現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【ヒットの法則350】エクスプローラー スポーツトラックはSUVにアクティブなベッドを合体した新ジャンルだった

ここから本文です

【ヒットの法則350】エクスプローラー スポーツトラックはSUVにアクティブなベッドを合体した新ジャンルだった

掲載 更新 1
【ヒットの法則350】エクスプローラー スポーツトラックはSUVにアクティブなベッドを合体した新ジャンルだった

2007年6月、フォード エクスプローラー スポーツトラックがこの2代目から日本に正規輸入された。SUVのエクスプローラーをベースにボディ後部にベッド(荷台)を設けたピックアップだが、アメリカでは「スポーツユーティリティトラック」と呼ばれ、当時「新しいコンセプトのSUV」として注目を集めた。ここでは当初日本に導入されたV6エンジン搭載モデル「スポーツトラックXLT」の試乗記を振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2007年8月号より)

アメリカブランドのイメージを前面に打ち出す
欧州車に興味を持っている人にとって「フォード」といえば、フィエスタ、フォーカス、モンデオ、そしてC-MAXなどといった、欧州マーケットで高い評価を受けているモデルたちをラインアップするブランドだと理解されている。だがそれは、あくまでもクルマに強い興味を持っている人にとっての話。日本で「フォード」といえば、GMやクライスラーと同じく、アメリカを代表するブランドだと考えている人々の方がまだまだ多いだろう。

●【くるま問答】ガソリンの給油口、はて? 右か左か、車内からでも一発で見分ける方法教えます(2020.01.21)

かつてフォードには、「北米フォード」と「欧州フォード」という2つのディビジョンがあった。どちらも正真正銘の「フォード」であるが、それぞれの市場にふさわしいモデルをラインアップしてきたという歴史を備えている。現在では一つに統合されているが、ラインアップされているモデルを見ればわかるように「アメリカ志向のフォード車」と「欧州志向のフォード車」という2つの流れは明確に存在している。マスタングとフォーカスを見れば、その違いは理解できるだろう。

日本市場においてフォードは、かつてはアメリカ車としてのイメージで定評を得ていた。しかし、時代の流れもあってアメリカ車不振の時代を迎え、1980年代にマツダとの提携から誕生した日本製フォード車の登場もあってそのイメージは複雑化。ここ最近は、折からの欧州車人気の高まりもあって、フォーカスに象徴される「欧州車ブランドのフォード」というイメージを前面に打ち出してきた。しかし、そのような背景を備えているだけに、確固とした「フォード」ブランドのイメージ構築に成功した、とはいい難い状態であったのも事実だ。

ところが、「メイク エブリディ エキサイティング」という、心の高揚を覚える商品を提供し、それによってエキサイティングな日々を提供するというコアコンセプトのもとで、新型マスタング、新型エクスプローラーというモデルの導入を行った現在のフォードジャパンからは、自らのブランドイメージをハッキリとわかってもらいたいという強い意気込みを感じる。そしてその最新モデルが、このエクスプローラー・スポーツトラックXLTである。つまり現在のフォードジャパンは、「アメリカならではのフォード」という路線を強く押し出す方向へ舵を切った、という風にも理解できる。

アメリカでは2006年に登場した2世代目のエクスプローラー・スポーツトラック。実際に試乗してみて、正直言って本当に驚いた。これこそ目からウロコ、である。

1ナンバーのトラックということに? フォードのベストセラーピックアップトラック、F150をイメージさせるルックスに? ドアハンドルからベッドのトノカバーから、操作には力が必要なことに?

違う。何よりも、その驚くほどに滑らかで心地よい乗り味と、その大きさを感じさせない運転のしやすさに心底、感動したのだ。

その名の通り、このモデルのベースとなっているのは、エクスプローラー。同モデルは、騒音や振動の遮断にメリットが大きいラダーフレーム構造を採用しているが、スポーツトラックはそのラダーフレームを425mm延長して、ホイールベースを3315mmへと延伸。もちろん、延長に伴ってクロスメンバーを追加するなどフレームの強化も同時に実施されている。そのフレームに、前後2列のシートを備える5シーターのダブルキャビンを搭載。そして、後部のベッド(荷台のこと)にはしっかりと密閉できるロック機能付きハードトノカバー(脱着可能)を装備する。搭載エンジンは4L V6SOHC、左ハンドル仕様の4WDモデルのみである。

多用途性や機能性を象徴するベッドの素材には、耐腐食性と軽量化を実現するための複合素材SMC(シートモールディングコンパウンド)を使用。そのスペースは長さ1280×幅1415×高さ555mmで、最大積載量は250kgと十分なものである。

5速ATとの組み合わせから生まれる走りは十分にダイナミックで、そして洗練されていた。エクスプローラーよりも快適だと表現したいくらいである。「Truck」ではなく「Trac」という名を与えられたスポーツトラック。それは「トラック」という固定イメージを覆す内容を備えている。(文:香高和仁/Motor Magazine 2007年8月号より)



フォード エクスプローラー スポーツトラックXLT 主要諸元
●全長×全幅×全高:5370×1870×1840mm
●ホイールベース:3315mm
●車両重量:2230kg
●エンジン:V6SOHC
●排気量:4009cc
●最高出力:213ps/5100rpm
●最大トルク:344Nm/3700rpm
●トランスミッション:5速AT
●駆動方式:4WD
●車両価格:398万円(2007年)

[ アルバム : フォード エクスプローラー スポーツトラック はオリジナルサイトでご覧ください ]

【キャンペーン】マイカー・車検月の登録でガソリン・軽油7円/L引きクーポンが全員貰える!

