【プロ直伝】ガソリン高騰の今知らないと損する、燃費を改善する運転時のコツ6選
掲載 carview! 文:工藤 貴宏 185
掲載 carview! 文:工藤 貴宏 185
なかなか下がらないガソリン価格。これまでも“高値安定”だったのですが、昨今はさらに上昇傾向で「15年ぶり」と言われるほどの水準になっています。
地域によっては、レギュラーガソリンが1Lあたり190円に迫るガソリンスタンドも出てきました。もしかして、このまま200円を超えてしまうのでしょうか?
とは言え、通勤や通学などクルマを使わざるを得ない生活をしている人だっているでしょう。クルマに乗らないわけにはいかないので、対策としてできることと言えば、少しでも燃費を良くしてガソリン代を抑えること。
そこで今回は、燃費を良くするためのちょっとしたコツをお伝えしましょう。といっても小難しい話はナシ。あくまで気軽にできるポイントをまとめてみました。
突然ですが、愛車のタイヤ空気圧は適正ですか?
いつもは安全(空気圧が少ないとハンドルを切った際の踏ん張りが効かなくなるし、破裂しやすくなる)で語られることが多いタイヤの空気圧ですが、実は燃費にも影響します。
タイヤの空気は、パンクなどのトラブルがなくても少しずつ抜けていて、定期的な充填は不可欠。空気が減ると安全性が低下するとともに、燃費も悪くなります。
JAF(一般社団法人 日本自動車連盟)が2021年に行ったテストによると、タイヤの空気圧が適正値から30%下回ると燃費が4.6%悪化、60%下回ると12.3%悪化するという結果に。空気圧の少ない自転車を漕ぐのは余計に疲れますが、クルマだって同じことなのです。空気圧って本当に大事。だから安全に加えて、燃費のためにも1ヵ月に1度は空気圧をチェックしましょう。
クルマの空気圧適正値は、一般的に運転席ドア開口部周辺に表示してあり、その数値に調整すればOKです。もし、燃費に配慮するのであればその数値から5%ほど上乗せしても良いでしょう。ただし、極端な空気の入れすぎは走行性能の低下やタイヤ寿命の低下につながるのでご法度ですよ。
「発進加速はゆっくりと」というのが低燃費運転の定説のようになっていますが、必ずしもそうとは限りません。
たとえば、ハイブリッドカーで燃費を良くするコツはモーターを有効活用すること。ガソリンだけでなく電気もきっちり利用するというわけですね。だから加速も、少しモーターのアシストが入るくらいのアクセルの踏み加減が良い塩梅です。メーターを見れば、加速中にモーターのアシストが加わっているのを判断できます。
またハイブリッド車は、エンジンを止める領域を長くできればガソリン節約につながります。走行中にエンジンが止まるのは一般的に、加速時ではなくアクセルオフもしくは少しだけ踏んでいる巡行状態。
そこで、できるだけエンジンを止めるような走りのコツのひとつが、“サッ”と加速して巡航速度になったら“スッ”とアクセルを緩めて(エンジンを停止し)モーターだけで速度維持することです。特にハイブリッド車は、メリハリの効いた走りが燃費のためには重要なのです。
極論を言ってしまえば、燃費を良くするポイントは、できるだけエンジンへ燃料を送らないこと。そのためには、アクセルを踏む必要がないときはアクセルを踏まないことです。
たとえば、信号の手前に差し掛かった時。前方の信号が黄色や赤であればそこで止まることが明らかなのに、止まる直前までアクセルを踏んでいる人もいますよね。そんなときは、早めにアクセルから足を離して空走を活用し、エンジンへ送る燃料を減らしましょう。
これは前方に信号があるときだけでなく、前方に大きく曲がるカーブがあるときや高速道路やバイパスで前方を走るクルマに追いつきそうなときも同じこと。アクセルからブレーキに踏み替えるまでの時間をできるだけ長くするように心掛けると良いでしょう。このテクニックはガソリン車にも効きますが、ハイブリッド車だとより効果的です。
速度が低く、停止と発進を繰り返す市街地走行はエンジン車にとって効率が悪く、特に燃費が悪くなります。一方でハイブリッド車はそんな状況と相性が良いので、燃費を伸ばすことができます。
もしハイブリッド車に乗っていて、クルマに「EVモード」と呼ばれるエンジンを止めて走るモードが付いているなら、それを有効活用しない手はありません。速度が低い市街地走行中は、可能な限りエンジンがかからないEVモードを利用することでガソリンの消費を減らせます。
ちなみに、一部の電気自動車やハイブリッド車に備わっているアクセルを離した際の減速度を高めるモード(たとえば日産だと「e-Pedal)は、燃費重視なら使わない方が良いでしょう。アクセルオフでエネルギー回生をするので効率的に思えますが、そこで回収したエネルギーを使って再加速する際はどうしてもロスが生じます。
それよりも、不要な減速は抑えて空走状態を活用したほうがトータルでのエネルギー消費は少なく済むというわけです。
高速道路を走るときは、走行速度によって燃費が大きく変わります。なぜなら、高速道路の走行中に最も大きな走行抵抗となるのは空気抵抗だから。
たとえば、自転車に乗った際、無風と向かい風では必要な力が全然違いますよね。空気抵抗は速度の2乗に比例するので、スピードを上げれば上げるほど抵抗が大きくなり、エネルギーロスとなって燃費を悪化させるのです。
オススメは、高速道路の左車線(3車線以上ある高速道路は一番左の車線)で大型トラックの後ろを走ること。大型トラックのペースにあわせれば速度が控えめになるし、加えて大型トラックが空気を受け止めてくれることでその後ろを走るクルマは空気抵抗が減り、さらなる燃費向上効果を得られるテクニックです(必要以上に近づくのはもちろんNGです)。
ただし、速度を控えめに走るときはくれぐれも追い越し車線には入らないようにしましょう。なぜなら、煽り運転を誘発しないためです。お互いに気持ちよく走るために、周囲の交通の流れを妨げない範囲で行ってください。
高速道路走行中は、走行速度の上下の繰り返し(ムラ・ブレ)がエネルギーロスにつながります。なぜなら、加速する際は巡行時よりも多くのエネルギーを消費するから。
燃費よく高速道路を走りたいなら、速度をできるだけ一定に保つ必要があるのです。そこで活躍するのが「クルーズコントロール」。ドライバーがアクセルを踏まなくても、速度を一定にして走り続けてくれる運転支援装置です。
これを使えば、速度のブレがなくなるので燃費が向上。昨今は前を走るクルマにあわせて速度を自動調整してくれる「ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)」も広く普及しているので、これを使わない手はありません。なかには、走行モードを「エコ」にしてACCを作動させると、より燃費に配慮した制御となってガソリンを節約できる車種もあります。
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というわけで、燃料を節約するちょっとしたコツをお伝えしました。
いずれも心がければ簡単にできることですが、あまりにもキッチリやりすぎると疲れてしまうかもしれません(ただし安全にも影響するタイヤ空気圧調整だけはキッチリやりましょう)。
ですから、まずは疲れない程度に心がけるのが良いでしょうね。きっと慣れてきたら、自然に身体に染みついて意識しなくても燃費運転ができるようになります。
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