今季、様々なサーキットで好調な走りを見せてきたウイリアムズ。8戦を残し、彼らはコンストラクターズランキング7番手の座を守り抜くことができるだろうか?
チーム代表を務めるジェームス・ボウルズが示唆するように、今季マシンFW45がもはや「一芸に秀でたポニー」ではなく、長いストレートがなくとも入賞争いに加われるだけのポテンシャルを持っているならば、その可能性は確かに高い。
■アルボンがまた魅せた! 絶品ディフェンスでウイリアムズに7位届けるも今後は苦戦必至?「この先チャンスがあるとは思えない」
ウイリアムズはここまで21ポイントを獲得し、コンストラクターズランキング7番手。ハースが11ポイント、アルファロメオが10ポイント、アルファタウリが3ポイントでそれを追っているという状況だ。
ウエットレースやサバイバルレースになれば形勢逆転もなくはないシナリオだが、今季もウイリアムズのエース格であるアレクサンダー・アルボンがチームを牽引する活躍を見せており、そのチームメイトでルーキーのローガン・サージェントはポイントこそ獲得できていないものの、オランダGPで予選Q3進出を果たすなどチームは強力なポジションにいる。
特に、ウイリアムズはストレート区間が強いというマシン特性を活かして高速サーキットで好調さを見せており、アルボンが開幕戦バーレーンGPで獲得した10位、カナダGPとイタリアGPでの7位、イギリスGPでの8位がそれを裏付けている。
しかし、今季のウイリアムズはそれだけでもない。狭くツイスティなザントフールトで行なわれたオランダGPでもアルボンは8位入賞。FW45がサーキットを選ばず入賞を狙える可能性があることを示していた。
オランダGPの内容を見ても、FP1で5番手、FP2で3番手、FP3で6番手、予選では4番手と、アルボンは週末を通して速さを見せていた。
ただ入賞こそ果たしたものの、天候に翻弄されチームにとっては不本意な結果に終わった。
決勝ではレーススタートと同時に雨がコースを濡らし、他チームがピットインしてインターミディエイトタイヤに履き替える中、ウイリアムズはアルボンをスリックタイヤでステイアウトさせることを選んだが、これが間違った選択となった。
アルボンは第1スティントを引っ張ったことで、ある程度損失分を取り戻した。ただ、レース終盤に再び雨が襲来した際アルボンは6番手につけていたものの、インターミディエイトに履き替えるタイミングが遅れたことで8位となった。
好調予想のイタリアGPでは”欲をかいた”?
「こういう時はいつもそうだが、欲張りになりがちだ」
そう振り返るのはウイリアムズのボウルズ代表だ。
「スタート前に8位になりたいかと訊かれたら、『そりゃあ、もちろん』と答えるよ」
「しかし実際のところ、我々はアルピーヌを引き離していたし、レースでは6番手だった。雨が降らなくても、我々は最後のピットストップもコントロールできていた。だからこそ、もっと良い判断ができたはずだった」
「その結果、落胆してしまった。しかし一歩引いて見ると、私が求めているモノ、チームとして求めているモノは、ポジティブな改善と方向性だ。そしてそれは確認できた」
オランダGPでのパフォーマンスは、マシンが異なるタイプのサーキットでも競争力を発揮できることを示すモノだとボウルズ代表は断言する。
「我々が一芸に秀でたポニーではないということを示すサーキットがいくつかあり、今後もそれは控えている」とボウルズ代表は言う。
「現時点では、今年の全てのレースでそうだ(競争力がある)ということではない。それは分かっている。しかし、我々が自ら這い上がり、ランキング7番手にいることに議論の余地はない。今はそれをベースに前進していくつもりだ」
またウイリアムズにとって重要なのは、モンツァのように好調が予想されていたサーキットでチームが結果を出せていることだろう。言い換えれば、チャンスをものにして、しっかりと長所を活かせているということだ。
「ランキング7位争いはポイントの問題だ」とボウルズ代表は言う。
「我々も馬鹿ではない。これまで積み上げてきた努力が、たった1戦で帳消しになることだってある」
2024年シーズンに向けたウイリアムズの課題とは?
