BMW 4シリーズ・クーペ、走る歓びを満喫!
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:小林 俊樹
掲載 更新 carview! 文:島下 泰久/写真:小林 俊樹
435iクーペと428iクーペの2種類に、それぞれ標準モデル、"Sport"、"Luxury"、そして"M Sport"が加わり、全8種類ものグレードが揃う中から、今回乗ることができたのは435iクーペ M Sport。最高出力306psを発生する直列6気筒3リッター直噴ツインパワーターボエンジンには、8速ATが組み合わされる。
この珠玉のストレート6も熟成が進み、今やトップエンド近くで回転が荒れることなく全域滑らかに回り切る。どこから踏んでも即座にトルクをもたらす一方、平板にならず回転の上下に応じて表情を変え、トップエンドでクライマックスを迎える爽快さは筆舌に尽くし難い。このエンジンに何も感じない人なんて、きっと居ないだろう。8速ATのマナーも文句無し。パドルを使っての変速も切れ味良く、意味が無くても操作したくなるほどだ。
それ以上に唸らされたのがフットワークである。膨らんだフェンダーに合わせてトレッドが大幅に拡大されたほか、フロントサブフレームが強化され、重心高はBMW車で一番の低さに抑えられたというシャシーは、とにかく反応が正確無比。クルマとの一体感の高さは極上だ。実は試乗日は台風迫る豪雨だったのだが、それでも常にクルマが自分の支配下にあるという実感は色濃く、安心感は絶大だった。
ストレート6を積むだけに前後重量配分はさすがに前寄りで、漫然と走ればアンダーステア傾向が強い。けれど、姿勢をしっかりつくりアクセルで曲げていくことを意識すれば、ちょうど良いニュートラルステアに持ち込める。日常域の安定性に加えてマニアックな操る歓びも、しっかり押さえられているのだ。
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