キックス、新型ノートは序章。2021年は日産の新車攻勢がいよいよ本格化!
2020年も早いもので残り1か月を切った。これまで平均車齢の長さを指摘されてきた日産だったが、今年は軽自動車の新型ルークスを投入したほか、登録車でも小型SUVの新型キックスを投入。さらに年末12月23日には新型ノートが発売予定だ。
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しかし、新車攻勢が本格化するのは来年2021年。目玉となる人気SUV「新型エクストレイル」のほか、多数の新規モデル・フルモデルチェンジ・マイナーチェンジモデルの投入が予定されている。
文/遠藤徹、写真/日産、三菱、奥隅圭之
【画像ギャラリー】2021年に登場する日産アリアと東京モーターショー2019で世界初公開されたIMkをみる
アリア&軽EVの大小電動モデルで新車攻勢
2021年に登場する日産の新型車はまったくの新顔だと電気自動車「アリア」と軽自動車ベースのスモールEV、フルモデルチェンジはエクストレイル、マイナーチェンジはセレナ、マーチ、デイズなどが予想される。
このほかノートベースのコンパクトスライドドア車の開発も進められているようだが、こちらは2021年ではなく、2022年辺りに先送りされる可能性がある。
2020年7月に発表された日産クロスオーバーEV、新型アリア。航続距離は最大610km(2WD車/90kWhバッテリー搭載車)
新型アリアは今夏に発表になっており、発売は2021年6月下旬頃が予想される。東京モーターショー2019で参考出品したプロトタイプの市販バージョンである。
Cセグメントの電動SUVで新開発ツインモーターの電動駆動4輪制御システムを採用する。4WDおよびシャシー制御技術を総合的にコントロールするのが売り。
ツインモーターは最大トルク680Nmを発揮する高性能ユニットを搭載し発進、制動、スラローム、ぬれた路面でのハンドリングなどで安定した走りを実現している。
室内はEVならではのフラットフロアで広い室内と荷物の積載性の良さにも配慮している。充電後の航続距離はリーフなみの450km以上を達成していると思われる。車両本体価格は500万~600万円程度の設定となる見込みである。
東京モーターショー2019で世界初公開された軽EV、IMk。プロパイロット2.0を進化させた次世代運転技術を搭載予定
軽自動車ベースの電気自動車は三菱自動車との共同開発車。三菱ブランドは「i-MiEV」の後継モデルとなる。デイズ/eKワゴンのプラットフォームを使い仕立てるといわれる。充電後の航続距離は200km以上を目標に開発を進めているようだ。
車両本体価格は300万円前後を設定する見込み。2021年中盤に発表するが発売は年末あたりになりそうだ。
目玉の新型エクストレイルは来秋投入で調整
2020年6月に米国にて発表された新型ローグ(日本名:エクストレイル)
次期型エクストレイルは、2021年秋の投入予定でスケジュール調整が行われている模様だ。アウトラインは三菱自動車のアウトランダーとプラットフォーム&基本コンポーネントを共用した姉妹モデルとなる。
アッパーモデルはこれまでの情報では両社が独自に設計するのが有力だったが、実際にはさらに踏み込んでボディパネルの大部分も共用化し、フロントマスク、リアのバンパー、コンビランプ、内装のデザインだけ違いを持たせることでコストダウンを図るものと思われる。
シートレイアウトは2列シート5人乗りと3列シート7人乗り仕様は従来モデルの継続となる。
パワートレインは2Lと2.4LのガソリンNAエンジン、1.2Lのe-POWER、2.4Lエンジンと組み合わせたPHEVを搭載。
2Lの1モーター&2クラッチ方式のフルハイブリッドはe-POWERに置き換わる。2.4LエンジンとPHEVは三菱からの供給となる。ガソリン車いずれも2WD、4WD、CVTとの組み合わせになるが、PHEVは4WDで2列シート5人乗りのみとなる。
エクストレイルの姉妹車にあたる三菱アウトランダーの次期型は、エクストレイルより早く登場する予定
姉妹車の三菱アウトランダーは2021年中盤にも登場する。次期型エクストレイルより約半年早い世代交代となる。パワーユニットのPHEVは両モデル共用で引き続き三菱が主体に開発し、日産に供給される形を取る。
従来ユニットよりもドライブフィールや充電後の航続距離の延長などで大幅に改善するものと思われる。e-POWERや2Lマイルドハイブリッドも搭載される可能性がある。
NISMOや噂のスライドドア仕様は? 新型ノートの派生車事情
2020年12月23日に発売予定の新型ノートeには第2世代e-POWERが搭載される。現行モデルにあるNISMOも追加設定される見込み
新型ノートはe-POWERの2WD車が先行して発売になったが、2020年12月には4WD車も設定される。2020年5月に発売したキックスも現行モデルでは2WD車のみのため、2021年中には設定されるに違いない。
NISMOバージョンも追加設定されるが、発売は1年後の2021年末あたりが有力である。
ノートベースのスライドア車は「NV200バネット」との関連で考える必要がありそう。こちらの登場は2009年5月19日の登場で、古くなっているのでいつフルモデルチェンジしてもおかしくない状況にある。
現行モデルは商用車ベースであるが、ワゴンバージョンは3列シート7人乗りで両側スライドドア仕様である。エンジンは1.6LのNAガソリンエンジンを搭載しているのでシエンタやフリードと対抗する部分もある。
このワゴンバージョンを分離してノートベースに移行し、e-POWERユニットを積めばヒットモデルにすることも可能になるに違いない。
このほか来年登場する日産の改良モデルは?
2020年12月にセレナの上級モデル「アーバンクロム」が設定され、高級感あふれるデザインになる(写真:現行型セレナe-POWER ハイウェイスター)
セレナは今年12月17日に上級バージョンの「アーバンクロム」を設定する。売れ筋の「ハイウェイスターV e-POWER(2WD)」をベースに、グリルをブラックのアーバンクロム、アルミホイールを15インチから16インチにアップさせ、クロームホイール、ドアミラーケースをブラック塗装にするなどで高級感のあるデザインで仕立てる。
2020年末から2022年初めにかけてはライバルのステップワゴンやノアが相次いでフルモデルチェンジし、商品ラインアップを強化するが、セレナも対抗策として同じころにビッグマイナーチェンジする可能性がある。e-POWER車には4WD車も設定する。
写真のデイズにオーテック仕様や寒冷地仕様が追加される予定。さらに2021年にマイナーチェンジも予定されている
デイズ/ルークスは今年12月中旬発表、2021年初めの発売でオーテックや寒冷地仕様モデルを追加する。デイズは2021年末にマイナーチェンジする見通し。内外装のデザイン変更、安全対策強化などを図り、商品ラインアップを強化する。
マーチは2021年中盤あたりにビッグマイナーチェンジする見込み。内外装のデザイン変更が行われる。新型ノートに設定されない1.2LガソリンNAエンジン車需要をカバーする狙いもありそうだ。
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