スバル XV 「ほのかなアメリカの香り」のユーザーレビュー

RT141N14 RT141N14さん

スバル XV

グレード:2.0i-S アイサイト_AWD(CVT_2.0) 2017年式

乗車形式:レンタカー

評価

4

走行性能
4
乗り心地
4
燃費
3
デザイン
3
積載性
4
価格
4

ほのかなアメリカの香り

2022.8.18

総評
レンタカーとして2017年式・走行約78000kmの個体を4日間ほどお借りしました。
水平対向エンジン+4WDの特徴を生かしたシャシのレベルの高さ、そして道具感やよい意味での「オモチャ感」を感じさせる全体的な意匠は実用車としては十分に魅力的だと思います。
満足している点
Cセグメント実用車としてはまずまず真っ当にできていると思いました。全体的には実直でさほど気取りがなく、その点ではアメリカの小型車に通じるものがあります。
高速道路ではスバル目玉の「アイサイト」の運転支援機能も試してみましたが、もっぱらこれに頼って運転する人が多くてもおかしくはないと感じられるほど制御はかなり自然でした。
不満な点
まず、日本車にしてステアリングホイールがシート中心線に対して明らかに左へ(20mmほど?)オフセットしているところは大減点項目です。ここもアメリカ的、といわれればそうかもしれませんが。

車内装置の使い勝手にもあちこち疑問がありました。
ダッシュボード中央両側に縦長の空調吹出口がありますが、これを動かして風向きを変えようとするとすぐ隣のタッチパネルに意図せず触れてしまい表示が動いてしまいます。
また、ダッシュボード最上部中央前端に置かれたモニター画面は視線移動を減らすつもりだったのかもしれませんが、空調設定の表示もここにまとめてしまったために設定温度を変えようと思ったら一旦視線を一番下にある操作パネルに落としてダイヤルをつまんだ後に大きく視線を移して上のモニターを見ながらダイヤルを回さなければなりません。ダイヤル自体のクリック感も若干曖昧なこともあって、これは逆に危険だと思います。

あと価格を考えれば致し方ないところかもしれませんが、外側ドアハンドルを操作しただけでドアパネルの共振音が響くところは(以前乗ったエクシーガも同じでしたが)もう少し何とかならなかったのかと思います。

最後に半分言いがかりですが、後退時の通知音が乗ったことのある少し前のBMW車(E87・F30前期型)そっくりで、「パクりか?」と思ったこと、そしてスバル車全般の話ですが変に独自性を出そうとしたのか微妙な曲線を混じえたメーターの数字フォントがあまりセンスを感じられないことも付け加えておきます。
デザイン

3



「野暮ったさがスバルの伝統」と勝手に思っていますが、近年はそれに加えてやたらとディテールが煩いモデルが増えました。特にレヴォーグなどは全体的なプロポーションが「崩壊」といってもよいほど不均衡に見える上に細部も意味不明に凝りすぎて見るに堪えませんが、このXVはそこまであざとい造作もない上に元来の遊びグルマ的性格も手伝って、外装色のオレンジも映えて見えるなどなかなか悪くない印象です。

内装については、オプションの黒革シートやトリムにオレンジ色のステッチ(外装色にかかわらずこれらしいです)を施したあたりはまずまずの雰囲気ですが、これまたスバルの悪癖かダッシュボードやトリムに配されたピアノブラックやカーボン「調」のパネルなどはおよそ統一感に欠け、いかにも取って付けたようにしか見えません。前に試乗した初代BRZ STIスポーツでも脈絡のないボルドー色のアクセントが無造作に散らばっていたのを思いだします。
走行性能

4

今回お借りした1台は純エンジン車でしたが、その後のマイナーチェンジでモーターと組み合わされe-BOXERと銘打つマイルドハイブリッドになっています。
そのエンジンはFB20型2L水平対向4気筒DOHCです。最大出力とトルクはそれぞれ154PS/6000rpm・20.0kgf-m/4000rpmで、車重1450kgにフル乗車では高速道路の追い越しもまあ何とか蛮勇をふるわずに済むかというレベルです。1.6L版は推して知るべし、というところでしょう。


組み合わされるのはリニアトロニックと称するCVTです。CVTといえば普段はやたらとエンジン回転を抑えつけるせいで少しの負荷増にも耐えられずギア比を下げて車内は喧噪に満たされる…というイメージですが、このXVではそういう極端な制御ではなくアクセルを少し踏み足した程度ではそのままのギア比で負荷率を上げてジワリと加速しようとします。これは以前借りたことのあるアウディA4(関係ありませんがこちらもチェーン式CVTです)と同様のマナーで、CVT大嫌いの私でも日常走行におけるドライバビリティはクルマ任せでまあ許容できるかな、というところでした。

