリージャパン デイ2
勝田貴元、パンクで後退も挽回「まだ諦められない。ファンの声援が力になる」/ラリージャパン デイ2
AUTOSPORT web
いよいよ正式発表!? デザイン一新の[新型フォレスター]登場か! トヨタHV搭載でスバル弱点の燃費は向上なるか
いよいよ正式発表!? デザイン一新の[新型フォレスター]登場か! トヨタHV搭載でスバル弱点の燃費は向上なるか
ベストカーWeb
荒野にポツンと1軒のカフェ!?…25ドルでキャンプサイトを確保。オーストラリアはトレイルも何もかもナメてかかってはいけません!【豪州釣りキャンの旅_10】
荒野にポツンと1軒のカフェ!?…25ドルでキャンプサイトを確保。オーストラリアはトレイルも何もかもナメてかかってはいけません!【豪州釣りキャンの旅_10】
Auto Messe Web
ローソン初日15番手「路面コンディションに苦労。今日の学習を役立て、トップ10に食い込みたい」/F1第22戦
ローソン初日15番手「路面コンディションに苦労。今日の学習を役立て、トップ10に食い込みたい」/F1第22戦
AUTOSPORT web
ボッタス、PUエレメント交換で5グリッド降格が決定。RB勢はエキゾーストを交換/F1第22戦
ボッタス、PUエレメント交換で5グリッド降格が決定。RB勢はエキゾーストを交換/F1第22戦
AUTOSPORT web
タナクが王座目指して猛加速。僚機2台はクラッシュ&失速、トヨタに選手権逆転の光明【ラリージャパン デイ2】
タナクが王座目指して猛加速。僚機2台はクラッシュ&失速、トヨタに選手権逆転の光明【ラリージャパン デイ2】
AUTOSPORT web
燃費と運転体験の両立 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTEへ試乗 電気で最長130km走れるHV!
燃費と運転体験の両立 フォルクスワーゲン・ゴルフ GTEへ試乗 電気で最長130km走れるHV!
AUTOCAR JAPAN
北米の自動車博物館ハシゴ旅! 往年のF1GPカー「ペンスキーPC-1」に出会えて大感激!!…が、展示車両数の多さにすべてを見ることができずに大後悔…
北米の自動車博物館ハシゴ旅! 往年のF1GPカー「ペンスキーPC-1」に出会えて大感激!!…が、展示車両数の多さにすべてを見ることができずに大後悔…
Auto Messe Web
角田裕毅 初日10番手「一日のなかで状況を好転させ、方向性を見出した。Q3進出のため調整を続ける」/F1第22戦
角田裕毅 初日10番手「一日のなかで状況を好転させ、方向性を見出した。Q3進出のため調整を続ける」/F1第22戦
AUTOSPORT web
イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
イモトアヤコ、600万円超の「“オシャ”ハイエース 」購入! 「車中泊楽しそう」「テンション上がる」反響多数のゴードンミラー「GMLVAN V-01」とは
くるまのニュース
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
日産、英国のゼロ・エミッション義務化に「早急」な対応求める 政府目標は「時代遅れ」と批判
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

22件
  • いまの車両法を少し改定して「原動機付四輪車」として早期に普及させれば
    いいのに!

    そして50ccミニカーの規格も125cc原動機付四輪車に格上げすれば
    いいんじゃないの!
  • 今でもピザの運搬等でも使われているけど水色ナンバーの車両の性能を拡大すればよいのではないか。昔は専用のミニカーが走っていたけどサイズ的にはあの区分に近いと思う。
    それと老人向けにはできれば自動運転車が良いと思うのだが。電動車椅子より早く便利で運転の必要もないとなったら足として最高ではないか。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村