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【インタビュー】ガンダムとアルファタウリF1のコラボレーションは“愛の結晶”。バンダイナムコに訊く「F1ファンとガンダムファンに、ワクワクするモノを届けたかった」

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【インタビュー】ガンダムとアルファタウリF1のコラボレーションは“愛の結晶”。バンダイナムコに訊く「F1ファンとガンダムファンに、ワクワクするモノを届けたかった」

 11月16日~18日(現地時間/日本時間17日~19日)にかけて開催される、F1ラスベガスGP。カジノや高級ホテルが立ち並ぶラスベガスの街中を、F1マシンが駆け抜けるというだけでも、多くのファンが心待ちにしていたイベントであると言えよう。

 そこに、もうひとつ胸熱の企画が追加された。角田裕毅が所属するアルファタウリと、「機動戦士ガンダム」シリーズがコラボレーションするというのだ。この一報が報じられて以来、多くのF1ファン、ガンダムファンがざわつき、SNSを中心に大きな反響となった。

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 しかしなぜガンダムとアルファタウリF1がコラボレーションすることになったのか? motorsport.comでは、バンダイナムコに話を訊いた。

 今回の企画を立案したのは、バンダイナムコのアメリカ法人であるバンダイナムコエンターテインメントアメリカ(Bandai Namco Entertainment America Inc.)である。同社のブランド開発責任者のアントニオ・ハーベスト氏が、今回のアルファタウリとの企画について語ってくれた。

「F1は、地球上で最もユニークなスポーツのひとつだと考えています。少人数の非常に才能あるドライバーたちが、地球上で最高のエンジニアとデザイナーたちによって作られた信じられないほど速いレーシングカーで駆り、世界中の複雑なサーキットを走るのが仕事です」

 F1の印象について、ハーベスト氏はそう語った。ハーベスト氏も、幼少期からアイルトン・セナらの走りに魅了されてきたのだという。

「個人的には、F1は私が幼い頃から追いかけてきたスポーツであり、アイルトン・セナをはじめ、信じられないような伝説が作られるのを目の当たりにする喜びを味わってきました」

 しかしなぜガンダムとF1のコラボレーションを企画したのか? そう尋ねると、ハーベスト氏は次のように説明してくれた。

「私たちは、ガンダムがF1とテーマ的に合っていると考えています。ガンダムは、ヒーローイズム、逆境への立ち向かい、途方もない不利な状況の克服など、F1ドライバーがレースごとに遭遇する試練に似た要素を持っています」

 ハーベスト氏はそうガンダムとF1の近似値について語る。

「ガンダムシリーズは、アニメから始まり、映画、コミックなどでの展開に加え、ガンプラなどの玩具やグッズ、ゲームやアミューズメントなど、様々な形でファンとつながることができるグローバルIPに成長しました。世界中でガンダムの認知度を広げようとする新たな取り組みもあり、ガンダムはこれまで以上に成長しています。アルファタウリとのコラボレーションで、このチャンスを最大限に生かすことができるのです」

ガンダムのパイロットのように……角田の成功を祈る

 ハーベスト氏がそう語るように、ガンダムのパートナーとして選ばれたのは、角田裕毅が所属するアルファタウリだ。公開された動画には、角田が初代ガンダムの主人公であるアムロ・レイと同じデザインのスーツを着て、「行きます!」と宣言するシーンもある。

 アルファタウリをパートナーに選んだ理由について、ハーベストは次のように説明する。

「ガンダムは、幅広い商品・サービスの出口、フィジカルとデジタルの双方で連携できるバンダイナムコの強みを生かし、ファンとつながることを目指しています。それを考えると、アルファタウリとの相性はすぐに良いものだとわかりました」

「アルファタウリは私たちのクリエイティブなアイデアに対してとてもオープンで、共同ブランディングの枠を超えた体験を一緒に作り上げてくれました。ガレージにいくつかのガンダムエレメントを追加したり、アルファタウリブランドのガンダムのモデルキットを私たちと一緒に作ったり……彼らは素晴らしいパートナーです」

「角田裕毅選手は素晴らしく、彼の情熱と人柄は本物です。彼と一緒に仕事をすることで、私たちはアメリカや日本などのファンとつながることができますし、この絆はより深いものとなります。私たちは、ガンダムのパイロットがそうであるように、F1での角田選手の成長と成功への道のりを見守っています!」

 ガンダムのイメージを背負って戦うことになる角田は、ここ数戦非常に好調なパフォーマンスを発揮している。アメリカGPでは8位入賞に加えてファステストラップも記録。メキシコシティGPでは、ポイント獲得には至らなかったものの、後方から猛烈な追い上げを見せた。サンパウロGPでは、F1スプリントと決勝の両方で入賞した。

 バンダイナムコとして、角田にどんなことを期待するか? そう尋ねると、ハーベスト氏は次のように語った。

「レースが近づくにつれ、私たちはスクーデリア・アルファタウリと緊密に協力し、ファンを驚かせ、喜ばせることを期待しています。私たちはいつものように、最高の結果となるよう応援していますし、ポイントを獲得できれば最高ですね」