ただ、自動モードでもアクセルを多少踏み足すと矢継ぎ早にわずかながらのショックを伴いながら加速度が段付きで変わるのは気になりました(「欽ちゃんの仮装大賞」の得点ランプが駆けあがるのを想起しました)。CVTだからといって必ずしも変速ショックと無縁というわけではないことは銘記したいと思います。

7段の手動変速モードもありますが高速道路で確かめたところ100km/hは7速で1400rpm・6速で1900rpm程度とあまりに低回転過ぎるため、だいたい5速(2400rpm)を使っていました。追い越しをかけるには3速(それでも確か4000rpm弱)まで落とすことになります。これほどギア比を高く設定する必要があったのか、大いに疑問です。


「SI-DRIVE」という運転モード切り替えはスロットルの応答曲線が2段階に変わるだけのようですが、どちらでも特に違和感はありませんでした。逆に言えばそれほど大きく異なるわけでもなく、不要な機能ではないかと思われます。カタログ燃費対策なのでしょうか。


ブレーキは短めのストロークで効きが立ち上がる設定で、踏力が軽いこともあって滑らかなブレーキングには多少神経を遣いました。


電動パワーステアリング(EPS)はフィールこそ薄めながら、よくあるわざとらしい中立への抑えつけなど不自然な感触は感じとれませんでした。これまで体験した中でもEPSとしては最高クラスに位置するレベルかと思います。


サスペンションは前ストラット式・後ダブルウィッシュボーン式ですが、通常のコーナリングでは進入から脱出まで挙動変化は滑らかで、前後バランスの良さを感じられるところです。高い負荷はかけていませんが、実用車としては十分信頼に足りそうな印象です。


ボディは全長約4.5m・幅1.8mありますが前後左右の見切りならびに視界は良好で、取り回しの面でも全くストレスは感じませんでした。
乗り心地

4

画像を撮っていないのでうろ覚えですが、タイヤはNEXENのセカンドブランドであるROADSTONEの確かCP672(225/55R18、2019年後半製造)を履いていました。

おそらくは新車からそのまま8万km近くを後にしたダンパーはさすがにお疲れのようで上下動が2~3回後を引きますが、周期が長くピッチングというよりはバウンシングに近い鷹揚な動きのためさほど不快な感じは受けませんでした。これは前後重量配分が車検証記載値(前870kg・後580kg)上でちょうど60:40となる上にフル乗車でさらに前後均等に近づいたところも大きかったかもしれません。
ただ、大入力の突き上げには前サスタワー付近やリアゲート上部あたりでビリビリと振動が後を引くような感触がありました。

エンジンからの音や振動はさすが水平対向縦置きだけあって、直4横置きとははっきりと異なる滑らかさでした。高回転でも苦しげなところは感じられず、気軽に回せます。高速でも風切り音など特定の音が目立つこともなく、オーディオや会話の音量をことさら上げる必要はありませんでした。

前席はサイズもたっぷりしておりサイドサポートも控えめで、何となくアメリカンな雰囲気があります。
自分で後席に座ることはありませんでしたが、身長175cmの生意気盛りな息子からも苦情は出ませんでした。
積載性

4

荷室のトノカバーが取り外されていたのですが、持参した大型スーツケース2個は中央寄りに重ねて何とか後席背もたれの上にはみ出さずに収まりました。実用的にはぎりぎり合格というところでしょう。
車内にも小物入れは随所にあり、物置には困らないと思います。
燃費

3



高速を1/4程度走ったほかはほぼ郊外の流れのよい道ばかりでしたが、延べ317.5kmを走行してレギュラーガソリンを約31L消費し(レシートの画像を撮り忘れました)、満タン法での燃費は約10km/Lでした(エアコン使用)。車載の燃費計もほとんど同じ値を示していましたが、ほぼフル積載+エアコン全開だったとはいえあまり褒められた数字とは言いがたいように思います。
燃費のハンデを補うためか燃料タンク容量は63Lとアルファ156やE36型3シリーズと同じで、Cセグメントとしては大きめです。
価格

4

当時の新車価格270万円は、内容を考えるとなかなかお買い得ではないかと思います。
故障経験
借りだすときにも告げられましたが、停車中はエアコンの効きが明らかに落ちました。「故障ではない」とのことでしたが、これで正常ならおかしい、というレベルでした。
確認できませんでしたが、あるいは私が所有車で経験したように電動ファンが回っていないなどの不具合があったのかもしれません。

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