マークX130後期のインチアップについてです。 純正タイヤが215 60 16 95Hで指定空気圧が2.5です。

Question

インチアップして225 40 19にしようと思うのですがロードインデックスが93のものしかなく、純正の負荷能力690のところ93だと2.9kの空気圧にしても650の負荷能力にしかなりません。危険ということでしょうか？また、2.9以上いれれば負荷能力はあがるのでしょうか。

Answer 1

結論から申し上げると「225/40R19 93XL」の場合は、250kPa(2.5キロ)以上の空気圧で対応できます。270kPaくらいまで上げてもよいですね。理由も併せて説明しますが、既にご存じの内容ばかりでしたら申し訳ありません。

◆ メーカー指定空気圧

ロードインデックス（以下「LI」）は負荷能力(耐荷重性能)を示す指標ですが、タイヤの空気容量が大きい程より高い値となり、負荷能力も高まります。同じ空気容量でも空気圧を高めることで負荷能力が高まりますが、与えられているLIにより負荷能力には上限があります。
例えば、「215/60R16 95」のLIはJATMA規格の「95」となります。最大負荷能力は1輪当たり690kgありますが、以下の一覧のように空気圧240kPaが負荷能力を引き上げる上限空気圧で、指定空気圧の250kPa入れても負荷能力は690kPaのままなのですね。

＜JATMA LI=95＞
690kg/260kPa
690kg/250kPa
690kg/240kPa
675kg/230kPa
655kg/220kPa
640kg/210kPa
620kg/200kPa
600kg/190kPa

◆ 130マークXに必要な負荷能力

では、130マークXの場合、最低限の必要な負荷能力はどれぐらいなのでしょうか。最も軽い2.5L FRモデルの車両総重量は1,785kg、最も重たい4WDモデルで1,845kgになります。重量配分はFRモデル52:48、4WDモデル54:46程度と仮定します（車検証に車両重量に対する前後荷重記載されていますが、積載方法等で変わるのでここでは概算です）。荷重の大きい前輪で1輪当たり464～498kgの負荷能力、さらに余裕を10％持たせると1輪当たり510～548kg程度の負荷能力が必要との概算です。

＜車両総重量1,785kgの2WDモデル ＞
前輪荷重配分=52％ 464kg→10％増 510kg（概算）

＜車両総重量1,845kgの4WDモデル＞
前輪荷重配分=54％ 498kg→10％増 548kg（概算）

あくまでも概算ですが、1輪当たり550kgの負荷能力があれば問題なさそうですね。よって、純正タイヤのJATMA95で指定空気圧250kPaというのは、負荷能力690kgもあり、負荷能力だけをみると、必要以上に余裕のある空気圧ということになります。

つまり、130マークXの指定空気圧については、負荷能力よりも「215/60R16 95」を履いた場合の乗り心地や運動性能や燃費性能等がバランスする空気圧として設定されていることがわかります。

◆ インチアップ

インチアップをするとタイヤが薄くなり空気容量が減ります。結果ロードインデックス下がり、負荷能力も下がります。よって、空気圧を高めて補うのですが、先に示したJATMA規格のタイヤだと240～250kPaが負荷能力を引き上げる上限なのです。なので、インチアップに使用されるであろうサイズに関しては、タイヤメーカー側で予め「エクストラロードタイヤ」（レインフォースドタイヤ）に設定され、最大負荷能力を得られる空気圧が290kPaまで高められます。質問者様の候補の「225/40R19 93XL」というのはエクストラロードタイヤで、欧州のETRTO RENF規格に準じたものです。以下、ETRTO RENF規格のLI＝93XLの負荷能力対応表です。

＜ETRTO RENF LI=93XL＞
650kg/290kPa
630kg/280kPa
615kg/270kPa
595kg/260kPa
575kg/250kPa
560kg/240kPa
540kg/230kPa

先程、130マークXは、恐らく550kg以上の負荷能力が必要ではないかと書きました。上記では240kPaあれば満たされることとなります。純正指定が250kPaですので、わたしが250kPa以上としている理由はそこにあります。

◆ タイヤメーカーの見解

今回の事例で純正タイヤのLI=95 → LI=93XLへの交換は、タイヤメーカーでは不適合との回答になります。タイヤメーカーの保身で、説明がややこしいため、純正よりLIが低下するのは一律でＮＧというわけですね。また、日本の自動車メーカーでは、基本はエクストラロードタイヤを純正指定にしません。理由は同じ負荷能力を得るのに高めの空気圧を入れなければならず、乗り心地が悪化するためです。
ETRTO RENF規格の「225/40R19 93XL」をJATMA規格にすると「225/40R19 89」とLIが４ポイント落ちます。この場合でも、負荷能力は580kg/240kPaありますので、このまま純正採用される可能性はありましたね。ちなみに「225/40R19 93XL」で同じ負荷能力を得るには250-260kPa必要になります。

◆ 235/40R19 96XL という選択も

タイヤ幅を1センチ上げると空気容量も上がりLI=96XLになります。タイヤ外径も1.2％増ですので車検もディーラー整備も問題ありません。フェンダーとタイヤの隙間も4mm狭くできます。

＜ETRTO RENF LI=96XL＞
710kg/290kPa
690kg/280kPa
670kg/270kPa
650kg/260kPa
630kg/250kPa
610kg/240kPa

長くなり失礼いたしました。ご不明な点などございましたら、追加でご質問いただけましたら幸いです。