現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 最新世代マセでサーキットしかもトロフェオ マセラティ・グレカーレ/グラントゥーリズモ

ここから本文です

最新世代マセでサーキットしかもトロフェオ マセラティ・グレカーレ/グラントゥーリズモ

掲載
最新世代マセでサーキットしかもトロフェオ マセラティ・グレカーレ/グラントゥーリズモ

盤石の現行マセラティ、飛ばしてみたい!

かつて、いわゆるビトゥルボの時代のマセラティはカウンター的な存在だった。

【画像】マセラティ「グレカーレ・トロフェオ」/「グラントゥーリズモ・トロフェオ」サーキット試乗の様子をみる 全99枚

カクカクとした形状のハコ車であるにもかかわらず色気を放つボディと、これ以上ないほど豪奢な革内装の組み合わせは鮮烈。そこにパンチの効いたV6やV8のターボエンジンが搭載されていたのだから好き者にはたまらない。

だがそれでも、なかなかポピュラーな存在になっていかなかったのは信頼性の問題がついて回っていたからだろう。当時は取材で借り出しても、2~3日のうちにはどこかが壊れてしまうほどだった。当時のマセラティは相当な覚悟がないと飛び込めない、そんな特別な世界の住人だったのである。

そんな昔のネガティブな話から書きはじめてしまったのは「あのマセラティがいまや!」という感慨深さからである。今回の試乗会では話題のプレチャンバーを備えたマセラティ自製のV6エンジン、ネットゥーノを搭載したモデルをサーキットで試乗できるという。

現在のマセラティはクロスオーバーSUVのグレカーレやレヴァンテ、4ドアセダンのギブリとクアトロポルテ、そしてグラントゥーリズモやMC20まで幅広いラインナップが揃っており、試乗できる機会も格段に増えている。

それでも公道をゆったりと走らせたことばかりだったことに最近気がついた。ブランド力とポテンシャルが飛躍的に高まった現行のマセラティは飛ばすとどうなのか? 大いに気になるところだったのである。

グレカーレ、意外なほどシャシーファスター

今回、袖ケ浦フォレストレースウェイで開催された試乗会は、サーキット走行とは言ってもヘルメットをかぶって全開でラップを刻むようなスタイルではない。

先導車がペースをコントロールしつつ周回し、公道より少し上のスピードレベルで走りを試す。

といってもひとつのコーナーでスキール音を上げ、軽くアンダーオーバーを試すくらいの走りもできなくはなかった。最初に乗り込んだのはグレカーレ・トロフェオである。

ネットゥーノはモデルごとにスペックが異なっており、グレカーレのそれは530ps版。ちなみにグラントゥーリズモの場合、モデナが490ps、トロフェオは550psとなる。

ステアリング上のダイヤルで走行モードをスポーツにしてダンパーを引き締め、全開でピットアウト。今回主役のネットゥーノは、グレカーレの場合は黒子に徹しているように感じた。おそらくピークパワーを抑えたかわりに中間トルクを太らせているのだろう。

エンジンより目立っていたのはエアスプリングのアシ捌きや駆動系の所作だった。高速コーナーで思い切り旋回Gをかけても倒れ込むような感じは皆無。駆動系も強力なデフロックが効いている後輪だけで積極的にかいている感じ。

2トンを超える車重なのに、その走りは素直なFRスポーツカーのよう。それでいて低速コーナーからの立ち上がりでリアが暴れそうになると、微かに前輪が引っ張ってくれてオンザレールに戻る一連の動きは、最新の賢いAWDモデルならでは。背の高いボディに騙されてはいけないのである。

禁を破って垣間見たリアル・マセラティ

今回最もサーキットで体感してみたかったのはグラントゥーリズモである。

先月、筆者が公道で試乗したレポートがAUTOCAR JAPANにアップされており「図抜けたプレミアムカー」と締めくくっているのだが、実はそこにはスピードに関する要素が含まれていない。都内で徘徊しつつ試乗したそれは、大きくてゆったりしたラグジュアリーカー、以上という感じ。