こんな記事も読まれています

なぜヘッドライトは「黄ばむ」のか!? なんか「暗く」なった? ライトがめちゃ「くすんでる」理由とは
なぜヘッドライトは「黄ばむ」のか!? なんか「暗く」なった? ライトがめちゃ「くすんでる」理由とは
くるまのニュース
【MotoGP第4戦スペインGP】スプリント10位、決勝14位で終えた中上貴晶選手。限界を感じるなか厳しい週末に
【MotoGP第4戦スペインGP】スプリント10位、決勝14位で終えた中上貴晶選手。限界を感じるなか厳しい週末に
バイクのニュース
マセラティの全長5m超えサルーン!! [クアトロポルテ]の意味が直球すぎる! 迫力と豪華さがマジで凄いのよ
マセラティの全長5m超えサルーン!! [クアトロポルテ]の意味が直球すぎる! 迫力と豪華さがマジで凄いのよ
ベストカーWeb
たとえ不人気でもセダンとステーションワゴンには絶対的な価値がある! SUVやミニバンが「取って代われない」存在だった!!
たとえ不人気でもセダンとステーションワゴンには絶対的な価値がある! SUVやミニバンが「取って代われない」存在だった!!
WEB CARTOP
フォーミュラE、次世代レーシングカー『GEN3 Evo』発表…0-60mph加速1.82秒
フォーミュラE、次世代レーシングカー『GEN3 Evo』発表…0-60mph加速1.82秒
レスポンス
【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】全国の道路別・渋滞予測まとめ!
【ゴールデンウィーク渋滞予測2024】全国の道路別・渋滞予測まとめ!
くるくら
日産「次期エクストレイル」登場か! 市販化予定の「新型SUV」世界初公開! ド迫力の「斬新モデル」は“ゴツゴツデザイン”採用で北京登場
日産「次期エクストレイル」登場か! 市販化予定の「新型SUV」世界初公開! ド迫力の「斬新モデル」は“ゴツゴツデザイン”採用で北京登場
くるまのニュース
一体どうすればいい? 乗れなくなったバイクの廃車手続き
一体どうすればいい? 乗れなくなったバイクの廃車手続き
バイクのニュース
クラシックカーフェスティバル in 関東工大…同乗体験も!
クラシックカーフェスティバル in 関東工大…同乗体験も!
レスポンス
イモラで完走、進歩を確信するイソッタ・フラスキーニ陣営「さらなる努力ともう少しのリソースがあれば……」
イモラで完走、進歩を確信するイソッタ・フラスキーニ陣営「さらなる努力ともう少しのリソースがあれば……」
AUTOSPORT web
【ギャラリー】アイルトン・セナの愛車をイラストで振り返る
【ギャラリー】アイルトン・セナの愛車をイラストで振り返る
motorsport.com 日本版
没後30年。アイルトン・セナとホンダの”絆”を、マネージャーの言葉で振り返る「彼はホンダに対して誠実だった」
没後30年。アイルトン・セナとホンダの”絆”を、マネージャーの言葉で振り返る「彼はホンダに対して誠実だった」
motorsport.com 日本版
高速で動物なんて見かけない……と思っていたらなんと年間5万件も起こっている! 高速での「ロードキル」の実態とは?
高速で動物なんて見かけない……と思っていたらなんと年間5万件も起こっている! 高速での「ロードキル」の実態とは?
WEB CARTOP
【ヤマハ XSR900GP】開発者が語る「ただの80年代オマージュやレプリカを作ったわけじゃない」
【ヤマハ XSR900GP】開発者が語る「ただの80年代オマージュやレプリカを作ったわけじゃない」
レスポンス
日産が「4ドアコンパクトセダン」を披露! 全長4.4mに5速MT搭載! めちゃスポーティな“画期的セダン”「プリメーラ」に大反響
日産が「4ドアコンパクトセダン」を披露! 全長4.4mに5速MT搭載! めちゃスポーティな“画期的セダン”「プリメーラ」に大反響
くるまのニュース
【MotoGP】ヤマハは旋回性に難アリ。クアルタラロ、スペインGP決勝では腕上がり問題に悩まされる「中盤からペースを落とした」
【MotoGP】ヤマハは旋回性に難アリ。クアルタラロ、スペインGP決勝では腕上がり問題に悩まされる「中盤からペースを落とした」
motorsport.com 日本版
鳥取‐島根150kmがつながる!「山陰道」出雲の“断絶区間”が2024年度ついに開通へ
鳥取‐島根150kmがつながる!「山陰道」出雲の“断絶区間”が2024年度ついに開通へ
乗りものニュース
子どもの水遊びに安全性をプラスする「LOGOS KIDSフローティングベスト」がロゴスから発売!
子どもの水遊びに安全性をプラスする「LOGOS KIDSフローティングベスト」がロゴスから発売!
バイクブロス

みんなのコメント

1件
  • 中古でも今だに魅力的で、
    今の車を買うときに、候補に挙げたうちの一台ですが、
    537cmの全長がネックでNGになりました。

    しかし、この車格で400万円切りだったのがビックリです。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

398.0498.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

125.8248.8万円

中古車を検索
エクスプローラースポーツトラックの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

398.0498.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

125.8248.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村