ホンダ=FF軽量スポーツのイメージ
text:Kouichi Kobuna(小鮒康一)
【画像】懐かしい バラードスポーツCR-X~CR-Z【歴史を振り返る】 全102枚
ホンダのイメージとして、未だに「FF(前輪駆動)ライトウエイトスポーツ」というイメージを持っている人は少なくないだろう。
そしてそのイメージをより強固にしたのが、1983年に登場した「バラードスポーツCR-X」だ。
ホンダ自らが当時のプレスリリースに「F・Fライトウエイトスポーツ」と銘打ったモデルであり、成り立ちはシビックの兄弟車であるバラードの派生車種という立ち位置だった。
なお、バラードは当時のベルノ店専売車であり(シビックはプリモ店と一部のクリオ店専売)、4ドアセダンのみのラインナップだったため、CR-Xはシビックの3ドアに近い車種としてリリースされていた。
ただしシビックよりも150mmも短いホイールベースと、リアをスパッと切り落としたようなファストバッククーペボディによってシビックよりもスポーティーな味付けとなっており、その切れ味鋭いハンドリングは多くの若者を熱狂させたのである。
そして87年には2世代目へフルモデルチェンジ。
シビックの兄弟車であるバラードが消滅したため、車名は単に「CR-X」となったが、スタイリングは初代を踏襲した。
89年のマイナーチェンジ時にはあの名機、B16A型VTECエンジンを搭載し、未だに多くのファンを抱えるモデルとなっている。
血統を受け継ぐCR-Zも存在したが
この初代、2代目のCR-Xのスタイルを受け継いだのが、2010年に登場したCR-Zだ。
パワートレインこそ時代の流れを受けてハイブリッドとなったものの、ハイブリッド車としては異例の6速MTをラインナップ。
絶対的な速さこそ劣るかもしれないが、走らせて楽しいモデルに仕上がっていた。
と、ここまではファストバッククーペスタイルを持つCR-Xと、その実質的な後継車となったCR-Zのお話となるのだが、実はCR-Xにはもう1世代モデルが存在していた。
それが1992年に登場した「CR-Xデルソル」である。
デルソルとはスペイン語で「太陽の」という意味を持つ言葉であり、その名の通りオープンルーフを持ったモデルに生まれ変わったのだ。
それまではどちらかというと硬派なスポーツモデルというキャラクターだったCR-Xを、一気に軟派な(?)オープンカーにしてしまったのである。
引き続きベースとなったのはシビックであり、170PS(MT車)を発生するVTECエンジンや、シビックより短いホイールベースなどCR-Xらしさを受け継いだ部分もあった。
が、一気に100kg近く増加した車重などもあって、従来のCR-Xユーザーからはそっぽを向かれてしまった。
当時はオープン2シーターのユーノス・ロードスターが大ヒットしており、2匹目のどじょうを狙ったのかもしれないが、あえなくその目論見は外れることとなってしまったのだ。
とはいえ自動車業界に残した功績は大
そんな残念な結果となってしまったCR-Xデルソルではあるが、電動オープントップである「トランストップ」は現在多くの車種に採用されているクーペカブリオレの走りである。
耐候性に難のあったオープンカーのルーフをハードトップとしてしまう点や、ルーフのロックを解除したらあとはボタンひとつでオープンになる電動機構は時代を先取ったものと言えるだろう。
また、シート後部にあるリアウインドウも電動で開閉できるようになっており、これは同社が現在リリースしている軽オープン2シーターのS660にも採用されている。
これらの点を考えると、CR-Xデルソルは商業的には成功したとは言い難いかもしれないが、自動車業界に残した功績は予想以上に大きかったとも言えるのではないだろうか。
そもそもCR-Xの後継車種としてではなく、新規車種として販売していたら結果は変わっていたかもしれないとも考えた。
しかし、よくよく思い返してみると初代ではアウタースライドのサンルーフやルーフベンチレーション、2代目でも引き続き採用されたアウタースライドサンルーフにグラストップと、歴代CR-Xもルーフに並々ならぬこだわりを見せていたのだ。
そう考えるとCR-Xデルソルは突然変異ではなく、正常進化を果たした最終形態だったのかもしれない……。
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みんなのコメント
それが一転、何年か後に出てきたベンツSLKは、イノベーションだとしてもてはやしてた。
お約束のダブスタ、お決まりのパターンでしたね。
今さら再評価しても遅いんで、当時からポジティブな面に着目・紹介しておけよって話。
かくして、日本のクルマはつまらなくなりましたとさ。