今回先導車を務めたグレカーレのドライバー氏はせっつくと少しペースを上げてくれた。実際にグラントゥーリズモ・トロフェオのタイヤが鳴く領域に踏み込むにはけっこうなスピードが必要になるのだ。

然るべきスピードで走って感じたのはフロントエンドの軽さだった。公道では全く感じなかったのだが、長いフロントノーズとコンパクトなV6エンジンによるフロントミッドシップの効果は確かにあったのである。

リアの挙動にはさらなる感動があった。550psもあって駆動はリア偏重のAWDとなればESCオンでも瞬間的にテールを振り出せそうなものだが、これがピタッと安定して崩れない。

ターボの掛かりにクセがないネットゥーノのパワー特性も安定性に効いているはず。でももしかしたらESCが暗躍している? そこで試乗会の禁を破り(!)ちょっとの間だけコルサ・モード(ESC全オフ)で攻めてみたのだが、結果は同じだった。

タイヤとエアサスが粘るというより、50:50に近い重量配分&前後オーバーハングの軽さが効いている感じがした。大柄ですこぶる豪華な内装だけど、走りはモダンでスポーティ。これぞリアル・マセラティ、そう実感できたのである。

試乗車のスペック

マセラティ・グレカーレ・トロフェオ

価格:1520万円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4860×1980×1660mm
最高速度:285km/h
0-100km/h加速:3.8秒
駆動方式:AWD
車両重量:2030kg
パワートレイン:V型6気筒DOHC2992cc+ツインターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:530ps/6500rpm
最大トルク:63.2kg-m/2750rpm
ギアボックス:8速オートマティック
タイヤサイズ:255/40ZR21(フロント)295/35ZR21(リア)

マセラティ・グラントゥーリズモ・トロフェオ

価格:2998万円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4965×1955×1410mm
最高速度:320km/h
0-100km/h加速:3.5秒
駆動方式:AWD
車両重量:1870kg
パワートレイン:v型6気筒DOHC2992cc+ツインターボ
使用燃料:ガソリン
最高出力:550ps/6500rpm
最大トルク:66.28kg-m/2500rpm
ギアボックス:8速オートマティック
タイヤサイズ:265/30ZR20(フロント)295/30ZR21(リア)

