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【AMG由来のV8を生で】アストン マーティン・ヴァンテージ・ロードスターへ試乗

掲載 更新 2
【AMG由来のV8を生で】アストン マーティン・ヴァンテージ・ロードスターへ試乗

AMG由来のV8にトランスアクスル・レイアウト

text:Matt Prior(マット・プライヤー)

【画像】ヴァンテージ オープンスポーツと比較 全104枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


エンターテインメント性を高めた、アストン マーティンが追加された。モデルレンジの中でも、最もスポーツ濃度の高いヴァンテージ。そこへ、オープントップのボディが与えられた。

スポーツ濃度が薄いSUV、アストン マーティンDBXと同時のタイミング。SUV人気の影響は、アストン マーティンにも押し寄せている。しかし、スポーツカーも忘れないで欲しい。2台は、好対照といえるだろう。

新しいヴァンテージ・ロードスターは、期待通りの内容を得ている。基本的にクーペ版と変わらない。プラットフォームもメカニズムも、上質なインテリアも、筆者のお気に入りのまま。

エンジンは、メルセデスAMG由来の4.0L V8ツインターボ。アストン マーティンによるチューニングを受け、最高出力は510psを生み出す。

トランスミッションは8速ATで、トランスアクスル・レイアウト。電子制御デフを介して後輪を駆動する。オプションで7速MTも選べる。

もちろんオープントップ化に伴い、電動のソフトトップを獲得。クーペボディのヴァンテージへ、60kgの車重が追加されている。

前後の重量配分は、アルミニウム構造のおかげで、クーペボディでは49:51。ロードスターでは48:52と、リアへ1%移っている。ルーフシステムの影響で、重心位置もやや高くなった。

ロードスターをクーペのように走らせる

その変化に対応するため、ダンパーとスプリングレートが再調整を受け、リアのロール剛性を高めてある。リア側ではサブフレーム・マウントも新しくなり、ステアリングはマイルド方向へマッピングし直された。

ロードスターをクーペのように走らせることを目的としていたのなら、アストン マーティンは見事に成し遂げている。わずかにボディ剛性は落ちているけれど。

ヴァンテージは、最も攻撃的な肉食動物的なモデルだと、アストン マーティンは表現する。しかし、猛烈な加速をするポルシェ911ターボや、ワイルドさを前面に出すジャガーFタイプなども、そこへ並ぶと思う。

あるいは、ミドシップのマクラーレン・スポーツシリーズと比較して、表現しているのかもしれない。アストン マーティン・ヴァンテージは、そこまでアグレッシブではない。

インテリアには、見事なレザーがふんだんに用いられている。同時に、あまり美しくない、プラスティック製パーツも目に入ってくる。それでもグランドツアラー的な、スポーツカーの雰囲気に溢れている。

アストン マーティンは、ギアの選択をボダンで行う。トランスミッション・トンネルの、ダッシュボード寄りの高い位置にある。

メルセデス・ベンツ由来のインフォテインメント・システム用コントローラーが、操作しやすい場所にレイアウトできている。ほかのメーカーも、真似していいレイアウトだと筆者は思う。

しなやかな乗り心地と優れたハンドリング

心地良い運転席に座ると、ボンネットは前方の遠い位置にある。窓の位置は高く、実際よりボディが大きく感じられる。

動的性能は素晴らしい。クーペボディのヴァンテージのように、まとまりがあり、惹き込まれてしまう。

69.6kg-mという強大なトルクを2000rpmから生み出す、屈強なエンジンがフロントに収まる。グランドツアラー的な雰囲気が強い。特に角の尖った印象もない。クルマの中心で、心地よく運転できる。

乗り心地は落ち着きがあり、3段階のモードが用意されているが、どれも充分にしなやか。最も硬いモードでも、英国の滑らかな路面でなら、許容範囲といえる優しさがある。

ステアリングの操舵感は自然で、重み付けも違和感がない。旋回時のスピードも丁度いい。ロックトゥロックは、2.4回転と比較的クイック。

ハンドリングも素晴らしい。安心感のあるレスポンスで、コーナーに飛び込んでいける。幅広いパワーバンドを活かせば、リアタイヤをわずかにスライドさせるか、大きく降り出すかも思いのままだ。

ヴァンテージ・ロードスターでソフトトップを開閉する時間は、どちらも7秒未満と、驚くほど素早い。しかも49km/hまでの速度なら、受け付けてくれる。

公表されているロードスターの乾燥重量は1628kgと軽いが、いわゆる車重は1780kgとなるだろう。クーペのヴァンテージは、1720kgとなっている。

トラディショナルなフロントグリル

新しいヴァンテージ・ロードスターには、ワイドでシンプルになった新しいフロントグリルが与えられている。アストン マーティンがベーングリルと呼ぶ、クラシカルなデザインのものだ。

バンパー周りの造形も、一緒に新しくなっている。アストン マーティンとしては、小さくないコストがかかっているはず。

筆者の場合は、以前までのモータースポーツ風の挑戦的な造形に見慣れている。しかしアストン マーティンをトラディショナルな雰囲気で乗りたいなら、アヒル口も悪くないデザインだろう。

フロントグリルの雰囲気は、予測の付きやすいヴァンテージの挙動とも、良く合っていると思う。

アストン マーティン・ヴァンテージ・ロードスター(英国仕様)のスペック

価格:12万6950ポンド(1726万円)
全長:4465mm(クーペ)
全幅:1942mm(クーペ)
全高:1273mm(クーペ)
最高速度:305km/h
0-100km/h加速:3.8秒
燃費:8.6km/L
CO2排出量:262g/km
乾燥重量:1628kg
パワートレイン:V型8気筒3982ccツイン・ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
最高出力:510ps/6000rpm
最大トルク:69.6kg-m/2000-5000rpm
ギアボックス:8速オートマティック

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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みんなのコメント

2件
  • 「くやしいですっ!」顔のアストンマーチン。アストンマーチンも空力を意識し過ぎて変なデザインになっちゃった…
    もうエレガントとは言えない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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