M3セダン/M4クーペ、カミソリのような切れ味
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:BMWジャパン
掲載 更新 carview! 文:清水 和夫/写真:BMWジャパン
エンジンは一種類だがストレート6が帰ってきたのは嬉しい。排気量は3Lとダウンサイジングしたが、ツインターボで武装しているので、パワーとトルクは先代よりも性能アップしている。このターボは前と後の3気筒を2つのターボで担当し、高回転まで回る性能を実現した。その結果、最高出力431psは5500~7300rpmで発生するのでターボとしては高回転タイプだ。最大トルクは550Nmと大きいが1850rpmで発生する。
ターボだろうが自然吸気だろうが、回転の上がりにリニアに応じるエンジンがスポーツエンジンだ。フラットトルクは街中では乗りやすいが、あまり官能的ではない。
カーボンルーフやアルミシャシーを多用することで、重量はM4で1.5トンを切っている。先代よりも約80Kgのダイエットで、こいつも嬉しい話だ。重い車体に大きなエンジンなんて、とてもM3とは思えないからだ。7速DCTを駆使すると0-100km/h加速は4.1秒。6速MTよりも0.2秒速い。M-DCTにはローンチコントロールが備わっているが、クラッチがかわいそうで実際にテストする気にはならなかった。それよりも気になるのは軽量化された新開発の6MTだ。残念ながら試乗はできなかったが、スロットルブリッピングが備わるので、シフトダウンしたときに自動的にエンジン回転を同期してくれる。M-DCTも素晴らしいレスポンスだが、私ならMTをチョイスしたい。
今回のモデルはタイヤ・サスペンション・ブレーキという機能部品がサーキットを走る前提として開発されている。実際には熱問題がつきまとうが、徹底的に冷却システムを強化したことで、安定してサーキットドライブを楽しむことができる。ラジエーターはエンジンとDCTのオイルクーラーの役割を果たしているし潤滑系にも気を配っている。エンジンに過酷なニュルブルクリンクで鍛えられただけのことはありそうだ。
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