ウイリアムズでパフォーマンス主任を務めるデイブ・ロブソンは、オランダGPの週末が予想外に好調だったことを認めつつも、様々なレイアウトのサーキットでマシンが速さを見せることができるということについては慎重な姿勢を崩していない。
「我々は所々、上がったり下がったりしているが、他のみんなも上がったり下がったりする傾向がある」とロブソン主任は言う。
「ザントフールトは少し意外だったと思う。しかし、昨年の金曜日と土曜日の調子が本当に悪かったことからいくつかヒントを得ていたということもある。そして昨年は日曜日に風向きが変わり、実際に我々の問題は良くなった」
「今年のオランダGPはずっと好ましい風のコンディションだった。だから、このコースは元々マシンに合っていないと思うが、決勝日や週末のコンディションはマシンに合っていたと思う。今後も多少の浮き沈みはあるだろう」
2024年シーズンに向けたウイリアムズの課題は、近年の切り札であるストレート性能を失うことなく、ダウンフォースを増やしてコーナリング性能を向上することだ。
「それはまだ可能だと思う」とロブソン主任は言う。
「そういった方向性を間違いなく検討していく必要がある。そして風洞の中で毎日、決断を下す必要がある。より多くのダウンフォースをもたらすモノ、あるいはドライバーにとって有益に働くという望ましい形でダウンフォースをもたらすモノを手に入れたとしても、それが空気抵抗を増やしてしまう。それを理解するのは難しい」
「少なくとも、5~6年前に空気抵抗を増やして後悔した時、それがマシンに“焼き付いて”しまうと再びそれを取り除くのは本当に難しかったというのは分かっている。だから可能性はあると思う」
「(モンツァで)まだ大丈夫だったのは良い兆候だ。ザントフールトは少し特殊な状況だったと思うし、今このマシンでカタルニアに行ったとしても、まだトリッキーだと感じるはずだ」
ウイリアムズ「机上では、シンガポールはあまり良くないはず」
2023年シーズンの残り8戦のうち3戦はスプリントフォーマットでの開催、2戦が市街地サーキットでの開催となる。そして日本GPとメキシコシティGPでは、金曜日にタイヤテストが行なわれるなどイレギュラーな要素も多い。また、鈴鹿やオースティン、インテルラゴスでは降雨によってサバイバルレースと化す可能性もある。
様々なことが起こりうるが、ウイリアムズのような中団グループのチームが週末を上手くまとめ上げることができれば、思わぬ好成績を収めるチャンスがある。
「チャンスが生まれるが、同時にテストのようなことをする機会が奪われることになる」とロブソン主任は言う。
「とはいえ、全員にとって週末を進める上で“ノイズ”が加わることになるから、チャンスが生まれるというのも一理ある」
次戦シンガポールGPはウイリアムズにとって、今後を占う興味深いテストになるはずだ。
今年は舞台となるマリーナ・ベイ市街地サーキットから4つのタイトコーナーが消え、長いストレート区間ができたこと、風の影響が少ないことはウイリアムズにとって有利に働くだろう。ただ、それを差し引いても、高いダウンフォース性能が求められることに変わりはない。
「机上では、シンガポールはあまり良くないはずだ」とロブソン主任は考える。
「でも、レイアウト変更がいくらか助けになるかもしれないし、あそこは全体として(風が)穏やかで、遮るモノも多いから、それも有利に働くかもしれない」
「だから、残りのサーキット全てで、混戦の中に加われるはずだと思う。我々は全力を引き出して、結果を出す必要がある」
そして今後の戦いの中でハッキリしているのは、ウイリアムズはFW45に新たなアップデートを投入することなく、ランキング7位争いを制する必要があるということだ。
「マシンは今あるモノで全てだ」とボウルズ代表は言う。
「激しい戦いを繰り広げるライバルだと私が思っているハースと違って、我々が今年の残りのレースで今以上のモノを手にすることはない」
「だから我々はチャンスが巡ってきた時に、そのチャンスを逃さないようにしなければいけない」
「今だけでなく、実は少し前から2024年に焦点が当てられている。部分的には2025年、2026年にも目が向けられている」
「現時点では、10番手、9番手、8番手、7番手と熾烈なランキング争いが繰り広げられている。チームスタッフみんなのため、私のためにも、その上のポジションで激しいバトルを繰り広げてほしい」
「それは今持っているマシンの開発を続けるだけでは達成できない。未来に向けて前向きに考えることで、それに伴うコストが発生し、場合によっては1年後戻りする可能性さえある。しかし、それでも未来に向けて前進するのだ」
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