なぜWRCがグループBだった頃、アウディはプジョー、ランチア、フォード、ポルシェなどのライバルがミッドシップの4WDやMR、リアエンジンを採用する中、フロントエンジンの4WDを採用したのでしょうか？

Answer 1

質問が面白かったので調べてみました。

アウディ・スポルトは本社上層部に内緒で、1984年頃からミッドシップ・クワトロと、グループS用のRS002を開発しています。
https://rallygroupbshrine.org/group-s/audi-quattro-mid-engine-gr-b-proto-audi-sport-quattro-rs002-gr-s-proto/

極秘に開発を進めていたものの、ミッドシップ・クワトロのテスト走行がスクープされ、上層部からプロジェクトを止められた、それでも開発を続けました。親会社のVWにとって、クワトロのラリー活動は市販車の技術的優位性を示すためのもので、プジョーやランチアの怪獣グループBカーに負け始めると、競技活動を続ける意味が無くなったものと思われます。
1986年末のグループB廃止及びグループS消滅で、世に送り出されるチャンスを失ったのでした。
グループS車両はドイツの2ヶ所の博物館で展示されているそう。

グループBでクワトロが成功する→ライバルがミッドシップ4WD車を作る→対抗するためにアウディがミッドシップ4WD車を作る、という流れのため、開発時期が他に比べて遅いということだと思います。

Answer 2

当初は他社が４ＷＤを採用していなかったから、フロントエンジンでも充分戦闘能力はあった。
しかしそれに対抗して他社がグループB仕様にとんでもないクルマをどんどん投入し勝てなくなって、最後の悪あがきでグループB仕様のホイールベースを20センチもぶった切ったシュポルトクアトロを投入したが失敗に終わった。

Answer 3

アウディ・クアトロは「世界初のフルタイム４ＷＤ市販車」の触れ込みでデビューしました。その性能をアピールするためにＷＲＣに参加しました。４ＷＤシステムの重量増と信頼性を懸念したライバルの多くは後輪駆動を選択しました。低回転域が弱いとされるターボを採用していましたが、圧倒的なパワーと４ＷＤ（クアトロシステム）であっという間にＷＲＣを席巻。これを見たライバルも４ＷＤ車を計画。直列５気筒をフロントに積み、フロントヘビーからくる、強いアンダーステアに苦しむクアトロを超えるべく他メーカーはミッドシップ４ＷＤに成りました。クアトロのＰＲを主題としていた上に、当時はアウディ自体がそれほど大きな会社ではありませんでした。何よりミッドシップを作るノウハウがなかったのでクアトロはフロントエンジンであり続けざるを得なかったのでしょう。

Answer 4

アウディは「市販車」＋「4WDの威力」を示すためWRCに出場を決めました。

アウディがモータースポーツの為に車を開発する場合、それを正当化するマーケティング的理由が絶対に必要なんだそうです。

→アウディクワトロも市販車のイメージアップを目的としていた為、逆に市販車のしがらみから抜けることも出来ませんでした。


当初は不利なレイアウト（フロントオーバーハングに縦置きエンジンで超フロントヘビー）も4WDの圧倒的威力で勝利しましたが、結局リヤミッドエンジン4WD車が出てくると重量配分で不利になり撤退します。

実はスバルもフロント水平対向レイアウトが重量配分で不利になり、横置きレイアウトの欧州WRカーに勝てなくなりました。


関係者が証言していますが、実はアウディもフロントエンジンでは通用しないのを分かっておりミッドシップのグループS試作車を作っていたそうです。ピエヒの指示で極秘に作っていたので表には出ませんでしたが、その試作車が見つかり博物館に展示されてます。

Answer 5

ブランド力のアップよりも、
その関連市販車のセールスを選択したからです。

Answer 6

アウディの車体構成が、フロントエンジンのAWDをベースとして作られた為です。

アウディはAWDを業界初で持ち込んだ経緯も有り、冒険は避けたかったのでしょう……
後発のメーカーは、それをベースとして参考に出来るため、冒険が可能だったのです……