こんな記事も読まれています

フェラーリSF90 XX スパイダーへ試乗 胸が打たれるほど「公道」で素敵 HVの総合1030馬力!
フェラーリSF90 XX スパイダーへ試乗 胸が打たれるほど「公道」で素敵 HVの総合1030馬力!
AUTOCAR JAPAN
「ルビコン」と「サハラ」は別用途 【ジープ新型ラングラーを早速試乗】 その違いとは?
「ルビコン」と「サハラ」は別用途 【ジープ新型ラングラーを早速試乗】 その違いとは?
AUTOCAR JAPAN
可能性は感じる ケド「宿題」も多い オモダ5 プロトタイプへ試乗 1.6Lターボの新型SUV
可能性は感じる ケド「宿題」も多い オモダ5 プロトタイプへ試乗 1.6Lターボの新型SUV
AUTOCAR JAPAN
悪路のスーパーヒーロー ジープ・ラングラーへ試乗 ロックレールで側面衝突に対応 12.3型モニター獲得
悪路のスーパーヒーロー ジープ・ラングラーへ試乗 ロックレールで側面衝突に対応 12.3型モニター獲得
AUTOCAR JAPAN
レクサスの中国製コピー? 上級ワンボックスEVが英国上陸 マクサス・ミファ9へ試乗 価格なりの高水準
レクサスの中国製コピー? 上級ワンボックスEVが英国上陸 マクサス・ミファ9へ試乗 価格なりの高水準
AUTOCAR JAPAN
「ゲレンデ」にも電気の時代が来た! メルセデス・ベンツGクラス G 580へ試乗 破壊的に速い4モーター
「ゲレンデ」にも電気の時代が来た! メルセデス・ベンツGクラス G 580へ試乗 破壊的に速い4モーター
AUTOCAR JAPAN
【最新モデル試乗】モーターとエンジンの「いいとこ取り」。時代を先駆けるクラウン・スポーツPHEVの迫力世界
【最新モデル試乗】モーターとエンジンの「いいとこ取り」。時代を先駆けるクラウン・スポーツPHEVの迫力世界
カー・アンド・ドライバー
ジープ・アヴェンジャー 詳細データテスト 低重心ゆえの良好な操縦性 日常的な乗り心地には注文あり
ジープ・アヴェンジャー 詳細データテスト 低重心ゆえの良好な操縦性 日常的な乗り心地には注文あり
AUTOCAR JAPAN
249km/hに耐えるソフトトップ メルセデス・ベンツCLE 450 カブリオレへ試乗 美しい海岸線を味わいたい
249km/hに耐えるソフトトップ メルセデス・ベンツCLE 450 カブリオレへ試乗 美しい海岸線を味わいたい
AUTOCAR JAPAN
スーパーSUVの本命、ついに日本で乗った!──新型フェラーリ プロサングエ試乗記
スーパーSUVの本命、ついに日本で乗った!──新型フェラーリ プロサングエ試乗記
GQ JAPAN
【最新モデル試乗】新たなオールマイティSUV登場! 三菱トライトンはメルセデスGクラスより強い存在感を放つ
【最新モデル試乗】新たなオールマイティSUV登場! 三菱トライトンはメルセデスGクラスより強い存在感を放つ
カー・アンド・ドライバー
【ベンテイガに次ぐ稼ぎ頭】 ベントレー新型コンチネンタルGTを予告 第四世代はハイブリッドへ
【ベンテイガに次ぐ稼ぎ頭】 ベントレー新型コンチネンタルGTを予告 第四世代はハイブリッドへ
AUTOCAR JAPAN
【独占速報】ヤマハXSR900 GP試乗「サーキット編」YZR500デザインなら、スーパースポーツを追い回せる!?
【独占速報】ヤマハXSR900 GP試乗「サーキット編」YZR500デザインなら、スーパースポーツを追い回せる!?
モーサイ
メルセデスAMGの「超高性能モデル」サーキットでの印象は? ルックスは迫力満点!“闘争心あふれる走り”も新型「GTクーペ」の持ち味です
メルセデスAMGの「超高性能モデル」サーキットでの印象は? ルックスは迫力満点!“闘争心あふれる走り”も新型「GTクーペ」の持ち味です
VAGUE
ランボルギーニ「ウラカン」が登場から10年! V10自然吸気エンジンにこだわって進化した歴代モデルを8台を紹介します
ランボルギーニ「ウラカン」が登場から10年! V10自然吸気エンジンにこだわって進化した歴代モデルを8台を紹介します
Auto Messe Web
MスペックのMはミドルハースト? スカイラインGT-Rで成功した男(2) レザーシートはロールス・ロイス製
MスペックのMはミドルハースト? スカイラインGT-Rで成功した男(2) レザーシートはロールス・ロイス製
AUTOCAR JAPAN
さよならV10&ハローV8ツインターボ!ランボルギーニ ウラカン後継車は高回転型800馬力V8ツインターボ搭載の野獣!
さよならV10&ハローV8ツインターボ!ランボルギーニ ウラカン後継車は高回転型800馬力V8ツインターボ搭載の野獣!
AutoBild Japan
フェラーリのカリスマ、ルカ・ディ・モンテゼーモロが成し遂げたこと 【第6回】フェラーリの「改善」とマセラティの「再建」
フェラーリのカリスマ、ルカ・ディ・モンテゼーモロが成し遂げたこと 【第6回】フェラーリの「改善」とマセラティの「再建」
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

896.01476.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

828.01740.0万円

中古車を検索
グレカーレの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

896.01476.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

828.01740.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村