改良版NDはボディバランスが向上。最廉価モデルで約250万は頂けないが…
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:篠原 晃一
掲載 更新 carview! 文:山田 弘樹/写真:篠原 晃一
なんで最初からこうしなかったのだろう?
その理由は、何となくわかる。それは原点回帰を謳いながらも、現代水準のプレミアムスポーツカーとして性能を見せつけたかったからだと思う。パワーこそ131psしかないけれどコーナリングパフォーマンスの高さは披露したい。そしてこれを、そこそこの価格帯のスポーツカーを手に入れることができる世界中の人々に対して“誰もが楽しめる最新のロードスター”にしなくてはならない。そんな中でマツダは、誰が乗っても曲がると感じ、かつリアスタビリティの高いセッティング妥協点を初期型に見いだしたのではないだろうか? その証拠が、ADVAN Sport V105というタイヤの選択だとボクは思っている。
そんな色気、出さなきゃいいのに。
だったらタイヤも原点回帰して、ベーシックなグリップレベルのものでよかったんじゃないのか? そのためにNA時代にはなかった、トラクションコントロールシステムだって付いているんだろう?
しかし結果的に、マイナーチェンジしたNDはこうしたボクの文句を超えた仕上がりとなっていた。NA/NB型ではできなかったフロントの応答性をきっちりと高めた上で、リアもまとめている。全体的にあの“ボヨンボヨン”とした感じがなく、誰が乗っても楽しめるのに、質の高いハンドリングが得られたと思う。しいて言えば問題は、その限界が非常に高くなってしまったことだけれど、それは「限界が低いから楽しい」という初代NAの考え方の一歩上を行くものだと思う。
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