ワケありの新型アコード、河口まなぶが試乗!
掲載 更新 carview! 文:河口 まなぶ/写真:篠原 晃一
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1976年の誕生以来「人との調和」をテーマに進化を続け、08年12月、6年ぶりにフルモデルチェンジして8代目となったアコードは、ホンダの社内事情に翻弄された1台である。なぜならば今回登場したアコードは、実は数年前には“アコードの名で登場する予定になかった”1台だからである。
忘れた方も多いだろうが、8代目アコードは元々、07年12月に送り出される計画だった。そう、この時実際に登場した「インスパイア」が日本向け8代目アコードのはずだった。では今回発表された新型アコードは…というと、ホンダの高級車ブランド「アキュラ」から登場する「TSX」となるはずだったのである。
しかしご存知のようにホンダはここ数年で、アキュラの日本展開を白紙に戻す決定を下した。この結果、本来07年12月にアコードとして登場するはずだったアメリカ仕様のアコードは、従来通りの日本名であるインスパイアとして発表された。そしてこの時点で、翌年から日本展開するアキュラで「TSX」として売られるはずだった欧州仕様のアコードが、そのままアコードの名を引き継ぎ日本で売られることになった、という経緯なのだ。
こうした複雑な状況から判るのは、今回登場したアコードは本来、日本では高級車ブランドのアキュラから販売される予定であったため、開発の段階でその位置づけが従来より上級移行することは“悪”ではなかった。一方欧州市場ではCクラスや3シリーズに追い付く要件もあったため、あらゆる部分でクラストップの要素を備える必要もあった。
実際に8代目となったアコードを目の前にして、随分と大きくなったと感じる。しかし先述した経緯を考えれば当然の話でもある。当時ホンダが描いたのは、ホンダ・ブランドにおいてのセダンはこれまた著しく成長拡大したシビックに任せ、それより上級のセダン群はアキュラ・ブランドで売っていくという筋書き。だがそれは叶わなかった…。
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