9月23~24日、IPSインタープロトシリーズ・パワード・バイ・KeePerの2023年シーズン第3大会が、静岡県の富士スピードウェイで開催された。24日(日)に行われたふたつの決勝レースでは、1レース目をポールポジションからスタートした阪口晴南(INGING MOTORSPORT)が、2レース目は激戦を経て山下健太(NAVUL)がそれぞれ優勝を飾っている。
決勝日に先立ち23日(土)に行われた公式予選は、路面はほとんど乾いているものの、霧に包まれた天候での実施となった。徐々にグリップが改善していく難しいコンディションのなか、絶妙なタイミングでアタックした阪口が1分46秒802を記録しポールポジションを獲得する。
山下健太、インタープロト第2大会で連続ポール・トゥ・ウィン「2連勝は久しぶりなので、良かったです」
トップから0.092秒という僅差で、山下が2番手に。さらにその0.086秒差で福住仁嶺(キーパー号)が続くなど、今回も接戦の公式予選となった。
翌24日(日)の決勝日は、快晴・気温25℃ほどという初秋らしい天候。第5戦として行われたレース1は、先頭の阪口が隊列をうまくコントロールしながらスタートダッシュを決める。しかし2番手の山下が1コーナーで背後につけ、またスタートで出遅れた3番手の福住が追いついてきたことにより、約1秒のなかに3台が並ぶ、緊迫した上位争いとなった。
後方では5番手争いが激化。宮田莉朋(人馬一体ドライビングアカデミー)、野尻智紀(J-POINT)、ロニー・クインタレッリ(ララパルーザ)の3台が、抜きつ抜かれつの熱いバトルを繰り広げていく。そんななかトップを走る阪口は、後方のふたりに仕掛ける隙を与えず逃げ切りに成功。2位は山下、3位は福住となった。
レース1のフィニッシュ順をもとにグリッドの再整列が行われた後、レース2/第6戦がスタート。このレースでもスタートダッシュを決めた阪口が、山下、福住を従え、先のレース1と同じ顔ぶれの3人が首位を争う展開となる。
■連勝逃すもポイントリーダーに
レースが動いたのは2周目。レース1につづき、中団グループで野尻とクインタレッリの争いがヒートアップ。前を走行する4番手の小高一斗(NETZ NOVEL MIE)に追いつき3台で接近戦を展開していたところ、ダンロップコーナーのブレーキングでリアの挙動を乱した野尻がハーフスピン状態でクインタレッリと接触。2台はコースサイドでストップし、セーフティカーが導入された。
残り時間5分でレースが再開されると、これまで拮抗状態だったトップ争いが動き出す。リスタートをうまく決めた山下が1コーナーで阪口に詰め寄ると、最終コーナーで阪口のイン側に切り込み逆転に成功。抜き返したい阪口は、ファステストラップを叩き出して猛追するもわずか0.5秒届かず、山下が今シーズン3勝目となるトップチェッカーを受けた。
連勝を逃した阪口だったが、ポールポジション、ファステストラップでポイントを追加し、この週末のドライバーで最多となるポイントを獲得。これにより山下を逆転しポイントリーダーに躍り出ている。レース2の3位には2戦連続で福住が入った。
レース2を制した山下は「本当はレース1も勝ちたかったのですが、あまり余裕がなく、ついていくのに精いっぱいというところでした。レース2はSCが開けた時点で勝負をかけないといけないと思って最終コーナーで仕掛けたのですが、ギリギリの間隔で入ったので抜けるかどうかというところでしたが、なんとか前に出られて良かったです」と語る。
一方の阪口は「1レース目は最終コーナーで抜かれることが多いので、そこだけ気をつけたら大丈夫かなと思っていてしっかりおさえきれましたが、2レース目はSC開けの山下選手のペースが良かったです。最終コーナーは結構タイトに走ったつもりですが、更に内側から山下選手がきて驚きました。ペースも競り合いも負けてしまって悔しいレースになりました」と悔しさを滲ませるも、「シリーズ的にはいい位置につけていると思うので最後は連勝で終えられるようにしたいです」と、リベンジを誓った。
今大会5台で争われたSUPRAクラスでは、レース巧者の坪井翔(TR GR Supra GT4 EVO)が予選2番手から2レースを連勝。CCS-Rクラスは山内英輝(NTP CCS-R)の1台のみのエントリーで、予選・決勝を戦った。
2023インタープロトシリーズのシーズン最終ラウンドとなる次戦第4大会は、11月25日(土)から26日(日)にかけて、ふたたび富士スピードウェイで開催される予定だ。
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