オーディオも超一流を堪能できるベントレー
世界18台限定で生産されるベントレー「マリナー バトゥール」用に究極のオーディオシステムが開発された。「ネイム・フォー・マリナー」と名付けられたそのオーディオの中身を見てみよう。
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ネイムってどこのオーディオ?
ネイム(Naim)はカーレーサーでもあったジュリアン・ヴェレカーによって1973年に創設された、イギリス南部のソールズベリーにあるオーディオメーカーである。60年代や70年代の偉大なアーティストのライブ演奏を聞いていたジュリアンは、家庭で聞く音楽がライブ音源には遠く及ばないことを嘆き、自らアンプやラウドスピーカーの設計を始める。限りなく生に近い音楽体験を追求しているブランドで、2008年には18カ月にも及ぶ開発期間を経て、ベントレーのためのオーディオシステム「ネイム・フォー・ベントレー」を発表した。
ネイム・フォー・マリナーとは?
世界18台限定のバトゥールには、さらなる究極を目指した最も効率的な技術を駆使しながら、臨場感、ディテール、パワー、暖かさ、空気感、没入感を提供し、比類のない音楽体験を実現する必要があった。
そのため、ネイムはフォーカルとコラボレーションし、バトゥールの20個のスピーカーシステムのために56項目以上の開発要件を定義することからスタートした。そして、両ブランドから受け継いだ1万時間に及ぶ技術革新の成果を結集し、車載オーディオの最高峰「ネイム・フォー・マリナー」が完成されたのだ。
生音を再現するための20のスピーカー
アディティブ・マニュファクチャリングを用いて製作されたベントレー独自のスピーカーバスケットに収められた特注のフォーカルスピーカードライバーを使用することで、パフォーマンスが大幅に向上した。20個のスピーカーシステムは、6つのツイーター、9つのミッドレンジスピーカー、2つのウーファー、2つのアクティブベーストランスデューサー、1つのサブウーファーで構成されている。すべてのミッドレンジ・スピーカーとツイーターは「ネイム・フォー・マリナー」用に新しいスピーカードライバーを搭載し、ウーファーとサブウーファーはリニアリティとダイナミクスを改善するために改良されている。
音質を追求した新技術
パートナーであるフォーカルは、コーンが変形して歪みを引き起こし、ツイーターからの共振を大幅に減少させる周波数に注目した。有限要素解析により、シミュレーションソフトウェアがコーンとバスケットをつなぐサスペンション素材の動的挙動を可視化し、性能向上のための領域を明らかにした。そのため、サスペンション材の重量と形状を調整することで、可能な限り最高のスピーカードライバーを製造することができるようになったのだ。
ミッドレンジとツイーターの新しいスピーカーには、この特許取得済みの「M」コーンが採用されている。単一ピース(ダストキャップなし)から作られた独自の「M」プロファイルは、驚異的な剛性を実現し、スピーカードライバーにとって重要な3つの基準である剛性、軽量性、ダンピングを完璧に兼ね備えている。これにより、低歪率で極めてリニアな周波数特性と、より優れた音の拡散性を実現し、この高度に進化したコーンは、リスニング体験と魅惑的なリアリズムに加え、息をのむようなディテールのレベルを実現する。
このネイム・フォー・マリナーのオーディオシステムは、Spotify、Apple Music、TIDAL、Deezer(ほか多数)に対応しており、ユーザー自身が選んだ音楽、デジタルラジオ、オーディオブックやポッドキャストなどの音声メディアを楽しむことができる。価格は2万5000ポンド(邦貨換算約460万円)と発表されているが、どのような音なのか、今後通常モデルにも展開されることが望まれる。
AMWノミカタ ネイム社の車載オーディオのDSP(デジタル信号処理)技術はこれまでも定評のあるものであった。これをベースに特許取得済みの「M」コーンが採用され、広角に音が拡散するため、車内環境での「オフアクシス」での音質の向上が実現した。このネイム・フォー・マリナーを体験できる機会はなかなか無いかと思うが、ネイム社の家庭用ワイヤレスミュージックシステム「MU-SO」は日本でも購入することが可能だ。きっとネイム・フォー・マリナーに向けたこだわりの一端をこのMU-SOで知ることができるかもしれない。
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