Eクラスクーペの存在は 高級車の意味を覆す!?
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:菊池 貴之
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:菊池 貴之
実際にE250CGIブルーエフィシェンシー・クーペに乗ろうという人には、そうした細かな技術の話は興味の無い人の方が多いだろう。しかし何も知らずに乗ったとしても「いいねぇ」と思わせる味わいが、このクルマにはある。
無闇にアクセルペダルを踏み込む気にさせない。このクルマの走りを端的に表せば、そうなる。右足に軽く力を入れるだけで力が涌き出して、クルマがスッと軽やかに前に出る。そしてそのままスムーズに速度を上げていくから、それ以上深く踏み込む必要が無い。おかげで街中でも高速道路でも速度調整は思いのまま。ゆったりとした気持ちで乗ることができるのだ。
誰もが気掛かりなのは、6気筒から4気筒になったことがフィーリングを悪化させていないかということだろう。確かにエンジン単体の味わいだけを取り出せば、従来の6気筒のことを思い出さないとは言わない。しかし、この走りの余裕は気持ちの余裕にも繋がって、運転していてとても豊かな気分になれる。これは得難い感覚と言える。
心地良いフットワークも、そうした気分を更に深めてくれる。路面のギャップやうねりを柔らかく受け止め、そしてしなやかにいなすメルセデス・ベンツならではの足さばきはこのクルマでも健在。アクセルだけでなくブレーキも舵の効きも当たりは穏やかでカドが無いが、しかしそれは緩慢という意味ではなく、ソノ気になれば乗り手の意思をしっかり汲み取ってくれる。何とも懐深い乗り味を堪能させてくれる。
更にオプションのAMGスポーツパッケージ付きでは、電子制御式ダンパーを用いたダイナミックハンドリングパッケージを採用。ノーマルモードではより快適に、そして「SPORT]モードではシャキッとした足さばきを実現し、その旨味をより一層強く引き出している。精悍な内外装も含めて「買うならコレ!」と思ってしまう充実の出来映えである。
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