「また、彼らが現在得意としていること、つまり、考え抜かれた面白い方法でファンとつながってくれることも期待しています」

ガンダムをも動かした、F1の人気急上昇

 年々、アメリカを中心に盛り上がりを見せるF1。その存在は、ガンダムを世界に広めていくにあたっても、非常にメリットが大きいという。

「私たちも『Drive to Survive(邦題:栄光のグランプリ)』シリーズが公開されて以来、F1がどのように成長してきたかに注目してきました。昨年初開催されたマイアミのレースは、アメリカでのF1グランプリが、マーケターとして追求すべき興味深い新たな機会をますます提供していることを証明したものだったと考えています」

 そうハーベスト氏は言う。

「F1がこの地で成功を収めるにつれて、チームがファンとの接点を増やしているのを目の当たりにし、私たちにとってラスベガスは、このパートナーシップをスタートさせる場所として最も理に適った場所でした」

「ラスベガスGPでは、アルファタウリのガレージに約2メートルのガンダム像を設置したり、レースウィークエンドにはラスベガス近郊にTHE GUNDAM BASE POP-UPを出店したりと、従来とは異なる企画をたくさん用意しています」

「私たちは、レース、アニメ、そしてガンダムファンのそれぞれを尊重し、また相互作用によってさらに高めあえる適切な方法を見つけるために、通常のパートナーシップの領域から飛び出しました。幸いなことに、ファンの皆さまの反応を見ていると、今回の判断は成功であったと感じることができています」

「私たちは、ガンダム、アルファタウリ、F1のいずれのファンにも、何かワクワクするようなものを提供したいと考えました。また、これをガンダムの成長機会としてとらえ、今後、ゲームやアニメ、グッズをよりよく見せてファンとつながるためのヒントを得たいと考えています。ガンダムをよりアメリカで認知いただくために、アルファタウリやレースファンを仲間に加えることは、本当に素晴らしい機会です」

「最新シリーズ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』を見るにせよ、80年代、90年代、00年代の以前のシリーズを体験するにせよ、世界中のどこでも、ガンダムファンであることは素晴らしい時間で誇らしいことだ、ということを知ってもらいたいと考えています」

私たちもF1を愛している

 今回のコラボレーションが発表されると、前述の通りSNSを中心に大きな反響があった。それは、F1ファンの世代と、幼少期からガンダムに馴染んできた世代が被っているという要因もあるかもしれない。

 この反響について尋ねるとハーベスト氏は、このコラボレーション/キャンペーンは、「愛の結晶」だと表現した、

「ガンダムの現在のファン、そして未来のファンから世界中で寄せられた圧倒的な好意的な反応について、心から有難く、幸せなことで、謙虚に受けとめています。このようなコラボレーションは、ガンダムがIP(キャラクターなどの知的財産)からSP(社会的アイコン)への成長を目指すための試みです」

「ガンダムファンとF1ファンの反応や重なりを目の当たりにすることは、私たちマーケターにとって非常に喜ばしいことです。しかしそれ以上に重要なのは、私たちが共有する情熱と興奮を受け入れていただき、そして、それに加わることができることをとても嬉しく思っていることです」

「このキャンペーンは愛の結晶であり、私たちもF1を愛しているからこそ全力を注いでいます。だからこそ、コミュニティが幸せになり、関わりを持ち、新しいファンを迎える姿を見ることは、私たちの誰もが望む最高の結果なのです。本当にありがとうございます!」

 今回の発表に際し、アルファタウリのカラーリングが施されたRX-78-2ガンダムの姿も公開された。ただ残念ながら、このガンプラの発売予定は、今の所ないという。また来年4月に予定されているF1日本GPで何らかのコラボレーションが行なわれることも、多くのファンが期待することだろう。これについてハーベスト氏は、次のように語る。

「現時点では、スクーデリア・アルファタウリとのラスベガスでのコラボレーションを可能な限り興味深いものにすることに集中しており、現時点でお伝えできるニュースがないことをご理解いただければ思います」

「まずは、ラスベガスでのこのコラボレーションを、ファンの皆さまに引き続き評価していただけるよう、最善を尽くしたいと考えております」

 なおバンダイナムコグループで、ガンダム関連のプロジェクトを統括するチーフガンダムオフィサーの藤原孝史氏も、今回の取材に際してコメントを寄せてくれた。ちなみにガンダムは、2024年に生誕45周年を迎える。

「多くのファンの方に支えられ、ガンダムは来年で生誕45周年を迎えます。これまで以上にガンダムをファンの皆さまと一緒に盛り上げていきたいと考えています」

「今回のアルファタウリとのコラボレーションのように、世界中のファンやあらゆるパートナーとともにガンダムを通じてより良い未来の実現を目指していきますので、今後のバンダイナムコグループ、そして、ガンダムプロジェクトにぜひご期待ください!」

©創通・サンライズ

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みんなのコメント

1件
  • hor********
    契約の問題でガンプラ売れないのかな?
    発売されたら確実に欲しい。
    それくらいデザインが最高にカッコいい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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