マクラーレンはなぜ車を売り始めたの？ あとマクラーレン家に金は行くの？

Answer 1

英国のモータースポーツ業界には、コーリン・チャップマンという、『シティ』（証券取引所があるロンドンの金融街のことで、日本だと兜町に相当する様な場所）では自動車関連の実業家として半ば伝説化されている人物がいます。

チャップマンは大学卒業後、何も持たないところからワールドチャンピンを何度も取る強豪F1チームを作り上げ、インディ500で優勝するレーシングマシンを製作し、また世界一のハンドリングと称される市販スポーツカーを製造・販売する自動車メーカーを興しました。

この会社、『ロータス』っていうんですけど、チャップマンと世代が被るモータースポーツ関連の英国人エンジニアや実業家の多くは、チャップマンが目標となっていました。日本で言うと、本田宗一郎みたいな人物ですね。
『金持ちになる為に』マクラーレンチームを乗っ取った（ホントに文字通りの『乗っ取り』でした）ロン・デニスも例外ではなく、彼の最終目標はチャップマンを超えることでした。

ここでちょっと余談ですが。
かつて『F1の富の4割を手に入れる男』と言われ、何年にも渡り英国の長者番付トップ10に入っていたFOCAの元会長バーニー・エクレストンは、若い頃ロータスでチームマネージャーを務めており、レーシング・ビジネスに於けるチャップマンの直系の弟子でした。
また世界最大のレーシングエンジン製造会社、コスワース社の創始者キース・ダックワースとマイケル・コスティン（コスティンとダックワースで『コスワース』）は、共にロータスのレーシングチームのエンジニアで、チャップマンの『やり方』で働いていました。（コスティンに至っては、馬小屋でクルマを組み立てていた時代からロータスをF1の強豪チームにまで成長させた『張本人』の一人でした。）
英国のレーシングビジネスやスポーツカービジネスに於いて、チャップマンの影響は計り知れない、という話です。投資界隈で英雄視されているのもうなずけます。

さて話を戻して。
ロン・デニスがやったのは、チャップマンがやったような『レーシングカーをロードカーとして売る』では無く、F1での名声を全面的に使った高級車の販売です。（フェラーリの商売そのものです。）

それで作られたのがマクラーレン・カーズ（現在のマクラーレン・オートモーティブ）という会社で、デニスはこの市販車メーカーを自分の手元に残したかったのか、後にF1をやっているマクラーレン・レーシングとは分離した別会社としました。

『欲に目が眩んだ』のか何なのか、今となってはこの分社・独立がデニスの失敗だったと思います。
スーパーカー/スポーツカービジネスがモータースポーツに強く影響されているのは明らかですが、F1という『実績』を失った市販車マクラーレンは、スーパーカー/スポーツカー市場に於いて、フェラーリやかつてのロータスの様な『神通力』を明らかに失いました。（要するにブガッティやランボルギーニと同類となったということです。純粋な性能だけを見るとブガッティやランボルギーニはスゴイクルマですが、ビジネスとしてメーカーブランド力を見た場合、フェラーリやポルシェに匹敵するものではありません。クルマに限らずバイクでも家電でもファッションでも食品でも、あらゆる商品でブランド力は、それだけで莫大な『カネ』になります。）

>あとマクラーレン家に金は行くの？

行きません。テクニカル・アヴァンギャルド（テクニーク・ダバンギャルド＝TAG）という中東の技術系投資グループのカネを引き込んだ時点で、『マクラーレン』はブランド名として買い取られています。（この中東のカネを引き込んだことが裏目に出て、後にロン・デニスはマクラーレングループから追放されるワケですが・・・まぁ、ブルース・マクラーレンの親友、テディ・メイヤー時代のマクラーレンを知ってる者にとっては、『ざまぁみろ』って感じですが。）

Answer 2

1980年代末、当時F1などで大儲けしていたマクラーレンのロンデニスがその成功を大々的に広めるためにマクラーレンF1を開発、販売し始めました

創業者ブルースマクラーレンをその系統は株式を持っていないので1円もお金は流れません。